見出し画像

押し引きの判断基準

10月9日のMリーグ6日目 第2戦(11戦目)
起家 石橋伸洋(U-NEXTパイレーツ)
南家 前原雄大(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
西家 白鳥翔(渋谷ABEMAS)
北家 茅森早香(セガサミーフェニックス)

6日目にして「KONAMI」vs.「セガサミー」。ツイッターで親会社の公式アカウントが、対局前にこうつぶやいていた。

私が某出版社の代表として参加している「麻雀企業対抗戦」でも、うちのチームのボスに言わせると「同業他社には負けられない」という思いはやはり強いみたいだからね。気持ちはわかります。

結果。
1位 白鳥翔 71pt
2位 前原雄大 -1.5pt
3位 石橋伸洋 -21.6pt
4位 茅森早香 -47.9pt

渋谷ABEMAS強い。トップや連帯率が高いだけでなく、未だにラスなしなのがすごい。どうやらこれはABEMASだけらしい。

東二局、北家の石橋プロのみが好配牌で、後の3人が後手に回っていた局。
点棒があるわけでもない南家の白鳥プロの「守備意識の高さ」が凄かった。

4順目。
一一七八③⑦⑦⑨5西南白中 ツモ4 ドラ中

たしかにドラが1枚あるだけで、あまり魅力のある手ではない。しかし4を引いて来て、面子数的になんとかなるかな……というところで、白鳥プロは4をツモ切り。手を作ることをほぼ諦めた、守備的な一打だ。
南家のダントツならばわかるが、まだ東二局で「守備の意識を高めて打つ」というより「和了りは諦める」というレベルの一打。この見切りの早さは見事だった。すぐに石橋プロにテンパイが入り、即リーチ。

二三四②③③④④⑤⑥⑥45(赤) ドラ中

他家がみな降りる中のひとり旅で、しばらくのちにツモ。裏乗らずで2000-4000を和了る。

一転して東三局、白鳥プロの親番。
下家の茅森プロが中ポン、南ポンしてドラ色である萬子のホンイツ見え見えの仕掛け。
そこに今度は、白鳥プロがイーシャンテンから一を勝負。正直、手牌はたいした勝負手でもないので、てっきり降りるか回し打つと思っていたが……。

最終的なテンパイはこちら。
44456789六八234 ドラ八

一をチーした南家・茅森プロの手牌はこちら。
五五(赤)七八 一二三(チー) 南南南(ポン) 中中中(ポン)

片や跳満の六九待ち。白鳥プロはダマでは和了れないドラそばのカンチャン。これで押すわけにはいかないだろ……と思っていたら、白鳥プロがまさかの「ラス牌の七」をツモ和了る。。
もちろんラッキーも大きいだろうが、前の局は4をツモ切りし、今回は下家のホンイツに勝負する。白鳥プロの押し引きの判断の正確さに、少しビビってしまった。
そして、ここから怒涛の連チャンが始まり、流局も含めて四本場まで積み上げる。この親番で勝負あった。

面白かったのは、下位三人が激しく争っていたオーラスの一局。
二着目の前原プロが18500点
三着目の茅森プロが16000点
ラス目の石橋プロが14500点。

5順目。石橋プロが以下の手牌からドラの南を切る。

二三五(赤)①②③④⑤⑥24東東南 ドラ南

すでに發を仕掛けていた親の茅森プロが、そのドラをポン。

一二六七4446 南南南(ポン) 發發發(ポン)
まだ2シャンテンとはいえ、親マン確定で形もそれほど悪くない。

そして7順目。石橋プロが得意の仕掛け。

二三五(赤)②③④⑤⑥⑦24東東
この手牌から上家の切った3を仕掛け、東のトイツ落としをスタート。「五を重ねて四で和了れば(順番は逆でも)ラス脱出(ツモなら2着)という、かなり厳しい条件下の仕掛けだ。親が2フーロする中で流局を祈って降りるより、か細い道ながら和了りへ向かって前進することを選んだ。

その直後、親の茅森プロはこのテンパイに。
4446七七七 南南南(ポン) 發發發(ポン) ドラ南
6ならばトイトイもついて18000点。安めでも和了れさえすれば、2着はかなりの確率でゲットできる手配だ。

石橋プロも首尾よく五を重ねて以下のテンパイに。
二三五五(赤)234567 234(チー) ドラ南

しかし四は山に一枚を残すのみ。56は3枚残り。トップ目の白鳥プロはベタ降り、二着目の前原プロも降り気味に手を進め、振り込みは期待できない形だった。

この勝負、勝ったのは石橋プロ。四を掴んで無為にツモ切りした茅森プロの切なさたるや……。

二三五五(赤) 234567 234チー ロン四 ドラ南

石橋プロもラス脱出はなれど、二着までは100点足りないという切なさ。ギリギリで二着を守って安堵したのは前原プロで、何より望みどおりの結末に内心、ほくそえんでいたのが白鳥プロだろう。
なにせ、親跳満でも和了られていた日には、安泰だったはずの1位が風前の灯になっていたからね。

正直、このゲームはほかには、唸るようなうち回しは特に見られず。ここに上げた2局、白鳥プロの見切りの早さと、石橋プロのオーラスの仕掛けくらいだろうか。

ゲーム会社同士の対決は、KONAMIに軍配が上がる。セガサミーフェニックス、ちょっと苦しくなって来たかな。
(追記:どうやら木曜日はセガサミーのジェントルマンこと近藤誠一プロが爆発したようですね。面白くなってきました。またその回のレビューにて)

正直今日は、阪神・金本監督の辞任の報を受けて愕然としていたので、更新を諦めようかと思ったけど、なんとか上げてみた。
また明日もがんばります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?