みんな見ている色は違う
こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日は色について基本的なことをおさらいしてみようかなと思います。
色はなぜ見える?
色がなぜ見えるのかご存知ですか?
なんとなく見えてるものでも、いくつかの条件があって、それが揃って始めて認識できるものなんです。
色が見える条件とは
以下の3つが色を見るために必要な条件です。
1. 光(光源)
2. 物体
3. 人の目(視細胞)
1つそれぞれご紹介していきます。
1. 光(光源)
夜中にふと目が覚めて、部屋の中を見渡した時。
部屋の中は暗く、くすんだ感じになっていると思います。
自室なら記憶の補正で、家具がどんな色かは薄っすら判別できますが、宿泊先など馴染みのない場所では、「何がどんな色をしているか」を正確に認識する事は難しいはずです。
光がない空間では、色は途端に失われてしまいます。
光は太陽光を基準に考えます。
自然の色のホワイトバランスは昼間の太陽光が基準です。
ちなみに光を発するものを「光源」と言います。
太陽、電球、蛍光灯など生活で光を発するものが光源です。
光源とその光の性質で、色の見え方が様々に変わります。
2. 物体
続いては物体。
自然物も人工物も、存在するものすべてを指します。
光が物体に当たると、そのモノの特性によって、一部の波長が吸収され、残りの波長が反射されます。
赤いリンゴは、赤の波長を反射し、その他の波長をすべて吸収しているという事になります。
反射された赤い光は、目に届いて赤と認識されてます。
どの波長をどれだけ反射するかで、色は様々に変わります。
ただ、実際は他の波長も多少は吸収・反射されているので、リンゴは赤が主に反射されているという認識の方が正しいですが…。
すべての波長が反射されると「白」、すべて吸収されると「黒」、すべてが均一に反射・吸収されると「グレー」になります。
3. 人の目(視細胞)
最後は人の目です。正確には視細胞ですね。
放たれた光は、物体で反射されて、目に届き、視神経を通って、情報が脳に到達します。
その時、人は「錐体」と「桿体」の2種類の視細胞を使って色を見分けています。
錐体は、明るい場所で色を見分ける細胞です。
色に対して敏感ですが、光量には鈍感で、暗い場所ではその能力がうまく発揮できません。
桿体は、光の強弱に敏感で暗い場所でも形を認識できます。
錐体と正反対で、色の変化に対して鈍感です。
色覚は人によって感度が異なり、自分が見ている色と、他の人が見ている色が同じとは限りません。
また日本人では男性の約5%、女性の約0.15%が先天的に赤と緑を見分けられない方がいらっしゃいます。(色覚のお話)
3つの条件が変われば、色は変わる
光の色、光の強さ、物体の大きさ、物体との距離、自分の立ち位置、自分の色覚。
様々な要因で色は簡単に変化します。
隣で同じものを見ている友達が、自分と同じ色を認識しているかは分かりません。
とはいえ、脳は結構大雑把で「これくらいのトーンの色だよね」くらいの認識なので、C型で同じくらいの距離感で見ていれば、大きな齟齬は生まれないのが幸いなところです。
他人の視覚は分からないけれど、広がっている風景を「自分がどのように捉えて、どのように感じたか」は、自分だけにしか認知できないものなので、大切に楽しんでもらえるといいなと思います。
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