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アドルフ・アイヒマン

この記事は「注目の歴史上の人物紹介 Advent Calendar 2020」の企画です。歴史上の人物で自分が注目した人物を勝手にサクッと紹介します。

誰(一般的な解説)?

ナチス・ドイツの親衛隊員。ゲシュタポのユダヤ人移送局長官で最終階級は中佐。実際に捕縛したり処刑したりはしていない「事務方」で、ユダヤの人達を強制収容所に送るための事務処理をものすごい高効率で処理し続けた。戦後はアルゼンチンに逃亡していたがイスラエルの諜報機関であるモサドにつかまってエルサレムで公開裁判を受けての死刑になった。彼は最後まで「命令されてやったんだから自分は悪くない」と主張し、話題となった。

どこが好き?(もしくは注目)

ナチス・ドイツの戦犯と言えば極悪人という印象であるが、アイヒマンはごくごくどこにでもいる「事務のおじさん」・・・それが話題となりイェール大学の心理学者、スタンリー・ミルグラムによる「ミルグラム実験」が行われたり、哲学者のハンナ・アーレントに「凡庸なる悪」と評されたりした。

「アイヒマンという人物の厄介なところはまさに、実に多くの人が彼に似ていたし、しかもその多くの者が倒錯してもいずサディストでもなく、恐ろしいほどノーマルだったし、今でもノーマルであるということなのだ。われわれの法律制度とわれわれの道徳的判断基準から見れば、この正常性はすべての残虐行為を一緒にしたよりもわれわれをはるかに慄然とさせる」(ハンナ・アーレント)

とにかく時代の雰囲気にのまれた、フツーの人は意外に怖い・・・ということの象徴です。

有名なエピソード

裁判の尋問の中で話したなかでユダヤ人に対する事務処理~財産の没収とか戸籍の処理とか~を効率化するための工夫を嬉しそうに自慢していたというエピソードがある。そして「1人の死は悲劇だが、集団の死は統計上の数字に過ぎない」という言葉・・・・



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