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ブックレビュー「ルポ 日本のDX最前線」

今日は久しぶりに本を読んだ感想を書くことにします。今回取り上げるのは酒井真弓さんの著書「ルポ 日本のDX最前線」 実は予約してなかったのですがSNSで「読んだよー」ってのが流れてきたので早速アマゾンで取り寄せました。届いたのは昨日、そこから隙間時間に一気に読みました。もうちょっときちんと読んでから書こうかとも思いましたが、そう思っていまだに読んだのに書けていない本達があるので反省中なのと、こういうものは最初の印象が大事と思い、さっと読んだものをそのまま書くことにしました。


この本は是非読んでほしいので中身については書きません。大したことない自分が偉そうな批評を書いたところでぼろが出る気がしますので・・・というのが本音ですが、とにかく印象というか思ったことを書きます。

著者の酒井さんについて

いきなりですが最近の酒井さんと言えばこの動画ですよね。緊急事態宣言でどこにも出かけられなかった今年のゴールデンウィークでしたが、この動画で癒されました・・・いや勉強になりました。この武闘派CIO達の真ん中で話を聞いているのが酒井さんです。この人たちの話をリアルで聞けるだなんて嫉妬してしまいそうです。

言いたい事は、この本はライターの人が有名な人にちょっとインタビューして書いたものでは決してないという事です。けっこう長い期間をかけて、何回も取材対象の人達と関わってきた中で蓄えられた結果としてできた本であるのは間違いないです。IT関係のコミュニティ界隈でウロチョロしていると、酒井さんの存在はちょくちょく見かけます。それくらい今の最前線のITに関わる人たちと人間関係を築いているからこそ書けるのだと思いました。

正直羨ましい。


リアリティ

読んでみて感じるのは圧倒的なリアリティです。ルポルタージュ本って取材対象のほうもそれなりに構えるというか、都合のいい情報やきらびやかな面をかっこよく書く・・・そんなイメージがあるのですが(そうでない人スミマセン)この本に関してはそれは無いと思います。「何を根拠に!」と突っ込みがあると思いますが、これだけは確信があります。何故なら自分はnoteに頻繁に掲載されるコープさっぽろさんのブログのファンで、いつも読んでいるからです。

ぶっちゃけ書いてある事そのものはこのブログでちょくちょく語られています。しかもこの本では名前が載っていない人たちが書いた記事で。このブログってホントに中の人の生の声っぽくていつも楽しく読まさせていただいているのですが、この本に書かれている事は確かにブログ記事よりは深い事まで書かれていますが、「あ、あの時のあのエピソードだ!」って素直に思えるくらいそのまんまです。


ハートの部分

改めてパラパラと見返してみて気が付いたのですが、この本には図解がありません。DXに関する本というとシステムの仕組みだとか、業務の仕組みがこう変わったとかの説明があって、その図解が載っているのが世の常と思うのですが、そんなものは全く載っていません。そこに期待していた人は諦めてください。でもDXの大事なところってそこにはないですよね。自分が一番好きなDXを表した言葉が「正しいものを正しくつくる」の市谷聡啓さんの

「顧客の体験を変える新たな価値を生み出し続けられるようにすること」

なのですが、この「顧客の体験」と「価値を生み出し続ける」・・・かっこよく言うと組織風土とかだけど・・・魂とか生き方みたいなほうがしっくりくるような話がこの本の芯というか中心を流れています・・・というかそんな気がします。・・・というか感じました。


衝撃のラスト

素晴らしいのはラストの特別取材④でした。こういう本を読んでも「これは凄い人たちの話であって自分達平凡な連中には関係のない遠い世界の出来事」として自分ごとに出来ない・・・・・そうなってしまう事もありますよね。

そんなことないんです。そんな凄い人だって迷うし、大切なものを見失うのです。

自分らと一緒で人間なんです。大切なのは見失わない事ではなくて、見失っても戻れるか、やり直せるか・・・ですよね。

こういう話、ホント背中を押されます。

さぁ明日からもDXに向けて頑張ろう!


最後に
この本はうれしいことに新書なのでお手頃でかつ通勤時にも読みやすいサイズですよ。


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