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ロースターによって味が違うわけ 後編

前回のnoteでは商品設計と再現性が大事ということを書いたのですが、後編では豆の調達や焙煎に由来する味の違いを探っていきたいと思います。

調達

日本は基本的にコーヒー消費国なので、よほど沖縄のコーヒー農園主だったり生産国に自社農園を保有しているのでもない限りは生産国で栽培収穫・精選されたコーヒーを買って調達することになります。

どこの国のどこのエリアのどんな品種のどんな精選の豆を買うかというのは焙煎するひとのどんなコーヒーを飲んでもらいたいか(商品設計)を反映したものになるし、安定した品質のものを調達することは再現性にも寄与するので重要な工程と言えます。

常に一風変わった鮮烈な印象をもつコーヒーを提供したいお店もあれば、落ち着いた味わいのコーヒーを提供したいというお店もあります。

そう言ったコンセプトに沿ってコロンビアの〇〇農園のアナエロビックを買おうとか、もしくはコスタリカの〇〇農園のウォッシュトを買おうというふうに買うものが変わってきます。

焙煎度

お店に届いた生豆をどういう焙煎度にするか。コーヒー豆の味わいは焙煎度で半分以上決まります(と僕は思います)。
浅煎りにすれば酸味が強くなり、深煎りにすれば苦味が強くなります。

酸味に特化したお店、苦味に特化したお店、中煎りを得意とするところ、幅を持たせて満遍なく用意するお店などこのへんもさまざまです。

焙煎時間と熱の伝わり方

それでここからが本題で、もし同じ豆を全く同じ焙煎度に仕上げたら同じ味になるのかというと実はそうでもなくて、焙煎時間や熱の伝わり方で同じ焙煎度でも味わいが変わってくるのです。

この辺が特にロースターの個性を感じるところだったりします。

コーヒーに詳しくないお客さんがこの差がわかるかと言えばもちろん気づかないことの方がおおいと思うのですが、なんとなーくここのお店の味好きだなとか苦手だなって思ったりするのってこの辺に理由があったりするかもしれません。

それくらいお客さんの”なんとなく”の感性って鋭い。

話を戻して焙煎時間の違いや熱の伝わり方で変わるのが何かというと、豆の表面と内部の焙煎度の差です。コーヒー豆って小さいから中まで均一に火が入ってそうに見えるけど意外にそうでもないんです。

左側が豆内外の焙煎度の差が大きい状態 右側が差が小さい状態

実際には焙煎時間だけでなく焙煎機の種類や吸排気を含めた焙煎のしかたなどが複雑に影響しあっています。

ちなみにカフェニルではこの図でいうところの真ん中から少し右に行った質感・甘さ寄りの焙煎を基本にしています。

ということでなんかわからないけど美味しいと言われたい今日この頃です。

また来週☺️

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