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受験生に伝えておきたい「インプットとアウトプット」のこと

インプットとアウトプットのバランスを考えることは、受験勉強において非常に重要となる。

インプットばかりだと演習が足りなくなり点数は伸びないし、アウトプットばかりに偏り過ぎると基礎があやふやになってしまう。

インプットとアウトプットのバランスは、勉強の成果を左右する鍵とも言える。だからこそ、これから書く内容をチェックしてみて欲しい。

アウトプット中心の勉強の方が効果的

インプットとアウトプットのどちらを重視するのかという問いには、すでに結論が出ている。

アウトプットを中心とした勉強の方が、インプット中心の勉強よりも効果が高いことは、脳科学的にすでに証明済だ。

人間の脳は、情報を何度も入れ込む(=インプット)よりも、その情報を何度も使ってみる(=アウトプット)ことで、長期間安定して情報を保存することができるそうだ。つまり、参考書を繰り返して丁寧に読むより、問題集を繰り返しやる方が、学習の効果が期待できるということである。

しかし、当然のことながら、十分なインプットがなければアウトプットはできない。 たとえば社会。歴史の流れも正確に知らない、また歴史上の出来事も説明できないでは、入試問題はおろか基本的な問題すら解けない。だからといって、最初から教科書を読みながらノートにまとめるという超インプット中心の勉強は非効率すぎるし、そもそも受験生にそんな時間の余裕もない。

ゴールを意識した上でのインプット

じゃあどうすれば良いかというと、最終的なアウトプットの形、つまり受験勉強でいえば入試問題が解けるようになることを意識したインプットをすれば良い。

入試問題がどんな形式で出題され、何が問われやすいのかがあらかじめ分かっていれば、インプットのときにそこに意識がはたらくようになり、実戦的なインプットができるようになる。

もう少しわかりやすく説明しよう。

たとえば歴史の勉強をしているとする。入試では歴史の並び替え問題がよく出題されると分かっていたら、インプットするときもそれに対応できるように、年号をいちいちチェックし、それを頭に入れようとする意識が働くだろう。また、日本史と世界史の融合問題が高頻度で出題されると知っていたら、日本史を勉強しているときも、同じ時代に世界では何が起こっていたか確認しながら勉強を進めるだろう。

このように、最終的な形式でのアウトプットを知った上で、それを目的として行うインプットと、最終的なアウトプットを全く意識しないインプットでは、同じ内容を勉強していても見るポイントや傾注する事項はかなり違ってくるはずだ。

ゴールを知るために過去問を解く

ただ、このやり方の大前提として、入試に何がよく出るのか、どんな形式でどのような問題が出題されるのかを知っておかないといけない。

そのために、まずは出題形式や傾向を掴むことから始めよう。「過去問は早めに解け」というのが受験勉強の鉄則だが、その理由の一つは最終的なアウトプットをまず頭に入れておくためである。もちろんこの時点では全部できなくてもOKだ。目的は出題傾向を掴み、ゴールの形式とレベルを知ることなのだから。

ゴールの形が見えたら、次は徹底的なインプットに移る。先ほど解いた過去問で、できなかった問題をやり直すレベルではない。参考書や基礎的な問題集で最初からインプットするのだ。

この時、必ず最終的な形式でのアウトプットを常に意識すること。そうすると、何がポイントで、どういうことをどんなレベルまでインプットするべきかが分かるはずだ。

これが、「ポイントを掴んだ勉強」である。ポイントが分からない人は、ゴールを意識していない、もしくはゴールを知らないまま勉強をしている場合がほとんどである。最近の入試では一問一答的に用語を問われることはほとんどないのに、延々と用語を暗記していても時間の無駄になるだけだ。これがゴールを知らないままインプットしている悲劇なのだ。

アウトプットとインプットの繰り返しで層を重ねる

インプットの後は、ある程度基礎的な問題でアウトプットの練習を繰り返した後、力が付いたかどうかアウトプットして試してみる。つまり、また入試問題や実戦的な問題を解いてみよう。今度は、最初に解いたときように全部できなくても OK という気持ちではダメ。インプットが済んだのだから、しっかりと正解することにこだわろう。

でも、インプットをしたあとでも解けない問題に出会うだろう。1回のインプットで全てできるようになるほど、入試問題は単純にはできていない。

解けなかった問題については、それができるようになるためにまたインプットをする。この2回目のインプットはきっと、1回目のインプットよりももっと深くなり、1回目には気がつかなかった新たな発見があるだろう。そしてまたアウトプットを繰り返す。そして2回目のアウトプットでは、1回目のアウトプットのときに気がつかなかった新たなポイントに気がつくはずである。

このように、アウトプットとインプットを何度も行き来していくことで、層を重ねるように勉強する。層を重ねるごとに、理解により深みが増していき、最終的なゴールの形に近づいていくはずだ。

まとめ

今回の記事では、インプットとアウトプットについて書いた。科目が何であろうと、どの段階での受験であろうと、この考え方自体にさして変わりはない。最終的なゴールを常に意識しながら、インプットとアウトプットを層を重ねるように繰り返すことで必ず力はついていく。

是非、受験勉強に取り入れてみて欲しい。

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