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リード営業モデルとアカウント営業モデル

B2B SaaSの営業を見ていると大きく分けてリード営業モデルとアカウント営業モデルがあるように思うのでそれについて私見を述べてみます。

リード営業モデル

まずこの「リード営業」という言葉はググっても出てこなかったですが、リードへの対応を中心に営業活動が設計されているという点でこのように呼んでみたいと思います。
リード営業モデルはマーケティングで生成されたリードをインサイドセールスが商談セットしてそれを営業が案件として進めていくというのが一般的です。

この場合、リードであり案件の起点は顧客にあります。
リードになるまでに資料請求なりセミナー参加なり顧客側が何かしらの目的を持って活動してきています。
(但し、多数企業が協賛しているイベントに他のサービス目的で登録したから特に自社サービスに関心無い等のケースもあるので濃淡ありますが)

顧客起点の場合、初回商談で顧客側の課題やニーズをヒアリングした上で、ソリューション説明やデモ、価格などの説明に進めます。
ソリューションによりますが初期商談含めて2,3回の商談で契約に進むこともあります。

また、リード営業モデルの場合は1人の営業で多くの企業や案件を担当することになります。
リードが獲得されてから担当アサインされることもあって事前にその企業について営業が事前に深く知っていることは少ないです。
そのため基本的には同じ説明資料と流れで商談を進めていくことも多いと思います。

同時に1人の営業が受注する数も多くなるために契約後の企業の担当も同営業にさせているとそのうちに既存企業対応で身動き取れなくなってしまうためにカスタマーサクセスをおいて既存企業対応を営業から外すという体制にすることもあるでしょう。

このようなモデルであるのでリード営業モデルはリードタイムが短く、案件単価が企業規模によらず一定と考えられ、アップセルを狙えないような時に特に適しているように思えます。
逆に言えば、エンタープライズ企業に対して大型案件を受注することやアップセルを通して企業あたりの売上を高くすることを狙う際には後述のアカウント営業の方が適しているでしょう。

アカウント営業モデル

特定のアカウントに対して担当の営業を割り当て、それぞれの営業担当者がそのアカウントから売上を上げるモデルです。
1人につき担当する顧客数は10-20社ほどです。

年間で担当アカウントと目標売上がセットされ、どのように商談を作るかから営業に委ねられるケースも多いと思います。
外資ITでエンタープライズ営業だとこの形になります。
リードが無いというわけではありませんが担当している10社のうちからリードがちょうど来るということは少ないです。

リード営業モデルの場合は顧客側にリードという起点があると書きましたが、アカウント営業モデルの場合は営業側が起点にならないといけないです。
アカウント営業がまずすることは担当アカウントについての調査です。
その企業の組織体制や意思決定プロセス、経営計画、過去投資情報、SNSなど自分の担当するアカウントについての情報を集め、その上で営業計画を立てます。

担当する企業(10社)の中で自社ソリューション領域の導入検討があればその検討に乗るように提案をしますが自社ソリューション領域の導入検討が無い企業も担当します。(それが大半です。)
その場合はその企業の潜在課題を抽出していき、それを課題として顧客に認識した上でそれを解決するということを顧客と合意するということからしていく必要があります。
また、それを1人の担当とするのではなく意思決定ラインと行っていく必要があり、誰と合意をしなければならないのかも計画を立てた上でアクションしていきます。

また中長期的に売上を考えていくことになるので顧客との関係構築が重要になります。
直近では売上に繋がらないアカウントでも関係性が構築され会話が出来るようになっていると情報収集が進み、案件戦略が立てられるようになりますし、提案先も増やしていき、2年目、3年目の案件となっていきます。
このような中長期の視点で顧客との関係を考えるのもアカウント営業の特徴になってきます。

アカウント営業は限られた企業数しか営業が担当出来ないのでエンタープライズ向けに大型案件を狙うのに適しています。
大体の企業ではリード営業モデルとアカウント営業モデルを併用するような形が良いでしょう。
その場合、上記のように営業としての活動が違うのでリード営業にただアカウントアサインをするだけではうまくいかないしマネジメントも変える必要があります。

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