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本は読まないといけないのか?〜「本」が苦手な人のための処方箋

世の中にあるいわゆる読書法は、効果的に効率的にみたいな方向性のものが目立っている印象があります。

元々、本が苦手な自分にとっては少し前向きすぎる気がしたり、ハードルが高く感じていました。

今回は「本」に苦手意識がある人が、本と関わりを持つハードルを下げるヒントを並べていきます。

「本を読むこと」のペイン

ここ最近、UXデザインの勉強の一環で本の「購入体験」に関してインタビューを続けています。
その中で、「本を読むことへの苦手意識がある」という話が出てきました。
苦手意識が芽生えることで、本と触れなくなりさらに本との距離が出てしまう。そんな悪循環が生まれているようです。

どんなことから苦手意識を感じているのか聞いてみると、こんな感じでした。

・内容が理解しきれない
・集中して読めない
・全部読みきれない
・読了までに時間がかかってしまう
・読んでも覚えてない

皆さんはどうでしょうか?

僕自身、高校受験/大学受験と国語に苦労して以降、ずっと読書には苦手意識があり、速読術を調べてみたり、「読書本」を読んでみたりしていました。

ここからは「読むこと」のハードルを下げるヒント読む以外の本との関わり方を紹介していきます。

正確に読み取らなくてもいい

学生時代のテストだと、「正解」が求められました。
しかし、テスト以外で文書を読む時には正解を探して読む必要はありません。

正解を探そうとすると、内容が理解しきれないことがストレスになったりします。

思い当たる方は、是非こちらのpodcastを聴いてみください。

このpodcastで読書家のお二人が「複数の本を併読することで、一冊一冊を正確に理解していなくても、自分なりの気づきにつながる。それでいい。」というような話をしています。

このように正確に読まなくても、本から得られるものがある。
誤読のススメという言葉でそれぞれが見出す価値にスポットライトを当てています。

個人の解釈を許容する姿勢を示す、この言葉は素敵だなと思っています。

流し読む

集中して読めない・・・

これは自分自身だけではなく、集中できる環境かどうかが大きく影響します。

集中できない時は集中することにエネルギーを使うのではなく、まず流し読むのはどうでしょう?

「流し読む」を試す時に参考になる山口真由さんの「7回読み」

7回、ただ読むだけではなく、様々な読み方/目の通し方が含まれています。

受験勉強のテクニックとして紹介されることが多いですが、普段の読書に使ってみるのもありだと思います。
7回読みの中から自分自身合う方法から試してみるのはいかがでしょうか?

サーチライト読み(1~3回目):見出しなどを拾いながら読み流す。本の全体像をつかんでいく作業。

平読み(4、5回目):重要キーワードを意識しながら普通のスピードで読んで要旨をつかむ。1~3回目で全体像を捉えているので、内容はより頭に入りやすくなっているでしょうね。

要約読み(6、7回目):内容を頭で要約しながら読んでいきます。この方法で1冊の本を7回読めば、その内容を頭のなかに写し取ることができるというロジックです。
⚠️記事内容を抜粋し編集

全部読まずに、必要な時に使う

一冊を全部読もうとすると、プレッシャーになるし、あまり進まないとだんだん嫌になってきますよね・・・

そんな時は思い切って全部読まないというのもアリです!

仕事での活用が目的である時に最も効果的だと思っている関わり方を紹介します。

辞書的に使う

皆さん、国語辞典や和英/英和辞典に触れたことってありますよね。
wikipediaも含めましょう。

辞書は、どのように使うでしょうか?

読み切らないですよね。これが、辞書的に使うということです。

体系的にまとめられている本ほどページ数が多く、永遠に内容が終わらないし、少しカタイ文体だったりするので読み切るのは苦痛ですよね。

めちゃくちゃ役に立ちますが・・・

最近だと、この本を辞書的に使っています。

ざっくりと構成を分けると、以下3つです。
・基礎知識
・プロセス
・手法

これを大まかな目次にして、それぞれの中から部分的に必要なものを取り出して使うというような形です。

業務フローと一致しているような構成であったりすると使いやすいかもしれません。

時間制限を設けて読む

読了までに時間がかかるのも、読み始める時にハードルになりますよね。

読んでみたいけど、明日も早いしなー
また時間がある時に読もう

みたいなことがよくあります。

そんな方は、時間制限を設けて読んでみましょう!

例えば、
15分だけ読んでみる。
1時間で全部とにかく見る。(サーチライト読みとの掛け合わせですね。)

とはいえ、「自分で時間設けてやっても飽きちゃうよ」「それ自体がハードルが高い」という方もいますよね。

じゃあ、時間制限を設けて人と一緒に読書をしてみたらどうでしょうか?

ペアドクのやり方
最初から最後まで読む必要はありません。

話すためのネタを見つけるくらいの気持ちで、気軽に読みましょう。

Step 1テーマを決めよう(5分)
まずは「初めに」や「目次」を読んで、気になるところを見つけましょう。
「お金の稼ぎ方」でも「人とのつきあい方」でも、何でも大丈夫ですので、それがテーマです。
事前に本やレビューを読む必要はありません。

Step 2探しながら読もう(30分)
テーマに関連するピンとくる1文やフレーズを探しましょう。
明日から真似したいこと、わからないことなども、メモしておくと後で話すとき便利です。

Step 3気ままに話そう(30分)
読んでみた感想、気になった言葉やフレーズを話しましょう。
本をキッカケに、ふだんは話さないことを話せるといいですね。

※僕がいいなと思ったポイントを太字にしてあります。

個人的に読書会はガチ勢が集まっているイメージであまり足を運ぶ気になっていないのですが、これは割と心理的ハードルが低いなと思いました。

まだ試してはいないので、試した方いたら是非感想を教えてください!

読んで覚えようとせずにメモしてみる※制限付き

読んで、覚えていて、必要な時に頭の中から引き出せる。

それができたら理想的ですよね。

でも、実際には覚えていないことが大半なのではないでしょうか?

今度はメモを全部取ろうとして負担になる・・・
僕は欲張りなので、結局メモというより写経に近い状況になり、疲れて読むのを止めた経験があります。

Kindleで楽にメモするけど、見返さない&覚えてない・・・

困ったことだらけですね。

そこでおすすめしたいのが、知り合いの鳥居さんが提案してくださったBook Art Galleryです。
やることはすごくシンプルです。

「書籍中の言葉や文章を9つ以下」「〇□△の図形」
を用いてカタチにすること

制約の中で一枚の紙にまとめようとすると、情報量も限られます。
情報を絞り込むことで、全てのことはメモもできないけれども、自分にとって大事なこと/人に伝えたいことはしっかりと自分の中に残しておくことができています。

覚えるというよりも、情報を引っ張り出しやすくする一つの仕掛け作りですね。

自分のために作ってもよし、作ったものを使って他の人と話をしてもよし。

使い方は色々です。

このメモを使ったイベントでは、初めましての方とも濃いめにお互いの興味や関心を持っている領域を共有できました。
もし興味のある方は、鳥居さんまたは僕に声かけてください!一緒にやってみましょう!

もう、本は読まなくてもいいかもしれない

ここまで読んでくださったということは本に苦手意識のない方または本が苦手なだけで文章はOKだよという方かもしれませんね。

ここまで、様々な本との関わり方を紹介してきましたが、まだまだあると思います。

flierさんのような要約サービス、Youtube上にアップされている要約動画、Audibleのような聴く読書体験ができるサービス

本を読むことが苦手なら無理に読まなくてもいい環境になってきています。

便利な手段が増えることで、相対的に「読むこと」のコストは上がっているとも言えます。

そこであえて「読むこと」を選ぶ。
それは、ただ知識を得る以上の何か意味を見出しているということなのかもしれません。

本に苦手意識がある人こそ、「本」に何を求めているのか?

問いかけてみると、自分なりの本との関わり方が見つかるきっかけになるでしょう。内容によって、関わり方を選べばいいのです。

最後に好きな本を貼っておきます。

ちなみに僕は積読しています。

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