皆で同じ方向を向く必要はない。チームに属することは、自分を抑えて誰かに尽くすことではないよ。

皆で同じ方向を向いていないと組織が成り立たないという意見に対して、そもそも同じ方向を向く必要がないという反論です。組織やチームというのは、目的のために構成員に自己犠牲を強いるものではありません。チームという枠組みより上位に、「個人」という枠組みがある。チームに属するには人それぞれの理由や目的があり、違うものを目指すのが本来あるべき姿だと思います。個人が複数集まって何かを達成しようとするときに、個人それぞれが目指す方向の重なる部分がチームの目的になるでしょう。チームの目的が上位にあり、個人がチームのために自らを犠牲にする (歯車になる、自己犠牲する) というのは本末転倒でしょう。個人の意思を何かしらの方法で押しつぶすのは「越権行為」であり、コンプライアンス違反です。個人のやりすぎ等を制限するために、「法」のようなルールがあります (そうじゃないと、特定の人のローカルルールで何とでもできてしまうので)。

そもそも人というのは、考え方も違えば、目指すものが違うのも普通です。同じ方向に進む場合は、ちゃんと話して合意する (双方にとって納得のできる契約等) とか、利害の一致等 (相応の見返り等) があるものです。ところが、チームに属するということは、特定の目的や考えのもとで個を殺して、誰かに合わせることを美徳とする人が一定数います。真面目な人 (M) ほど、そういうルールに他人を当てはめ、そういうルールに疑いを持たず従ってしまいがちです。しかし、チームや組織というのは目的のためにあるのではなく、個人がそれぞれが合意した先に目的があるわけで、順番が逆です。特に、チームの目的は単なるうわべで、実質は一部の人の目的がチームの目的とみなされ、その他が自己犠牲している状況があるとすれば、それは歪な関係だと私は思います。私は、その手の理不尽な押し付けに対しては、ノーを突きつけます。目上であろうとです。

ではどうすればいいかというと、個人が約束とマナーをちゃんと守った上で「自分のためにチームを利用する」。尽くす局面があるのは問題ではなく、尽くすべきと思った局面に限り尽くせば良いのです。「チームとして行動する場合は個人は常にチームに尽くすのが当たり前」等という考え方を受け入れるのが危ない。尽くすタイミングを決めるのはチーム (の誰か) ではなく一一員それぞれ。納得ができなければ、個人には異を唱えたり、出ていく権利があるはずです。

M (真面目) な人間は尽くす関係を作りがちですね。対してS (意思決定を大切にする) 人は尽くしません。私はSなので疑問を持ちました。

自己犠牲を矯正するなら集団であろうと、合法的に滅ぼしても構わないでしょう。集団 (あるいはその中の特定の誰か) を生かすために個人が生きているわけではないので。

別の表現をすると、「人 (構成員やサポーター) のために目的を達成する」考えの「目的を達成する」部分だけ先行させ「目的のためには人を犠牲にしても構わない」と取り違えてしまっているということです。これは所謂「手段の目的化」、大きな間違いです。架空のキャラで言うと、NARUTOの志村ダンゾウ等がその典型例でしょう。NARUTOのダンゾウの場合は、凡人 (ダンゾウ) が無理して天才 (扉間) の真似をした結果、本末転倒になっている典型例でしょうね。こういうことは、現実でもよくある事です。凄い人、目上、エリート等に自分より優秀であることを期待してはいけません。誰だって時には間違えるので、周りがその修正をかけられないと、チームは簡単に壊れます。強い個人に全て丸投げするのではなく、ちゃんと分かり合おうとする姿勢 (わかった気になって決めつけず、相手の話をちゃんと聞く) を終始続けることが大切だと思います。

まとめると、真面目な人特に、チームに属することは、個性や感情を殺してチームの歯車に徹することではなく、お互いをちゃんと分かり合い、押し付けずにそれぞれの目指すものを目指すものです。100 (他人が自分に合わせる) か0 (自分が他人に合わせる) の関係では、人間関係は確実に破綻します。故に、チームが一つの方向を向いている状態は、良い状態とは限りません。むしろ、一部の人間の目的が優先され、その他が自己犠牲している状態が、最もダメな状態となります。なぜなら、チームを存続させるか否かより、その中の個人の目的のほうが大切だからです。構成員の目的を犠牲にして達成する目的だとしたら、何のために構成員はそれを目指すと思いますか?そんなことをすれば、優秀な人からチームを去ります。無理して同じ方向を向こうとすると、最悪の結果 (チームの崩壊) を引き起こします。だからこそ、個人が別々の方向を向いてなお、目指せるものをチームの目的にするべきなのです。


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