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周りのための色彩

こんばんは。グラフィックデザイナー、カラリストの藤田です。
今日は周囲に影響を与える色彩のお話。

闘牛士のマント

スペインでは国技として扱われている闘牛。
鮮やかできらびやかな衣装に、赤いマントを持って、突進してくる闘牛を華麗にかわす。
2000年代に入ってからは動物愛護などの観点や、他スポーツへの人気移行などから衰退していっているみたいですね。

それはさておき。
あの赤いマントは、「動き」が闘牛の、「赤い色」が観客の興奮をあおる効果があります。
この話は聞いた事がある方も多いのでは?

牛は色を区別することができないと言われています。
となると、赤を認識して、その色彩心理を受けるのは人間です。
あの赤は、戦う闘牛士でも、向かいくる闘牛でもなく、
観客のためにある色彩と言えます。

赤ちゃんを包む淡い色

赤ちゃんを包むタオルケット。
淡いブルーやピンク、ベージュなどが代表的ですね。
赤みをさした、ふにふにとした肌と、淡い色の優しい印象があいまって、かわいらしさが一層際立ちます。

これも言い換えれば、「かわいい」という印象を、周りの人たちに与える色彩ですね。
淡い色は赤ちゃん自身に直接的な効果を与えません。
優しい印象が周りの人に影響を与えて、庇護欲をかきたてる間接的な効果をもたします。

このように、身につけている当人以外に、色彩が影響を与える場面はたくさんあります。
特定の人ではなく、周りの不特定多数に影響をあたえる色彩。
無意識で誰もが使っている色彩効果です。
改めて意識を向けてみると、面白い発見があるかもしれませんね。

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