USCPA合格体験記⑯:BECその1-ライティングが合否を分ける
BECは自分にとって親和性の高い科目でした。勉強もスムーズで、比較的短期間で学習が終了しましたし、模試や本番の点数も良好です。BECの受験時からアビタスの模試のバージョンが変わったため、平均点やMC/TBS/WCの情報も以下に記載しています。
模試1回目 2021/7/23(10.02) 得点89 受験者平均点72.0(合格者平均点は本記事執筆時点では未公開)
模試2回目 2021/7/24(12.02) 得点82 合格者平均点65.9
本番 2021/8/2 得点84
※括弧内はVersion
Version10.02の内訳
MC TBS WC
自 分 44 35 10
受験者 38.1 27.1 6.8
Version12.02の内訳
MC TBS WC
自 分 42 30 10
合格者 37.2 22.9 5.9
受験者 35.2 20.7 5.5
模試の点数通り、BECは自分にとって難易度が比較的低いものでした。管理会計やファイナンス、ガバナンス、内部統制といった部分は、(制度面で多少日米の違いはあれど)実務でよく検討しているものでしたし、経済学は大学(15年以上前ですが...)で勉強したり2019年に中小企業診断士1次試験を合格したりしていたので、記憶に残っているものも多かったです。IT部分はそれほど知りませんでしたが、難解な問題はないと思います。ライティングについても、英語の勉強はしていたため英語を書くこと自体には苦手意識はないので、論点がわからず全くスカスカの答案用紙になってしまいゲームオーバーになることさえ避ければ、それなりの点数を取れると考えていました。
模試の点数が良すぎたため、最後の1週間の復習も気楽にやっていたのですが、本番試験直後にこんなLINEを友人に送っていました。
なんか、めちゃくちゃ難しくて全然できませんでしたよ😓
まったくみたことない用語もあるし、もしや範囲が少し変わったのでは💦
今回は楽勝だと思ってたのに、3週間ドキドキですよ😢
しかし今日から最後のREGの勉強を始めます。。
あまり細かく覚えていないのですが、MC問題でよくわからない問題が結構あったなぁという印象があります。2021年7月にBECの出題範囲が変わったそうなので、変更直後でイレギュラーな部分もあったのかもしれません。BECはそもそも範囲が広いため、運の要素もあるのかなとも思います。しかし上記のLINEの文面を読むに、たぶん合格しているだろうという気持ちが伝わってきます笑。後述するように、ライティングはできたという手応えはあったからだと思います。
ですので、基本的にはやはりアビタスの問題集をきちんとやっていれば大丈夫だろうと思いますが、時間的な余裕がある人は直前講座やAICPAリリース問題等もやれば万全になりそうです。
BECは世界の受験者の中では最も合格率が高い科目だそうですが、日本人にとってはAUDと並んで低合格率の科目だそうです。アビタスのホームページには下記の記載がありましたが、日本人受験者のBECやAUDの合格率は30〜40%程度と聞きます。
USCPA全体の合格率を見ていきましょう。 全受験者における平均合格率(2020年)は、57.7%で半数以上の方が合格しています。 各科目別の合格率は以下の通りです。
FAR (財務会計):50.0%
BEC (ビジネス環境及び諸概念):65.6%
AUD (監査及び証明業務):52.8%
REG (諸法規):62.3%
出所:アビタスホームページ
https://www.abitus.co.jp/column_voice/uscpa/column_voice11.html
AUDについては前回の記事で書いたように読解スピードが重要な要素だろうと思いますが、BECの場合は多くの日本人にとってライティングがネックだろうと思います。
アビタスの模試の平均点にもそれは現れていますし、受験直前にライティング対策をどうしようかと考えている時にいくつかの記事を読んでいましたが、中には諦めて白紙で出す(他の問題に時間を使う)受験者もいるそうです。そんなことをしてしまったら15点失うことになり、残り85点の中で75点を取らないといけないので、計算上は88.2%の正答率が求められます。
こうなると、難しい問題に直面した時に簡単に捨てて次に行くことができなくなってしまいますし、外せないプレッシャーが精神的な余裕を奪い正常な思考力も失われると思います。
例えば1題あたり5点満点中3点は取ることでWCで9点を確保し、残りの85点中66点をとる、すなわち77.6%の正答率で大丈夫という思考の方がはるかに余裕が出ると思います(WCのうち1題は採点されない可能性もあるらしいのですが、要はWCで半分以上、できれば6割は目指すということ。)。
僕自身は、アビタスの模試を通して、おそらく本番のWCでは12点は取れるという感覚を得ました。なので残りは75%くらいの正答率で行けば良い計算になり、当日MCが全然できなかったというショックを受けつつも、多分合格したなという気持ちもありました。
ライティングは、もちろん問題によって書く内容が変わるため知らない論点に出会ってしまう可能性もゼロではありませんが、基本的にガバナンスや内部統制、管理会計などの主要論点から出題される可能性が高いと聞いていますので、運に左右される可能性が一番低いとも言えると思います。ライティングさえきちんとできれば、安定した得点源になると思います。
前述の通り、試験前に(正確にいうとライティング以外のBECの勉強がほぼ完了した段階で)ライティング対策をどうしようかと思いネットの記事を読んでいましたが、結果的には、特別な対策は何もしませんでした。アビタスのライティング問題集の解答を全部暗記しようかなとも思ったのですが、分量が多いしかなり時間がかかるそうだったためそれは諦めました。
ライティングの採点は機械判定であり、内容の正誤はそれほど問われないとのことでしたので、これまで英検やTOEFLを受験した経験からも、正しい文法で書くこと、英語のライティング構成で書くこと、一定の分量を書くこと、関係ないことは書かないことを守れば、7〜8割は取れると考えました。
そして、実際にアビタスの模試をやってみて、論点が浮かばず何も書けなくて撃沈ということはないという確信を得ましたので、本番も問題なく完了できたと思います。
BECは勉強内容自体はそれほどの難易度ではないと感じました(だから世界的には合格率が一番高い。)。だからこそライティングで差が出ているように思えます。せっかくUSCPAをとっても、英語が全然できませんというのでは転職活動等においてもやや魅力に欠けてしまいますので、次回はライティングの強化について書いてみたいと思います。
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