カブトムシのショルダーバッグ





いきなりで、驚きましたよね。


皆さんにはこれが何か分かりますか?


そうです、これは…





カブトムシのショルダーバッグです。


今日はこの子について、書いていきたいと思います。



街で見かける芋男(いもお)が、


100%と言っていいほど肩から掛けているカブトムシのショルダーバッグ。


どうしてそれ程にも芋男に愛されているのか?


そこに僕は着目しました。


あ、芋男とは。


予備校帰りの学生と言いますか…


ゲームセンターのダンスするやつで覚醒してる奴と言いますか…


シワシワのネルシャツに折り曲げたら足首んとこチェック柄になってるズボン履いてる子と言いますか…

ま、要するに


ザ・チェリーボーイ見たいな男の子です。


今日はその謎に、鋭いメスで斬り込んでいきたいと思います。



身近な所で言うと、そうですね


弟がこのショルダーバッグを持っています。


いつでも持って出かけられるように玄関に掛けてありました


普段は学校から帰るとすぐに2階へと上がり、テレビゲームをします


外で友達と遊ぶような事は滅多にありません。


ですがたまに、クラスみんなで行くボーリング大会に誘われたり。


土日になると、お婆ちゃんの家へ行ったりするので。


稀に持って出かけていました。


むかし子供の頃、家の近所にラパークというショッピングモールがありました。


今もあるんかな?


弟はよくそこの2階にあるゲームセンターで、太鼓の達人をしていました。


ある日の事です、いつもの様に弟が太鼓を叩いていると…


僕は目を疑いました、


なんと人だかりが出来ているのです。


そして見る見るうちに人は増え、


当時の僕にはコブクロのストリートライブの様にさえ見えました。


周りからは、


「すげーな」「コンボいかついな」


「プロやん」「鬼やん」


と言われ


いつになく弟はカッコをつけて太鼓を叩いていました。


そうしていると、僕はある事に気付いてしましました。


それは周りのギャラリーが全員…


カブトムシのショルダーバッグを肩から掛けているのです。


驚きました、揃いも揃って皆が同じ色の同じ形を持っているのです。


それはまるで、甘い蜜に群がるカブトムシの様。



そこで僕はハッとさせられました


このショルダーバッグを持つ事は偶然であって必然なのだと。


このショルダーバッグは選ばれし者だけが手にする事が出来るモノなのだと。


僕には一生かかっても、肩から掛ける事のできない代物なのだと。


弟の背中が大きく見えました。

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