見出し画像

対比を見てみよう Vol.2

こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日は対比の続きです。

色相対比の派生

昨日ご紹介した「色相対比」からの派生が2つあります。

1.補色対比

補色同士の対比は、「心理補色」と「実際の補色」が合致するので、より鮮やかに見える性質があります。

赤と緑、青と黄など。左下が見やすいので、分かりやすいですね。

赤と緑の補色は明度が一緒なので、フチがギラギラとしたハレーション効果を起こします。
赤と緑に限らず、明度が同じなら発生する可能性があります。
ずっと見ていると疲れる配色なので、注意が必要ですね。

2.色陰現象

「対比」という名称はついていないのですが、有彩色と無彩色の組み合わせで起こる対比です。
読み方は「しきいん げんしょう」。

これも色相対比の応用で、中央のグレーがそれぞれの補色っぽい色合いのグレーに見えてきます。

赤なら緑っぽいグレー、青なら黄色っぽいグレーという感じですね。

ちょっと遊んでみましょう

これにちょっと手を加えて遊んでみましょう。
青と黄色の地で、中央のグレーをほぼ同じように見えるように調整してみました。

この中央のグレーだけ抜き取って、並べてみると…。

微妙な差ではありますが、違う色になっているのが分かっていると思います。
青が50%のグレーで、黄色側を近づけてみたのですが、少しオレンジが入ったグレーになっています。
色相の概念が入っているので、もう無彩色ではないですね。
これくらいしないと近い色に見えないくらい、心理的に違う色に見えてるというで面白い検証になりました。

対比は「色そのものがどうこう」というより、人間の(脳の)認識によるところが大きい色彩効果です。
理解しててもやっぱり変わって見える、面白い錯覚でした。


実体験&勉強から得た色彩のお話を発信しています。 よろしければサポートいただけると嬉しいです。 心躍る色彩のご紹介に繋がる様々なアイテムの準備に活用させていただきます。