陸上選手の就活における「課題」(提起編)


これまで僕はアスリート専門のキャリアアドバイザーとして400人以上のアスリートのキャリアをサポートしてきた。
その中で、陸上選手特有の就活における「課題」が僕の中で浮き彫りになってきた。
振り返ってみると、この課題は就活生だった頃に僕自身が直面した課題でもあったように思う。
今回は、僕自身への自戒の意味を込めて、また、これから社会にでる陸上競技選手へのエールの意味を込めてこの文章を書こうと思う。


陸上競技選手に特有の就活における「課題」


それは

自分の存在価値を「結果(記録)」だけで表現しようとする

ことであると思う。

それは陸上競技の評価方法に起因する。

陸上競技とサッカーやバスケのようなスポーツの評価方法を比較してみると

陸上競技
・評価方法
→記録(結果)という絶対的な基準を基に評価される。
選手選考において記録や実績以外の要素が介在する余地は極めて少ない。

サッカーやバスケ、ラグビーのような競技
・評価方法
→実績・フィジカル・技術・戦術理解度・コミュニケーション能力等を併せた複合的な基準を基に、監督やコーチ、チームメイトなどの第3者が評価を決定する。

となる。

そのため、どうしても陸上界では記録が「名刺代わり」となってしまい、他者に自分の価値をプレゼンする手段が記録に頼りがちになってしまう。

陸上選手の特性が就活において不利になる理由


上記で述べた競技特性の違いに優劣の差は無いし、学生時代の大半を陸上競技に捧げた僕にとっては「その瞬間にでた記録が全てで、それ以外の要素は勝敗に関係しない」という潔さが陸上競技の美徳だと思っているのだけど、こと就職活動ではこの特性が裏目に出てしまう。

その理由を簡潔になおかつ乱暴にいってしまうと

陸上界の外の人にとって「陸上の記録」なんて、どうでもよいことだから

皆さんが面接で対面する企業の面接官にとっては、僕たちが5000mを15分で走ろうと20分で走ろうとまったく関係ないのだ。

このことを心の底から理解しないと、サッカーやバスケ、ラグビー等であらゆる手段をつかって他者(監督、コーチ、チームメイト)にアピールしてきた人たちに周回差をつけられてしまう。
彼ら、彼女らは普段から結果以外の武器を使って他者にアピールすることに慣れているから。

では就活において、陸上競技選手は白旗をあげないといけないのか?
それはまだまだ早い。
僕は陸上で培える「能力」は他の競技にも絶対引けをを取らないものだと思っている。

では、陸上競技選手が就活で「戦う」為にはどうしたらいいのか?

つづきは陸上選手の就活における「課題」(解決編)で


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