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データは「解像度」を上げるためにある


データの必要性は頭ではわかるが、、、

仕事における様々な分析に、あるいは大学や研究機関における研究に「データ」は必要なものです。しかし、お金をかけて買う意味を肌感で感じている方は少ないのだと思います。私もそうで、頭ではわかっていても、肌感として十分にわかっているかは疑わしいです。

データは無料では出てきません。調査してデータを作るにも、情報システムを開発したり、運用したりしてそのログデータを作るにも、データを作るにはお金が必要です。

データサイエンティストを10年以上やっている私も、この肌感を作るのに日々努力しています。努力しないければ、データの本当の価値がわかりにくのです。

データを買うにはお金がかかり、データを活用してその買った以上のお金が手に入るので、データは投資対象でもあります。
もちろん、買った以上のお金が手に入らないことも多々あります。

頭で考えられたデータの価値の説明は世の中に様々あります。

  • データは業務を効率化や自動化できる

  • データは企業活動の中心となるAI(人工知能)を学習させることができる

  • データは現在の原油であり、新しい企業資源である

  • データは企業課題の解決に必要である

これらの説明は正しいと思います。ただ、これらの説明は頭では理解できても、感情(肌感)では納得できない部分があります。

あなたが100万円持っていたとして、あなたの人生にとって大切なデータが100万円で売っているとします。あなたは、そのデータを買いますか?買いませんか?

多くの人が買うのをためらうでしょう。私もためらうと思います。
貯金しておいた方がいいかもしれないです。旅行に行ったり、食事に行ったりするのに使った方が良いかもしれません。

頭で理解していても、実際にお金を払うかどうかは肌感次第です。
データに100万円を払うのは、その価値の肌感があるからです。

データを100万円で買う人が、データ企業のマネージャーです。
彼らや彼女らにはその肌感があるはずです。
頭でわかっているだけではダメなのです。

データ企業のマネージャーほどの能力のない私は、データの必要性についての肌感を養って、少しでも能力を向上させる努力が必要です。

ここで努力の成果を皆様に共有します。

データは「解像度」を上げるためにある

まず、結論から申します。
すなわち、データをお金を払ってでも買う価値は、データはその対象に関する解像度を上げることです。

解像度とは映像をイメージするとわかりやすいです。
ノイズだらけの全体にモザイクのかかったような低解像度の映像と、4K、8K、16Kといった現実と見誤るほどの高解像度の映像のどちらがよいでしょうか?
後者の高解像度の映像の方が良いに決まっています。

低解像度の映像は、全体にモザイクがかかっていると思ってください。
自分の好きなテレビ番組や映画が、モザイクがかかっていたらどうでしょうか?
きっと、好きなものがまともに見られずにイライラするでしょうし、ストレスが溜まります。内容はわけがわからないでしょうし、楽しくないのですぐに見ることをやめてしまいます。
高解像度であれば逆ですね。

企業活動における我々の仕事は、すべてモザイクがかかっています。日々、低解像度の映像を見せられているような気分です。たとえば、お客さんが「なぜ、自社の商品を買わないのだろう?」「なぜ、お客さんはすぐに飽きてしまうのだろう?」「なぜ、お客さんは不満なのだろうか?」がすべてモザイクがかかっていてわかりません。
一生懸命に、こちらがお客さんを理解しようと思っても、モザイクだらけの映像の内容を理解させらているような気分です。よりイライラしてストレスが溜まり、理解もできません。
唯一の方法は、モザイクを外すこと、すなわち、お客さんの解像度を上げるしかないです。

優秀な営業さんやコンサルタントさんは、「顧客の解像度を上げることが大事」と言います。そのお客さんが「何を欲しがっており」「どのような性格で」「趣味は?」「家族構成は?」「組織での立場は?」といったことの分析をした結果の解像度の高さと低さが、売れるか売れないかを決めます。

この分析のためにデータが必要になります。これは解像度を上げるためです。

お客さんのことだけでなく、企業の様々な活動の全てにモザイクがかかっています。動画プラットフォームと同じく、有料課金をしないと高解像度の映像が見れません。よって、解像度を上げるために、お金を払う、データを作って分析して解像度を上げる。

この説明で肌感は納得できるでしょうか?私は多少は納得しました。

高解像度の映像ではビジネスの見通しが良くなり、ストレスなくスムーズに内容が理解できます。そうすることで、仕事のスピードが上がり、効果が大きくなります。

もちろん、企業内や仕事だけでなく、社会全体の全てにモザイクがかかっており、その内容を理解するにはモザイクを外すしかありません。

現代社会は、モザイクがかかっている

現代社会は、モザイクがかかった低解像度の映像のようです。データ分析などを通じて、解像度が上がれば、社会が明確な内容が理解できるのではないでしょうか。そうすれば、社会の混乱の一部が解消するのかもしれません。

データが社会に少しでも役立つことを願います。

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