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Salesに求められる案件を見極める力

あまり目立たないが営業にとって案件を見極める力はとても重要性が高い能力であると思います。

案件を見極める力が高いと案件フォーキャストの精度が高くなりますし力を入れるべき案件に力を入れ、捨てるべき案件を捨てられるので自分のリソースを必要案件に出し切ることが出来るようになります。

案件フォーキャストは上司や周辺チームから見たその営業の信頼と直結します。

「この営業が言っているからこの案件は確度が高いんだろう。それなら技術者のアサインをしても良いな」という判断が出来るようになります。

この信頼値が下がっていくとマイクロマネージを受けるし、技術営業のアサインも難しくなります。
そうすると余計案件が取るのが難しく成績も下がり信頼もさらに下がり、、、という負のループに陥りかねません。(特に外資では致命的に)

だから案件を見極める力、意識して高めていきましょう!

必要度合いの強さイメージ

顧客の必要度合いを把握してみましょう。
以下に最も必要としている5から1まで書き出してみました。

5. 判断無しで必要な状態。この場合値段は問わない。万人共通。
 例えば、重病者にとっての手術や砂漠のような場所で脱水状態にある人への飲み物等。いくら払ってもそれを得るしかない状態。

4. 自ら積極的に求める状態。値段は限度あるが基本問わない。
自分の趣味に関するもの、好きなブランド、好きな歌手のグッズ・コンサートなど自らが積極的に求めているもの。

3. 消極的に求める状態(他人や周囲から強いられるようなケース)。値段は出来れば下げようとする。
大学の授業のための教科書、仕事のためのスーツ等の欲しいわけでは無いが無ければいけないから求めるもの。

2.特に必要ではないがタダ同然(と思えるくらい安価)なら欲しい状態。お金はとにかくかけたくない。
無料ティッシュ、ラーメン屋のおまけトッピング等。

1.タダでも要らない。
不気味で馬鹿でかい人形、(水槽もない一人暮らしに)大量の金魚等。それを持つことによってマイナスが大きいと感じてしまうもの。

これは課題の大きさの裏返しになっています。
5で砂漠での水や病人の手術をあげていますがとても大きな課題状況にあり、解決策をどうあっても欲しいということです。
逆に1はむしろそれが課題になるということですね。

だからこの把握のために知るべきなのはその課題がどれだけ重大なのかという事実なのです。

また気をつけたいのは組織としての必要度合いと対面しているその個人としての必要度合いにズレがあることが多々あるということです。
意思決定者でもない個人の興味で案件確度をあげた結果、失注ということはよくあります。

案件確度によるアプローチの違い

顧客の状況によってアプローチの方法は変わります。

<5 判断無しで必要な状態。この場合値段は問わない。万人共通。>
5の状況に出会ったら素早く契約を進めてください。
またよほど大きく切迫した課題があるはずなのでその課題解決に対して他に出来ることがないかも考えてください。
顧客価値の最大化に繋がりますし、契約の最大化につながることもあります。

<4 自ら積極的に求める状態。値段は限度あるが基本問わない。>
4の顧客に対しては契約条件(時期、金額)の合意をとにかく早くし、契約までのスケジュールを合意して進める。
早く、大きく、工数は小さく。を意識する。
4の状態となると契約自体は誰でも行えるので契約することを目標にせずに上記3点を目指す。
また、この状態の顧客はどのような課題に対して利用したいかのイメージまでついているのに、その客に分かっていることをくどくどと説明することを避ける。
顧客がまだ分かっていなくて知りたいことを聞き、それを伝える。外からでは分かり難い内容を伝えるというようにする。
こういう顧客に普段通りの分かりきった質問攻めをして普段通りの資料を一から説明するという人がよくいますが顧客にストレスがたまり、このサービスは欲しいけどこの営業から買いたくないなと思われます。

<3 消極的に求める状態(他人や周囲から強いられるようなケース)。値段は出来れば下げようとする。個人差あり。>
3の状態の案件はコンペや激しい価格交渉がクロージングタイミングで生じやすくなります。
そのため、3と判断をしたらコンペ落としや価格交渉での布石を早めに仕掛けていくことが求められる。
布石についてはこちらで記事にしています。

またスケジュールリスクも頻発するのでスケジュール合意もしっかり取っていくようにしてください。

<2 特に必要ではないがタダ同然(と思えるくらい安価)なら欲しい状態。お金はとにかくかけたくない。>
2の顧客は3に引き上げることが当面の目標になります。
気をつけて欲しいのは2の状態においては案件ではありません。
信頼を無くす原因になるので案件登録をするのは避けた方が良いです。

ここにおいて前提として考えたいのは、”顧客自身が気づいていない課題”が存在していてかつそれを”自社サービスが解決しえる”という状態であるかどうか。
上記前提が当てはまらず、本当に必要性を感じていない時は1に近いため追えない案件になる。
また、”顧客自身が気づいていない課題”があったとしてもそれが些細な課題であれば案件推進の努力は不毛な努力になりがちである。
2の顧客に対してのアプローチは顧客自身の課題を気づかさせること、認知させることが求められる。
その時意識したいのは出来るだけ客観性を持った説得を行うこと。
”営業と客”という関係性ではなく第三者的視点からの意見を出すようにしていきたい。
そのためには主語を「私」から「XX社」や「世の中」など営業である自分ではなく第三者的意見としてそう言われてるんですよ、とすること。
顧客の潜在課題へのアプローチについては下記記事も参照

ここで顧客事例を有効に活用することもお勧めです。
2を3に引き上げられなければネクストアクション(次回訪問、見積等)の合意自体難しいことが多いが、引き上げられていないのにズルズルと工数だけかかるような状況は避けるべきです。
繰り返しますが2は案件では無いです。

<1 タダでも要らない。>
1については契約を得るための戦略というより、ここに時間を使わないために早めの見極めが必要です。
可能性としては0%ではないが、リソース対期待効果が低いためよほど営業人員に余剰がない限りはここにリソースは割かないようにすることです。
自分だけのリソースならいいですがここの客に対して技術営業をアサインしてリソースを取ったりすると信頼を大きく失うので気をつけてください。

また本当は商談時点ではなくアポ取得時点で見極めていきたいです。
インサイドセールスがいる体制の場合は、こういった顧客をインサイドセールス段階で選別出来るようにしていきたいです。


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