USCPA合格体験記⑮:AUDその2-英文を早く読めるようになるにはとにかく多読多読多読
AUDに限らず、英文を早く読める方が考える時間を多く確保できるため有利です。仕事においても日々の情報収集においても同様です。一般的な日本人の英語読解スピードは遅すぎるため、勉強方法のチューンアップが必要です。
ある程度のレベルの英文を分速120〜150words程度で読めるようにしておけば(たぶん平均的にはこの半分くらいのスピードです。)、少なくともUSCPAの試験本番では、英語を読む速度が遅いから時間切れになるということは避けられます(ちなみに英検1級で分速120wordsだと遅いと思います。)。
下記はAmazonで試し読みができる本があったのでその画面をキャプチャしたものです(後述しますが、これはPenguin ReadersのEasy Startersという最も優しいレベルの本です。)。これだけだとさすがに簡単で短いのですが、このレベルであれば10秒弱で読めるかどうか、是非ストップウォッチで測ってみてください。英語に慣れていないと15秒くらいかかる人もいると思います。
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出所:Penguin Readers: Easy Starters DINO'S DAY IN LONDON (Penguin Readers (Graded Readers))
https://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/1405869453/forplatinum-22/ref=nosim/
多読メソッドの方法論はこちらの英語多読研究会SSSという団体により提供されています。USCPAの勉強をしながら多読勉強法の研究も行い、実際に多読をフルに実施するのは結構大変だと思いますので、経験的にこの程度をやってはどうかというレベルを僕なりに書いてみます。
初めに、そもそもなぜ多読が有効かを考察します。
実は日本人で英語の本を通読したことがある人はほとんどいないと思います。せいぜい学校の教科書に出てくる英文読解の文章(長くても4〜5ページで、数分で読了する。)を解いていくという程度です。最初から最後まで英語で書かれた一冊の本の最初のページをめくり、最後のページに到達したことがある人は稀ではないでしょうか。本格的な英語の記事をまるまる一本読んだことすらないと思います。ですから、例えば物語が始まってから終わるまでの一連のストーリーを楽しんだり、新聞記事の中の少し難解な表現を文脈を掴みながら読んだりするという経験がありません。
基本的に、英文読解用に切り取られたスナップショットを解説付きで辞書をひきながら読むことになります。文章そのものも、大学受験ともなると少しは難しいので、じっくり考えながら文法を分析して更にわからない単語の意味を確認し・・・という手順しか、ほとんど経験していません。ですから、英語をどんどん読み進めるということができないのです。一字一句分析的に読まなければ気が済まない体になっているのです(ただしこの読み方も、状況によりもちろん必要です。)。
それとは異なり、単語も文法もほぼほぼわかるレベルの文章をスイスイ読む練習をすることで、読むスピードそのものが速くなります。分析的に読まなくても英語をそのまま脳で理解できるようになります。優しいレベルの本でも、たまにわからない単語や文法が出てきますが、無視できる(それなりの精度で正しく推測して先に進める)ようになります。
なぜなら、何十ページ、何百ページにわたるその本の中で、そのある一文、一単語がわからないと致命的というケースはほとんどないからです。大体は前後のストーリーから推測することができるようになります。
従って、自分のレベルに合った英語を早く読む練習を大量に繰り返せば、自然と読むスピードが上がります。
USCPAの試験では、出てくる単語は決まっていますし、難しい文法は出てきません。なので多読メソッドがとても有効です。
また、勉強でも試験でも英語を読み続けることになりますので、毎日少しずつでも英語だけの本に触れることで、英語に対する慣れを作っておくことができます。試験前日や当日の朝などは、簡単な英文を読んだりリスニングしたりして頭を英語脳に切り替えておくことで、試験開始と同時に英語のスイッチを入れることもできます。
細かなやり方はリンク先の英語多読研究会SSSのサイトに出ていますが、僕なりに大事だと思うポイントを記載します。
①絶対に辞書を引かない
②わからなくても気にしない
③つまらなかったら違う本にする
④分速120wordsが見えてきたらさっさと上のレベルにいく
⑤1日15分でもよいのでこの多読を行う
①は、やってみるとわかりますが、意外に難しいです。赤線を引きたくなったり、その場で調べたくなったりします。でもだめです。とにかく早く早く読み進めることが大事です。しばらくすると、反対に、辞書なんてめんどくさいから(辞書を引かなくてもなんとなくわかるから)早く先に進みたいという気持ちに必ずなります。
②も同じです。立ち止まって日本語訳を考えたくなります。でもだめです。とにかく早く早く早く早く読み進めることが大事です。スピードを落とさないといけないとしたら、それは基本文法がまだ体に染み込んでいない証です。その段階ではレベルアップしないほうが無難です。また、稀に確かにわかりにくい文法で書かれた部分もありますが、多読していくうちにいつかわかるようになっているものです。
③は特に重要です。つまらなかったら意味がないのです!このトレーニングはスイスイ読むことへの慣れを作ることなので、苦行の要素があっては続きません。それにただでさえUSCPAの勉強で苦痛を被っているので、ここくらいは気楽に進みたいものです。
④は、厳密な計測ではなくだいたいで問題ありません。本当は分速150wordsにできれば良いですが、120wordsくらいでも次に進んで良いと思います。以下で紹介する書籍群は、総単語数が書いているものもありますが、書いてない場合には各行の大体の単語数と行数から総単語数を計算すればよいと思います。また、本のレベルが低いうちは飽きもきやすいと思うので、スイスイ進めるようになったら10冊などの目安は無視してどんどん次のレベルに上がると良いと思います。
⑤は、取れる時間にもよりますが、毎日の習慣に組み込むことがおすすめです。時間は寝る前の15〜30分などいかがでしょうか。USCPAの勉強の前にやってしまうと、それで疲れてしまって、肝心なUSCPAの勉強がおろそかになるかもしれませんので。
上記のルールで、まずはPenguin ReadersのEasystartというレベルの本を数冊読み、英語の本を最初から最後まで読むということに慣れたら、Penguin ReadersやCambridge English Readersなどのレベル1からレベルごとに数冊ずつ順番にやっていくと、半年も経つとかなり英語に慣れ親しんだ実感を持てると思います。
USCPAの試験とは直接は関係のない内容ですが、実務では読み書きの速度が重要ですので、このような練習も息抜きがてら取り入れてみてはいかがでしょうか。
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