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とり憑かれたヴィシアス・サイクル(悪循環)

リアルタイムでは観てなかったけど、何が起きたかこのツイートですぐわかった(笑)。

Mリーグ4日目初戦(トータル7戦目)
起家 村上淳(赤坂ドリブンズ)
南家 石橋伸洋(U-NEXTパイレーツ)
西家 高宮まり(KONAMI麻雀格闘倶楽部)
北家 黒沢咲(チーム雷電)

西家の高宮まり氏、北家の黒沢咲氏は初登板。女性が二人、同時に卓に入るのは初めてだ。一部ファンによる「ビジュアル優先で選ばれた」ような言いぐさを、実際に数字で黙らせることができるか。

結果。
1位 村上淳 +65pt
2位 高宮まり +14.7pt
3位 黒沢咲 -14pt
4位 石橋伸洋 -65.7pt

これまでも好成績を残している赤坂ドリブンズが、さらにトップを重ねる。同じくプラス組だったU-NEXTパイレーツは、前回トップを取った石橋の箱下ラスで、少し苦しくなったと言える。

東1局。親の村上氏のドラ3リーチに、降りながら手詰まりした高宮氏が振り込む。このMリーグで、いわゆる「降り打ち」を見たのは初めてだ。

一本場は高宮氏・黒沢氏の2人テンパイで流局親流れ。親番の村上氏はテンパイを取れたところ、勝負手だった高宮氏の尋常ならざる気配を感じて、あえてノーテンとする。

東2局。親の石橋氏よりド級のリーチが入る。

五六③④⑤赤55赤667788 ドラ八

七順目、ダマ満貫をリーチに行き、強引に跳満に。これに対して高宮が

二三四六七八②③④2488 ドラ八

タンヤオ三色ドラ1の満貫テンパイ。3は親リーの現物で6を切っている自分のスジでもあるので、降りている人から出てもおかしくない。しかしこれを掴んだのは、先行リーチの石橋氏。満貫の振り込みとなる。

マイナスを取り返したい石橋氏。東3局7順目に

③④⑤445566七八白白 ドラ八

そこそこの打点のリーチが入る。しかし親の高宮が上手く打ちまわし、カン三のテンパイに。ここに飛び込むのが、やはりリーチしている石橋氏……。正直、ツキがない(^^;)。。

次局も石橋氏は、3つ仕掛けて間五待ちのホンイツイッツーをテンパイ。この仕掛けはかなり厳しく見えたが、先行リーチの高宮氏に対してしばらく押し、さらに六引き四切りで六と發のシャンポン待ちに変更。

六六發發 一二三(チー)四五六(チー)七八九(チー) ドラ②

しかし、流局の2順前に無筋の4を引かされ、一枚切れの發のトイツ落して降りを選択。すると次順、ラストのツモがまさかの發! そこまで高宮に連続で勝負負けしていたことが判断に影響していたのか、弱気の選択が裏目に出る。もちろん4を掴んでの降りは選択として合理的に思えるので、ホントにツキがないとしか言いようがない。

ちなみにこのとき、石橋氏の上家の村上氏(トップ目)は、明らかに勝負にならない手から早めに萬子を切り出し、わざと石橋氏に鳴かせていた。「親に連チャンされるよりは」というのと、石橋氏の普段の打ち筋から「2副露でもまだテンパイじゃない可能性が高い」という判断をしたのだと思う。
実際、萬子の面子が足りず、四五六の出来面子から六を鳴き、六を手の内に浮かせるというアクロバティックな仕掛けも見せていた石橋氏。間五萬にしろシャボ待ちにしろ、相当苦しかったのは確実だ。

さらに東3局。黒沢の七対子ドラ2の西単騎リーチに、誘い込まれるように1枚切れの西のトイツを落とす石橋氏。まさに「泣き面に蜂」の8000点振り込みだ。

ただ、この局は手順ミスがあったように思う。

②③③④⑥⑦133567西西 ドラ中

8順目にこのイーシャンテンから③を切らずに1切り。西は場に1枚切れ。筒子を伸ばして西のトイツ落し、タンピンもしくは喰いタンを狙うのが石橋流なのかもしれないが、もう中盤だし、ちょっと筒子の形がゴツゴツしすぎていて、うまく進みそうな気がしない。素直に③を落としておけば次順に2を引いて⑤⑧テンパイ。リーチをかけていれば黒沢の西単騎は純カラになっていた。(このあたりは結果論だが)

こういう「泣き面に何匹も蜂が群がってくる」ようなヴィシアス・サイクル(悪循環)は何度も自分も経験があるので、石橋プロでもそういうことがあるのか……と、少し勇気が出た(笑)。

ここで箱下マイナス800点になった石橋氏。冒頭での小林氏のツイートは、このタイミングだ。小林氏と石橋氏は同じチーム。企業を背負ったチーム戦だと考えると、厳密に言えば微妙な発言かもしれないが、ファンとしてはただオモシロイ(笑)。いいんじゃない?

東4局。食い仕掛けした村上氏が立て続けにドラを引きこみ、トップを争っていた親の黒沢氏から満貫を直撃。黒沢氏は234の三色にドラか發も付いた形のイーシャンテンで10順近くツモが空ぶっており、その隙に村上氏がじわじわと手を高くして待ちを変えていき、ドラ6と八のシャボ待ちで和了り切った形だ。

南2局。石橋氏、最後の親番では、先行の⑤⑧待ち、高め親マンリーチをかけることに成功。しかしトップ目の村上氏より危険牌を2連続でごり押しされ、果てに500-1000をツモられてしまう。個人的には村上氏の押しすぎのように思うが、結果を見れば価値ある500-1000となった。しかし石橋氏、本当にツイてない……。

オーラスの高宮氏、トップ条件は跳満ツモだが、手牌にはその要素がまったくない。ここは微差で争う2着を守りに行くリーチ。和了して2着死守。

なんというか、トップを取った村上氏のうち回しや女性陣の奮闘以上に、「ひたすらツイていない石橋氏」が印象に残るゲームだった。

ちなみに今回、解説席の白鳥翔氏は、初心者をターゲットにした解説をしようとして、少し空回りしていた感じ。「タンヤオとは」「満貫とは」「裏目とは」「振込とは」「ツモとは」なんてところから話し始めるような初心者講習は、局の解説をしながらでは、なかなか難しいところがあるよね。
でも、すべてが手探りのMリーグ。いろいろなことを試しながら、麻雀ファンのすそ野を広げるように頑張ってほしいです。

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