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B2B Salesにおいて契約日が予定より遅れてしまうことを防ぐにはどうしたら良いか Mutual Action Plan

B2B営業をしているとフォーキャストで想定していた日付に契約が出来ない!ということがちょこちょこ起きるんじゃないかと思います。

この契約日のズレが年度を跨ぐ形で起きてしまったら営業側の大失態で大きな問題となってしまうでしょう。

ある外資企業では年間トップ5に入るくらいの大きな案件を受注した営業が評価されるどころか社内で冷ややかな反応をされていました。
それは受注がひと月遅れて年度を跨いでしまったからです。

またSAPなどの外資営業組織ではコミットした日付が月末で無くても1日ズレるだけでも大事で大変な報告作業をすることになりました。

こういった受注日の遅れは不可抗力のものもありますが、営業による案件の進め方によってはコントロールが可能になります。
その1つの手段として”契約スケジュールを細かく顧客と合意する”ということがあります。

やり方はシンプルで契約締結までに必要な事柄を全て日付を設定して顧客にこのスケジュールであればこの日の契約が間違いがないか確認をするというものです。
ここで顧客側から「実際にはこのプロセスがある」とか「この日数で承認回すのは無理だからスケジュール見直して」とか言ってもらえるとより正確なスケジュールを組むことが出来ます。

ポイントであるのは勝手にスケジュールを作るだけではなく、顧客と合意をするということです。

そうすると例えば上申資料作成完了予定日に連絡をして「上申資料は予定通り進んでいますか?」と聞くようなことが出来ます。
これで予定通り進んでいればいいですが、進んでいなくても何か手伝えることは無いかという申し出も出来ますし、自らのフォーキャストを見直すことも出来ます。

こういうことも無しにただ毎日顧客に連絡して、「契約手続きどうですか?」とばかり質問をしても顧客にはうんざりされてしまいます。

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ポイントは、
①申込書送付というゴールから逆算でスケジュールを確認していく
②細かく日程ゴールを設定する
③メールでスケジュール確認(合意)するなどエビデンスが残る形にする
④余裕のある日程にし、かつバッファーを必ず入れる
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①については現状からスケジュールを考えてしまう人が多いですがそれだと後でわかっていなかったプロセスが生じたりします。逆にゴールから現在までのプロセスを確認すればそれは起きません。
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例えば下記のようなものになります。
今後のご契約までのスケジュールとしては下記と考えておりますが相違ございませんでしょうか?

貴社社内フロー上抜けているプロセスなどあればご指摘いただければと思います。
また日程上無理な点がございましたらそちらも合わせてご指摘いただければと思います。

8/2 次回お打合せ(契約条件の擦り合わせ等)
8/2~8/10 契約条件に関しての協議
8/8-15 貴社内法務確認
8/10 契約条件の確定、上申資料(取締役資料)の作成完了
8/11 貴社内取締役会
8/14-17 貴社内稟議
8/17 貴社内承認完了
8/17-18 貴社内捺印申請
~8/18 お申込書ご送付
8/21,22 予備日(前段プロセスで遅れが生じた時のため)
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特別値引きの見積期限などもこういった逆算から決めていく必要が有ります。

これは契約に向けての意思決定者との合意が出来たタイミングからのスケジュールセッティングですが、もっと早い段階(商材によっては半年や1年前)から検討のために何が必要かをスケジュールに落としていくことも有効です。
その場合よりアクションの粒度は大きくなります。

こういった合意をMutual Action Planと言ったりもしますが案件をB2B Salesが確実に進めていくためには有効な手立てであると考えます。


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