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数字と意志の経営(3)

湘南江の島の税理士、エイマエダケイタです。
税理士・中小企業診断士そしてコーチでもある私が考える、経営者の意志を数字につなげる「数字と意志の経営」の第3回です。これが最終回となります。
今回は理想のPL(損益計画書:売上、原価、固定費)、BS(貸借対照表:資産、負債、純資産)の組み立てを考えてみたいと思います。理想のPL、BSすなわち、それは経営計画になります。

1.PLの組み立て

まずはPLの組み立てから。
売上をどう作るのかについては以前(↓)に書きましたが、

その売上高を実現するためにどうお金を使うのかまで含めて考えるのがPLの組み立てになります。
経費を以下のような観点で分類してみます。
・ヒトの観点(人件費、外注費など)
・モノの観点(家賃、消耗品費、設備投資など)
・情報の観点(広告費、専門家報酬など)

売上高を上げるのに人件費にお金を使うのか、設備にお金を使うのか、広告費にお金を使うのか。どこに焦点を当てるのかは経営者の意志が現れる部分だと思います。
利益をベースに考えますが、どうやって利益を作るのか。そこに大事にしたいのものが反映されてきます。

PL固定費

組み立ての流れとしては、
(1)実現したい利益に固定費を加え、必要な付加価値を計算する。
(2)必要な付加価値を生み出すための売上高を計算する。
 ※上で紹介したnoteにある売上高の要素分解を参考に売上高を組み立てる
(3)(1)で考えた固定費で必要な売上高を実現することができるのか見直す。
 ※ヒト、モノ、情報の観点でそれぞれ足りているか考えてみる
(4)見直した固定費で(1)からの流れをやり直す。
(5)(1)~(4)の繰り返しで納得感のある売上高、付加価値、固定費の組み合わせを見つける。
という流れになります。

2.BSの組み立て

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BSの組み立ての流れは大きく2つです。
(1)お金をどこから持ってくるのか
・借りる(銀行などから)
・これまでの利益から
・出資してもらう(VCなどの出資者から)
(2)持ってきたお金を何に変えるのか
・お金のまま
・商品
・設備(不動産)

あとに書くように理想のPLをいつまでに達成するのかのスピード感や理想のPLの規模感によってお金をどこから持ってくるのかも変わってきます。

3.時期と規模の観点

1年後に実現するもの、3年後に実現するもの、10年後に実現するもの。時期の観点も経営者の意志を大きく反映します。
現状→1年後→3年後の理想というイメージを常に持って考えることをおすすめします。
10年後くらいまでのイメージを明確に持てるに越したことはないですがそこまで先になってくると外部環境の変化を予測することが難しいので細かいところまで考えず少々大まかな数字でも構いません。
変化の激しい現代において3年後も予測は難しいですが、先のイメージを持って3年後を常に見直しながら計画するのがよいと思います。
MVV(Mission、Vision、Value)の考え方によれば、Mission=10年後、Vision=3年後、Value=組み立て方の源となる価値観、といった置き方ができそうです。

理想のPLとBSの規模についても時期とあわせて検討する必要があります。
大きな規模の理想をスピード感を持って実現するにはVCなど出資による資金調達(エクイティファイナンス)を考えなくてはなりません。
その他にも設備投資のタイミングに応じた融資の検討などPLの組み立てだけでなくBSの組み立てを合わせて考えることが理想を実現するために必要になります。

4.数字と意志の経営とは

数字と意志の経営と銘打って3回に渡って考えてきましたが、このように数字を伴った理想像を描き、それを実現するためのプロセスを描くことが数字と意志の経営であると私は考えます。
ありていの言い方をすればこれが経営計画ということになりますが、経営者の意志に基づいて思い描いたものを数字に着地させること、そしてそれを実行できる環境を整えることが重要であると思っています。

そのサポートをすることが私の仕事であり、私の楽しみとしていることです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
何かご質問等あればTwitterやコメントで頂ければと思います。
まだまだnote書いていきます!

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