家族会議

これは


父、母、二男の…


本当にあった壮絶な物語である。


ある日の朝、いつもの様にリビングへ降りると


何やらただならぬ空気が漂っていました。


父、母、二男の3人で何やら話し合いをしているのです。


ですが高校生だった二男は進路に迷っていた時期でもあり、その事で少し悩んでいるのだなと思い


それ程気に留める事もなく僕は仕事へ出掛けました。


家に帰ると、


いつもなら家族がとっくに寝静まっているはずの時間なのですが


何故か部屋には明かりがついていました。


誰かがテレビでも見ているのかとリビングへ行くと…


父、母、二男がまたテーブルに座っていました。


そして僕が帰ってきた途端に、


会話がピタリと止まり


何故か怪しい雰囲気に包まれました。


何か僕に言えない秘密を隠している様な、


そんな事を勘ぐってしまいました。


あまりにも不自然だったので、


2階へ上がるフリをして


階段に座り


皆んなの話を盗み聞く事にしました。



(父)取り返しつかへん事になったな


(母)どこに相談したらええんかなー?


(二男)ごめんなさい…



(僕の心)「何か二男が悪いことでもしたのか、普段はそんなタイプでもないのに」


僕はさらに聞き耳を立てました。



(父)30万かー


(母)ほんまに身に覚えないん?


(次男)ないねん



(僕の心)「お金?!どう言う事やねん」


二男に限ってそんなトラブルを起こす訳はないので、内心驚きを隠せませんでした。


そして全ての会話を聞き終え、ゆっくりと階段を上がり


布団に寝そべり、天井を眺めて頭の中で話を整理しました。


要約すると…





エロ動画のワンクリック詐欺でした。


そして話はそこでとどまらず、


どうして良いか分からぬ3人は何故か携帯ショップへ行ったそうです。


そして店に事の経緯を全て話して、


この30万円は払わなければならないのか


誰に責任問題があるのかなどを隈なく聞いたそうです。


そうすると携帯ショップの店員さんは言いにくそうに一言…





(店員さん)「あ、そんなんですね。

えっと、まあ…

何もしないで下さい。(苦笑)」




そうして3人は大体の話を理解したのか、顔を真っ赤っかにして帰って来たそうです。


それ以来、二男の携帯には…


ゴリゴリのフィルタリングがつけられた事は言うまでもありません。


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