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『英語で仕事をしたい人の必修14講』著者インタビュー:第1回 本書執筆の経緯

新刊『英語で仕事をしたい人の必修14講』は、“使える”英語を身につけるためのノウハウが満載の本です。今回、著者の松崎久純先生に、本書執筆の経緯、内容、効果的な使い方などについてお話をうかがいました(全3回)。第1回は「本書執筆の経緯」についてです。[編集部]


――最初に、簡単な自己紹介をお願いします。

現在、独立して10年目の経営コンサルタントです。工場の在庫削減からハラスメント行為者へのカウンセリングまで、企業から様々な業務を請け負いますが、仕事の半分はグローバル人材育成に関連したことです。海外へ赴任する人の事前カウンセリングや研修には、常にたずさわっています。

――実務家でいらっしゃる一方、大学でも教鞭を執られていますね。

慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科で、開設時からこれまで14年間、非常勤講師として毎年2つのクラスを担当しています。1つは日本語で行うクラスで、「学習能力開発」という分野のものです。このクラスの中では、本書のテーマである英語学習法もカバーしています。
もう1つのクラスは、留学生向けに英語で行う「コミュニケーション」のクラスです。

――本書の中でも米国滞在中のさまざまなエピソードが紹介されていますが、米国とのかかわりを教えてください。

米国で大学の学部を卒業して、そのまま現地で就職しました。労働ビザを取得して、それが切れるまで働いていましたから、米国には9年ほどいたことになります。
それから帰国して、日本の文具メーカーに勤めて、欧州やアジア市場を担当しました。その後、コンサルティング会社に10年間勤務しましたが、そのときも海外との仕事が多くありました。これまで25カ国、100都市ほどで業務にたずさわった経験があります。

――それだけ海外での経験が多いのでしたら、言葉で苦労したことは少ないのでは。

とんでもありません。米国で大学生だったころから、痛い目に合い続けてきました。日常会話は、日本人としてはよくできるほうと言われていましたが、働くようになってからは、本当に苦労しましたね。何しろ、英語がわからないことを許してもらえない。お客さんからもよく叱られたり、呆れられたりしたものです。
今でも思い出すのが、客先へ上司と訪問すると、「誰かと一緒に来るなら、事前に伝えてくれと言ったはずだ」と叱責されたことです。私がそのお客さんとのアポイントを取ったのですが、そんなことを言われたことすら理解していなかったのです。
他にも、商談したのに、実は詳細まで十分に理解しておらず、会社に戻ってから先輩に頼んで、そのお客さんに電話をしてもらい、あらためて話を聞いてもらったり。あれでよくやっていたと思えるくらいです。

――そういうご経験がきっかけとなって、後に数多くの英語学習本を執筆されるようになるのですね。

最も苦労したのは、ビジネス文章を書くことです。私が米国で働きはじめたころは、Eメールが一般的に普及する前で、タイプしたビジネスレターをファックスしたりしていた頃ですが、このビジネスレターが上手く書けないのです。きびしい上司の指導を受けながら訓練したのを覚えています。
友人に宛てて書くレターと違って、ビジネスレターにはルールや様式があります。それを叩き込まれましたから、そのノウハウは本にして出版するしかないと(笑)。2004年に『英文ビジネスレター&Eメールの正しい書き方』という本を研究社さんから出していただいたのが最初で、これが20刷まで重版されたロングセラーになりました。

――松崎先生といえば、「トヨタ生産方式」や「ものづくり」の英語に関する本の著者、という人も多いと思います。

はい。その後、日本の会社では生産業務にもたずさわりましたし、コンサルティング会社でも本格的に取り組んでいましたから、それらの仕事やノウハウを「英語でどう伝えるのか」については、「自分が本にしなければ」という使命感を一人で勝手に持っていました(笑)。それで『英語で学ぶトヨタ生産方式』(研究社)や『ものづくりの英語表現』(三修社)という本を書いて、結局これまでに20冊くらいでしょうか、書籍は刊行していただいています。実際に読者の方からも、現場で役立っているという感想をいただくことがあり、嬉しく思っています。

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【著者略歴】
松崎 久純(まつざき ひさずみ)
企業の海外赴任者や海外拠点の現地社員を対象に、組織マネジメント、生産現場指導のできるグローバル人材育成を行う専門家。サイドマン経営・代表。慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科非常勤講師。
1967年生まれ。米国南カリフォルニア大学卒業、名古屋大学大学院経済学研究科修士課程修了。大学卒業後、現地企業に就業し、帰国後は文具メーカーの海外事業部で欧州・アジアを担当。コンサルティング会社に10年間勤務した後、独立し、現在に至る。
海外事業、人材育成の経験を生かして多くの英語教育本を出版。『〔改訂新版〕英語で学ぶトヨタ生産方式―エッセンスとフレーズのすべて』(研究社、2005年初版、2017年改訂新版)、『ものづくりの英語表現 増補改訂版(CD付)』(三修社、2007年初版、2011年増補版、2015年増補改訂版)、『英文ビジネスレター&Eメールの正しい書き方』(研究社、2004年初版)ほか多数。

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