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趣深い日本の色彩 #3 葡萄色

こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日は「葡萄色」をご紹介。

普通の色名じゃない?

このカバー写真と「葡萄色」という組み合わせ。
別に何の変哲もない、特段取り上げるほどの色名じゃない感じがしますよね。

読み方が特殊なんです

色を学んだ人は、そのインパクトで覚えちゃっている事が多いかと思いますが、この葡萄色。

えびいろ

と呼びます。
葡萄なのに「えび」とはこれいかに。

山葡萄の古い呼び方だそう

えびと言っても「海老」ではなく、山葡萄の古い呼び方である「葡萄葛えびかずら」から取られた名前です。
その山葡萄の実や絞り汁の、暗い紫を指します。
響きは同じですが、意味も呼びも由来も「葡萄」に通じる、そんな和の色でした。

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ちなみに海老色もあります

葡萄色とは別に、伊勢海老の甲殻の暗い紫みの赤を指す「海老色」もあります。ややこしいですね。
近代は「えびいろ」は海老色を指し、葡萄色はそのまま「ぶどういろ」と呼ぶことも多いです。

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覚えておくとちょっと面白い色の話なので、ご紹介させていただきました。
ひらがな、カタカナ、漢字と色んな字形のものを組み合わせることができる日本ならでは色名だなと思います。

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