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やさしい事業計画のつくりかた(3)

ここまで2回、事業計画のつくりかたについて書いてきました。

今日は数値計画を考えていきます。
「ここの部分が弱い」という人も多いですが、大事なところですよ。

1.売上から考える

(1)売上は顧客単価×顧客数

売上の構造の考え方はいろいろありますが、
まずは顧客単価×顧客数で考えるのがいいと思います。

顧客単価と顧客数の2つのポイントについてそれぞれ検討して売上を出します。

安い顧客単価で多くの顧客に買ってもらうのか、高い顧客単価で少ない顧客に買ってもらうのか、はたまた高い顧客単価で多くの顧客に買ってもらうのか…
事業のビジョンや価値提供の考え方、ビジネスモデルによって変わってくるところになります。

顧客単価の基準は、顧客が何と比較して自社の商品(サービス)を選ぶのかによって変わってきます。
競合となる商品(サービス)だったり、場合によっては違う業界の商品(サービス)の替わりに選ばれることも考えられますね。

(2)時間軸をずらして検討する

たとえば年間売上高1億円と考えたとき、
1ヶ月の売上高が840万円、
1週間の売上高が200万円、
1日の売上高が40万円(週5日稼働の場合)、
1時間の売上高が5万円(1日8時間稼働の場合)となります。
こうやって考えたときにまず実感を持てるかを考えてみましょう。
それから、達成するためにはどうしたらいいか考えてみるといいですね。

2.原価と経費を考えれば利益が出る

飲食、小売など原価(仕入)がある業種の場合はまず原価率を設定します。

それから、人件費・賃料・広告費などビジネスモデルによって想定される経費について考えてみましょう。

売上から原価、経費を引いて残った利益(税引前利益)から法人税等を引いた残りが純利益になります。
どれくらいの利益が残ったでしょうか?

※法人税等については厳密にシミュレーションしてもいいですが、
まずはざっくり利益の30%としても考えてみるといいです。

3.必要な設備投資や運転資金から資金計画を考える

価値提供のために必要な設備投資と、事業をスタートさせてから安定した収益をあげるまでに必要な運転資金から資金計画を考えます。

設備投資+運転資金=自己資金+融資などで資金調達する金額
というかたちで計画を立てましょう。
創業融資で資金調達する場合は一般的には自己資金の2~3倍の金額がめやすになります。(事業の収益性などによって増える場合もあります)

設備投資が多くなり運転資金が少なくなってしまった、というケースをよく見ますが、運転資金も重要な要素です。
いつまでに利益を出せるようになるのか、想定外の問題が起きるリスクも考えて運転資金は多めに考えておくことをオススメします。
資金の余裕があるとないとでは、思ったとおりにいかなかったときに打てる手段も変わってきます。

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資金調達を検討してもまだ資金が足りない場合は事業を絞り込んでスタートすることも考えましょう。

4.資金計画→返済計画から必要利益を考える

1年間で手元に残したい金額、返済金額、法人税等から必要な利益を考えます。

5.必要利益から必要売上を考え直していく

前回、経費については変動費と固定費にわけて考えるといいと書きました。
必要利益から固定費、変動費をプラスして必要売上を考えます。
上の1~2の流れを今度はさかのぼっていくことになります。

必要利益から必要売上を逆算するには、

(必要利益+固定費)÷(1ー原価率or変動費率)=必要売上

という計算になります。

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6.それぞれの数字に実現可能性があるのか検証する

売上、原価(原価率)、固定費、設備投資、運転資金などについてここまで考えた数字をもう一度検討してみましょう。
実感を持てる数字なのか、それぞれの数字の関係に注目しておかしなところはないのか考えます。

7.1年目の計画から3年目までの計画を考える

ここまで考えてみた計画を元に、3年目までの計画を1年単位で考えていきましょう。

事業の将来像について考え、成長の可能性を金融機関などに説明するのに役に立ちます。

8.1年目の計画を毎月の計画にする

最後に1年目の計画を毎月の計画に落としこみます。
単純に1年の数字を12ヶ月に分割しないで成長や季節変動を考慮した計画にしましょう。
そのほうが実感を持ちやすいですし、実際に計画と実績を比べて計画を修正しながら進めていくのに必要になります。
また、どこの部分が思っていたのと違うのか、どこを変えればいいのかというポイントが見えてきます。
計画はあくまでも進むにつれて修正していくものですので。


今日はここまで。
次は行動計画について考えていきましょう。


湘南の経営に強い税理士 エイマエダケイタ税理士事務所
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