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数字と意志の経営(2)

湘南江の島の税理士、エイマエダケイタです。
税理士・中小企業診断士そしてコーチでもある私が考える、経営者の意志を数字につなげる「数字と意志の経営」の第2回です。
今回はMVVとKPIについて考えてみたいと思います。
MVVは意志の部分、KPIは数字の部分と私は考えています。

1.MVV(意志)

経営者の意志を源に組織の軸を定義したもの、それがMVVです。経営理念や社訓など表現は様々ありますが、MVVとはそれぞれ、
Mission:組織の存在理由 →WHY?の問い
Vison:組織が目指す未来 →WHAT?の問い
Value:組織の価値観・行動指針 →HOW?の問い
を指します。

「何のために働くのか」「何を目指すのか」「何を大切にするのか」という意志を組織として表現したものです。
これを言語化し共有することで組織のメンバーの拠り所、組織文化の根源となり内面から働くことの支えとなります。(内発的動機づけ)
メンバー個人の目標・価値観と組織のMVVが重なるという状態が組織のメンバーの可能性を最大化し、それを組織の成長に繋げていくために必要なこととなります。

2.KPI(数字)

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組織のVision、ゴールを数値化したものがKGI(Key Goal Indicator:重要目標達成指標)です。
組織が目指す未来を具体的な数値として表すことで計測可能なものとします。組織の継続性を考えると、このKGIが利益指標となっていること、または利益と直結する指標となっていることが重要です。また期限が定められていることも必要になります。
目標設定の要素であるSMART(以下のとおり)を満たしているか、ですね。
・Specific(具体的である)
・Measurable(測定可能である)
・Achievable(達成可能である)
・Related (Missionと関連している)
・Time-bound(時間制約がある)

KGIと現状とのギャップを考えることにより、KGI達成へのプロセスを複数検討し、その中からCSF(Critical Success Factor:主要成功要因)を選択します。

CSFを数字によって表したものがKPI(Key Performance Indicator:重要業績評価指標)です。
日々の行動において何を目指すべきかを考える基準となります。
KPIは評価やインセンティブなどと結びつき外面から組織のメンバーを動かすことに機能します。(外発的動機づけ)
KPIはシンプル、単一であることが必要です。部署やプロジェクトによって異なるKPIを設定することはありますが、一つの行動に対して一つのKPIを設定するのが基本です。指標を設定する際にあれも大事これも大事となりがちですが、プロセスをCSFに絞り、KPIも絞り込むことが重要なのです。あれもこれも満たすように行動するというのでは判断が鈍くなります。判断を明確にするためにKPIは単一にします。
また、KPIは件数や金額などの「量」で設定することをおすすめします。「率」ではなく「量」にするのはこれも判断を明確にするためです。打率が下がるのを嫌がってバッターボックスに立たないのでは意味がありませんよね。

3.MVVとKPIの連携

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KPIがKGIに繋がっているかはこれまで考えたプロセスのとおり当然に重要ですが、同時にKPIがMVV(特にValue)に即しているかをよく検討する必要があります。

メンバーの視野がKPIにとどまっている状態は望ましくありません。KPIを達成することだけに目が行き、KPIは達成したけれどKGIは達成できないという状況を招く要因となります。
KPIの先のゴールまでを視野に入れて行動できるのかどうかがMVV、そしてそれが組織に文化として浸透しているかにかかっています。
メンバーの内面と外面から働きかけて最大限の能力を発揮してもらうためにもMVVとKPIの連携は重要なのです。

メンバーの意志が行動に表れ、それが組織としてのゴール(数字)へ繋がっていくようにMVVとKPIを連携させてデザインしましょう。
その結果として経営者の意志を組織の数字へ繋ぐこととなるのです。

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