外大入学後に気がついた事

大学入学前、組分け試験が実施された。

試験問題はTOEFL。初めて受ける試験だが、これまた飛び上がる位難しく感じた。手応え等全く無く、最後の方の問題は鉛筆を転が…。

その後、その点数を元にクラス分けされた。

神の悪戯か、鉛筆の悪戯なのか、私が座っていたのは一番上のクラスのイスだった。

周りを見ると、女性が多く、しかも長期留学経験者もいた。

周りを見渡すと、他にも私のような境遇の男子達が…

内数名がこう言った。

"何故俺がこのクラスにいるのかわからない…。"

クラスでも英語での発言、質問が飛び交う中、全く発言もできなければ、質問もできない状態だった。そんな中でも宿題はキチンとやった。間に合わない時は、通学で使う電車やバスの中でも…。

1回生の1学期が過ぎ去ろうとしていたが、状況は変わらず、英語は話せなかった。外大に行けば、自動的に英語が話せるようになるて信じきっていた私は悲壮感に浸った…。

夏休み中のある日、母に"買い物に行くから、荷物持ち手伝って欲しい"と頼まれた。

途中で銀行に行くと言われ、立ち寄る。

すると母はおもむろに封筒を大事そうに取り出す。

"札束"入りの封筒だった。

母は何も言わず、それを窓口で指定口座に入金するように依頼した。

どうやら、母は何も言わなかったが、学費を納めに行くのでボディガード?でついてきて欲しいという意味だったのだ。

あれは相当なお金だった…。

それを見た私は目が覚めた。

"こんな大金を信じて投資してくれているんだ。もっと有り難みを噛みしめ、勉強せんと…。"

私は考えた。

"どうして口から英語が出てこないんだ?"

見ればわかるのに…。

そこでふと思いつく。

そういえば、九九や百人一首の歌ってどう覚えていた??

!!!!

"風呂の中や家で何回も口ずさみながら、覚えてた!! まるで口が覚えているかのように。"

そう、これまでは英語を読んだり、書いたりはしていても、口を使って「暗唱」はしていなかった。

後もう一つ、勉強法を聞いている中でよく耳にする事があった。

それは、"自分が発音できない音は聴き取れない(=発音できる音は聴ける)"という原則。

まずは日本語にない、th, v, fの音から学ぶ事にした。

同時並行で英文法を中学レベルからやり直す事にした。見て理解できるのではなく、口から自動的に出る様に。英会話は、"口での英作文"。瞬間的に出てこなければ、スピードに追いつけない。

そこで考えたのが、マスターしたい文法が含まれている文章を型(公式)として文ごと覚えてしまう事。

型さえ覚えてしまえば、後は中の単語を入れ替えて、そこに感情を乗せてしゃべれば、会話はできる…。できる限り簡単な文章で覚えるようにした。

これらの点を意識しながら"英語の学び直し"を始めた。

その約半年後、その効果を身をもって実感する事になる。


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