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時間の流れを変える色彩

こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日は久しぶりに色彩心理のお話。

色で時間経過の感じ方が変わる

これはご存知の方も多い、色彩がもたらす現象の1つかと思います。
「ファストフード店の店内が暖色なのは、回転率を高めるため」というものですね。

モノやオブジェクト単体というよりは、
空間を支配する色の面積に依っています。
そのうえで、
・暖色の空間では、実際の経過よりも長く感じる
・寒色の空間では、実際の経過よりも短く感じる
という色彩心理が生まれます。

興奮色の暖色

赤やオレンジといった暖色は、体を温め、血流を良くして興奮状態にします。
興奮状態と言っても鼻息荒い感じではなくて、「楽しい、気分が乗ってる、嬉しい」などの日常に見られるポジティブな反応ですね。

暖色の空間は、実際の時間よりもゆったりと時が流れている感覚になります。
30分でも1時間滞在したような感覚を得られます。
また食事を美味しく見せるなどの効果もあるので、食との関連も◎。

短い時間でも過ごした時間に満足感を得られるのが特徴で、
主に娯楽を目的とした施設で多く使われる色彩です。
自宅では家族の団欒の場である、ダイニングやリビングルームなどで使うと効果的。
体を休める場所である寝室や、仕事に集中したい職場では、
寝つけなかったり、集中できなかったりと避けたい色です。

沈静色の寒色

逆に青やクールグレーなどの寒色は、体を冷やし、集中力を高める沈静状態にします。
体を冷やすといっても「頭がすっきりする、集中できる、落ち着く」というポジティブな反応ですね。

集中力が増しているため、時間の経過が実際よりも圧縮されて感じます。
2時間いても1時間ほどしか経っていないように感じます。
また集中力も増しているので、効率よく物事を進めていけます。

そのため、前項の暖色とは真逆に、
仕事や勉強をする場所、休息を取る寝室で使いたい色彩です。
団欒の場では、一緒に過ごす時間が短く感じたり、食事が美味しくなく見えたりする場合もあるので、避けたいですね。

特性を知って、色を揃える

色を変えるだけで、時間の経過感覚はもとより、場所の性質をも変えることができます。
全体の色彩を変えるのが難しい場合でも、小物を統一していけば似た効果を得ることも。
リビングのクッションや家具を暖色系にする、
寝室のシーツや枕を青っぽくするとかですね。

場所ごとの時間間隔や特性を変化させて、
充実した生活の助けになれば幸いです。

ちなみに我が家の色彩はこんな感じです。

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