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毎回盗難未遂に遭うパートナー

いつかどこかで表現したいと思っていた、これまでの料理人人生で知ったことや知識・雑学などを、ここで少しずつ紹介したいと思う。

昔、とある先輩に「道具は大事に使え」と教わってから、鍋やまな板、ボウル、レードルなどのお店の物はもちろん、自分の包丁やパレットナイフ、抜き型など、営業終わりなどに綺麗に洗って乾燥させて、とても慎重に扱ってきた。

日本の調理場では、自分のポジションに包丁など自分のものを置いて、営業終わりに調理場全員の包丁を一緒に洗っても、自分のところに必ず戻ってくる。

貸したとしても必ず戻ってくる。というよりも、基本的に日本人はあまり他人から物を借りない。

なのにフランス人ときたら、自分のポジションに置いてあるのに…一歩踏み出せば届くのに…
ただ手の届くとこにあるってだけで人の物を使おうとする。百歩譲って借したとしても、洗わずに返してきたりする。
フランス人皆がそうゆう訳ではないが、大半をしめてるのは確かである。

特に自分の道具の中で、肌身離さず持っているにも関わらず、「どこいった?」「ここにあったはずなのに…」となってしまうのが、ピンセットである。

昔ならピンセットを使うなんて考えもしなかったけど、ハーブの取分けや盛り付け、カニの掃除、小さい揚げ物などなど、多岐にわたる活躍で手離せない存在になっているが、

使い勝手がいい分、他の人も近くにあったら使ってしまうのが現実…ちょっと目を離したら無くなり、「かして」と言われ貸したら、気づいたらその人の胸ポケットに入ってたりと…なかなか調理場を旅する奴である。

だいたい皆んな自分のものにはシールを貼ったり名前を彫ったり、工夫はさまざま。僕のピンセットと何度も盗難未遂にあっているが、なんとか探し出し無事に戻ってきている。

これからもずっと一緒にいてほしいパートナーだ。

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