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貫入のおはなし

『これひびなんですか?』
『なんか黒い線がいっぱ出でてきちゃって・・・』
というお問い合わせをいただくことがあります
今日はこの日々のようなものについてお話ししたいと思います
この表面に入っている日々のようなものは
貫入』といいます

なんだか聞き覚えのあるようなうつわ好きにはよく聞くワードの一つです

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貫入とは?
貫入はうつわ自体のヒビや割れと違って器の表面の釉薬のヒビの事です。
陶器は素地(土)に釉薬をかけ窯に入れて作り上げます。その際に釉薬は解けてガラスの層となってうつわを覆います。
土には焼くと縮む性質があり、うつわの素地と表面の釉薬とでは収縮率に差があり冷却する間に表面の釉薬が耐えきらなくなって細かく割れてしまうことからが貫入が生まれるのです。

窯から出た時に『ピンピン♪チンチン♪』音が鳴るのですがまさにその音が貫入が入っている音なんです。時々窯から出した後のうつわをお店で並べた時にタイミングが合えばお店でも聞くことができるかもしれません。


※どんなうつわでも貫入が入るわけではなく粘土の性質や仕上げ方によって持ちがいます。

作家さんによっては貫入の色を濃くするためドングリの渋皮や墨を陶器と一緒に付け込み貫入の模様の良さを引き出す方もいます。

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貫入は使っていくうちにカップならコーヒーや茶渋な土で色がゆっくりと入り込んできます。
碗やお皿もいろんな食材によって風合いが変わってきます。
またそれも長く使って頂いた自分だけの一つの器の景色です。楽しんでいただけると嬉しいです。

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また買ったときの風合いを長く楽しみたい!!という方は『目止めの処理』をお勧めします。目止めを行ったからと言って貫入が色づかないとはいかないのですが簡単にゆうと自分色に染まるペースがゆっくりになります。
目止めの処理はひとつ前のお話に記載しましたのでご参考ください。

◎窯元のひとり言◎

窯から出た後になる貫入の音
目を閉じ聞いていると心癒されます
鉄筋の音とも違う鐘を鳴らす音でもない
何とも不思議な音ですまた窯の暖かさも感じながらそして目を開けると新しい器がたくさんなので窯出しの日は独り占めしたくなります!!

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