趣深い日本の色彩 #8 胡粉
こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日は「胡粉」という色について。
日本画ではお馴染みの白の画材
胡粉は「ごふん」と読みます。
日本画では「胡粉に始まり、胡粉に終わる」と言われるほど、基本かつ、なくてはならない大事な色です。
その原料はカキやホタテ、ハマグリなどの石灰質を含む貝殻。室町時代から使われているそう。
(本当は奈良時代にはあった色なのですが、その頃は鉛が使われ、その毒性が問題になり、貝殻になったといわれています)
白い絵の具としてはもちろん、下地を塗るのにも使われていました。
アクリル絵の具のメディウムと同じような感じですね。
絵だけではなく人形や建造物にも
顔料として、上品な白色を出す胡粉。
それは絵だけでなく、日本人形や能面の肌の白、日光東照宮の唐門などにも使われていました。
古くから伝えられてきている日本の芸能の白には、欠かせない材の1つだったんですね。
胡粉と一口に言っても
材料となる貝は様々で、やはり多少特性が違うので、
少し黄色がかってたり、青っぽかったりと、
ほんのりと色の出方が違ってきます。
白の風合いの違いを楽しめると、もっと愛おしくなる。
胡粉は、そんな顔料だと思います。
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