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旧劇上映の時に中学生だった人がシンエヴァを観た感想(ネタバレあり)

まず、最初に庵野監督、そして声優の皆さん、スタッフの皆さん、本当にお疲れさまでした。長い間この物語を綴ってきてくれて、ありがとうございました。

普段アニメの感想とか書かないんですけど、中学生の時に衝撃をくらい、その後の人生にも多大な影響を与えたエヴァ。今もエンタメ業界の端くれで働いてるのは、エヴァの影響は結構大きいと思う。というわけで、こればっかしは書かないと気が済まないので書いておきます。観た人だけに伝われ。

シンエヴァ、初演7:00の回で観てきました。
観終わってみての一言としては

「終わっちまった・・」

いや、そりゃそうなんですけども。

映画、総論すごい面白かったと思うんですよ。
新劇の素晴らしい映像はそのまま、Qでわかりにくかったところを説明してくれたし、旧劇も補完してくれて、昔からのファンへのサービス精神もすごく感じることが出来て嬉しかった。

でも、最初に来るのは喪失感がすごく大きいです。

何故かって、これしっかりと「THE END OF EVANGELION」(つまり旧劇)のリメイクだったんですよ。旧劇含めて、全部ちゃんと終わらせちゃったんですよ。ほんとに「さようなら、すべてのエヴァンゲリオン」しちゃったんですよ。

この喪失感、97年にエヴァが終わった時とめちゃくちゃ似てます。
映画の良し悪しより、もうエヴァ観れないのかっていう。

まあ、改めて庵野監督は旧劇に続いて、シンエヴァでもいい加減エヴァ離れしろよっていうメッセージ投げかけてたんだけども。そりゃ無理だって、青春ですから。

スターウォーズみたいにディズニーに権利売って、商業的にでも良いからエヴァ最新作が観たいのよ、こっちは。いや、エヴァは庵野監督自身の話だからディズニーに売っても意味ねえや。

っていうことで、圧倒的に喪失感が感想としては先行するんだけど、他に心に残ったことも自分の感情の整理がてら書いてみます。

・THE END OF EVANGELIONだった。最初は新海誠かな?レベルの風景描写で、シンエヴァという新しい映像を観ていたと思っていたのだけど、シンジ君のいつまでもいじけてる感じ、どこかで観たことあるなと思ってたら、アスカが蹂躙(今回はトラウマにはならないけど)され、ミサトさんが撃たれ、LCL化する人がいたりして、そして最後の精神世界描写。97年リアタイ組はたまらなかったのではないでしょうか。うわあ、THE END OF EVANGELIONだ、と。

・しかし、根本的な違いとして、運命を自分で切り開く、人間たちにも出来ることがある、そんな強い意志を随所に感じることができた。旧劇では、サードインパクト発動後は、もう成すすべがない状態だったのに対して、今回のシンエヴァは儀式が発動しても、最後の最後の最後まで抗おうとしていたのが印象的。その象徴がミサトさんであり、ヴィレの槍だったように思える。

・これは、シンゴジラで3.11を庵野監督が描いた流れを汲んでいるように感じた。天災(厳密にはxxxインパクトは、人が起こしているが)に対して、人類は立ち向かえるんだ、そんな強いメッセージを自分としては受け止めた。そして、ミサトさん加持さんが今回どう考えたってMVPなわけだけども、親は子を守り、生命は紡がれていくのだと。ユイの圧倒的自己犠牲もそうだったし、母は強しはすごく描かれていた。

・前回のメタパートでも、エヴァ離れしなさい、はあったけど、前回はオタクを突き放すような描写で、庵野監督としては「僕に構わないでよ!!」的スタンスだったものが、強い意志を持って現実へ立ち向かおう、そんなポジティブさが全体を通してすごく感じられた。

・惣流アスカラングレーがいた。それだけでこの映画の価値があった。式波は惣流のコピーだったんだ。そして、旧劇最後のやり直し。「気持ち悪い」から「好きだった」、そしてはにかみとか、エモエモのエモでしょうが。最高でした。ところでこれ、当時、庵野監督が宮村優子好きだった説があったと思うんだけど、そのけじめもつけました、でもあるんでしょうか。

・ミサトさん、かっこよすぎました。多分、自分も時を経て親になっているから、ってのもあるのかもだけど、マジでこの映画のMVPはミサトさんです。Qのミサトさんは、あれだね、TV版でいうところの20話〜24話らへんの、もうどうシンジ君に接したら良いかよくわかりまへん、のミサトさんのリメイクだったんだね。

・シンジ君、旧劇のときは自分で精一杯だったのに、親、仲間、果てはカヲル君まで補完しちゃうとか、成長度合いエグいって。最終的には神木隆之介君になっちゃってるし。シンジ君は映画の中にいる人物というよりは、庵野監督の圧倒的成長を表したメタキャラ感がすごかったです。

・ゲンドウ、旧劇のときは最後の最後まで「すまなかったな、シンジ」っていうことしか言えない、コミュ障大爆発だったのに、今回の心情の吐露、すごく良かった。そしてシンジ君を抱きしめて、そこにユイを感じることができたとこ、ホント泣きそうになった。これだけで新劇場版をやった意味があった。そう、子供を抱きしめるだけで良かったんだよ、人類補完計画とかいらなかったんだよ。笑

・マリ大活躍は良いとして、なんでそこまで活躍させたのかは、色んな考察見たいなあ。旧劇の時にはなかった要素が、庵野監督を成長させてくれたから、とかそういうことなのかな、と思うんだけど。マリ=安野モヨコ説もあるし。ここだけは、ちと老害ファン的には違和感あった。

・レイは序盤赤ちゃんが世界を知っていくような、そんな生命の素晴らしさ、みたいなのを象徴していた気がしていて、旧劇のような絶望の象徴ではなかった。なんなら、初号機の中でラプンツェルになってました。とか、今回の描き方でのユイのクローンだから、やはり母性の象徴となったのかな。このへんは大きく旧劇と違う点だなあと。

ばばーっと書いてますが、今後も気づいた点とかは更新していこうと思います。喪失感がすごかったけど、書いていくうちに、少しずつ素晴らしい終わらせ方をしてくれてありがとうという気持ちが湧いてくる。しかも、最後に新語ぶっこみまくったから、考察も10年は続くだろうし、まだまだ楽しめそうです。笑


#シン・エヴァンゲリオン劇場版
#ネタバレ

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