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謎解きの全国大会に参加したら地上波に映って日本一になった話 その3


この記事は、
『謎解きの全国大会に参加したら地上波に映って日本一になった話 その2』
の続きにあたるものです。
その1はこちらから
その2はこちらから

※注意※

再三の注意とはなりますが、このnoteには『謎解き日本一決定戦X2022』のネタバレが大いに含まれます。

番組を視聴してからの閲覧を”強く”推奨します。

動きが一挙手一投足確認できるので、記事と番組を合わせて見てみるのも面白いかもしれません。

決勝大会の様子は↓こちら↓から!


決勝大会 2ndステージ編

2ndステージが始まる前、僕と無策師はこれから先のステージでどういう謎が出るのかという予想を立てていました。

まず、敗者復活で使った床の光は、さっきまでとは違うパターンになっています。
とはいえ怪しい感じはしないし、さっき使ったばかりなので、もし再び使うとしても3rdではないでしょう。

松丸君や今田さんをはじめとした出演者たちが別室に移動し、先ほどまで座っていた座席の背景が見えるようになっていました。
不規則で怪しい模様……これは使うかもしれません。

背景の模様。怪しい。

後はセットの裏にちらっと見える四角い空間。
ものすごい存在感を放っていますが、恐らく後のステージで出てくることでしょう。

そんなことを話しながら待っていると、天から松丸君の声が。

松丸「皆さんの対応力を見るために一風変わった謎解きを用意しました。
お笑い謎解きです!」

な……なんだってーーー!!

陣内さんが「僕も謎の出題側です」と言っていたのを思い出します。
ということはここで陣内さんのネタをやるんでしょうね。

そういえば、出場が決まった際に好きな芸人を訊かれていました。
僕は謎解き繋がりで「東京ホテイソン」と回答していたのですが、どうやら今回はないようです。残念。
次回があったら是非お願いします。


1問目はミルクボーイさん。
いつものフォーマットの漫才に謎が仕掛けられており、おかんが忘れたものを答えるというもの。

……え?もしかして、目の前のスペースが空いているのってそういうこと?

と思った瞬間、出囃子とともにミルクボーイさんが会場に入ってきました。

うおおおおお!これはすごい!
5組10人の目の前で漫才をしてくれるという贅沢。
僕個人としてもこんな至近距離で漫才を見ること自体初めてなので、
テンションは爆上がりです。

しかし、ここは勝負の世界。
心を鬼にして、笑いを封じて一言一句聞き漏らさないように集中します。

「その競技にはリングがあってね」
無策師がすっと「ボウリング」とパネルに記入。だいぶ筋がよさそうです。が、まだ確定はしていないので書いたまま待ちます。

「おかんが今からでも始められるっていうねん」
無策師が「ほなボウリングと違うか~」と言わんばかりに、パネルに書いた文字を消します。
何も消さなくても。そう思った直後。

「選手が目の前をヤツを力強く倒すのが…」

ほなボウリングやないかい!!!

慌てて無策師に書かせる僕。もうほぼ確定でしょう。
全チーム一気にボタンを押しますが、なんとか3位に滑り込みました。

ミルクボーイさんの目の前で
「ほなボウリングと違うか~」
「ほなボウリングやないかい!」
という、ミルクボーイ漫才みたいなやり取りをしてしまいました。
何やってんだ。


2問目は陣内さんのネタからの出題。

ネタが終わってから解答時間開始とのことなので、
リアルタイムで答えることができた1問目と違い、メモする量も全く見当がつきません。
しかもタブレットで見返してよいとのことなので、いよいよもって情報量が多そうです。

無策師は冷静に謎に関係しそうなところを見つける、
僕は気になったことは全てメモするスタイルで臨みます。

僕がネタ中に出た数字や問題文を全てピックアップしたりしていると、
無策師が枠の仕組みに気づいてくれました。

なるほど文字数が枠のデザインと対応していて、答えがしりとりになっていると。ここまでわかれば多分十分でしょう。
最後に出るであろう問題を待ちます。

「「「@%$&#”+*!&都道府県は?」」」

元ネタ通り3問同時出題でした。
都道府県といえば、最終予選での「1213」から即「鳥取」を引き出したことが記憶に新しい状態です。
無策師もその記憶があったのか、後は僕に任せたと言わんばかりです。

まずは「み」から始まる4文字の都道府県……そう、

「みえけん?」

僕は何を言っているんでしょうか。
しりとりのルールを知らないのかもしれません。
僕がポンコツムーブをかましている間に、無策師が「宮崎」を思いついてくれました。

宮崎さえ埋まればもう後は簡単です。
「き」から始まる都道府県は「京都」しかありませんし、
「と」から始まって「ウンブリア」に繋がる、かつ5文字の都道府県なんて「東京」しかありません。

「謎解きの先輩」なる人が書いたこのnoteが都道府県の暗記に使えるようなのでこちらも合わせてどうぞ。

僕は今回の大会が終わってから読みました。


こんな感じで、2ndステージは2問とも無策師がスーパープレイをしてくれたおかげで、我々は無事に3位で3rdステージへの進出を決めます。
やったー!無策師天才~~!!

そしてこのステージでは常春・宇陀ペアが敗退。

特に常春は、僕や無策師の所属する零狐春の代表でもあり、
ライバルかつ戦友として見ていたので、ここでの敗退は非常に残念!

そんな常春・宇陀チーム視点から見た『X』はこちらのnoteから読めますのでこちらからどうぞ。

常春・宇陀チームが敗退したことで、僕たち以外の3チームは全員東大チームとなり、四面楚歌状態となっていまいました。

彼らは僕たち、特に無策師のことを「魔王」と呼び、魔王討伐に燃え上がっています。僕たちさえ倒してしまえば、彼らの所属するサークルの勝利は確実となるので、そりゃそうなりますよね。
果たしてけーおん・無策師チームはこの包囲網を突破することはできるのだろうか……?


決勝大会 3rdステージ編

3rdステージはドラマ×謎解き。これまた少し変わった形式です。
そして変わっているのはドラマを使うという点だけではありません。
解答形式です。

1st,2ndと筆記だったのに対し、
このステージでは透明なパネルを机にセットしてロックボタンを押します。

けーおん「透明なパネルはね、重ねる。」
無策師「パネルをセットする場所、結構厚みあるよね。
絶対重ねるわ。流石に3枚はなさそう。最終問題かな」

と、このステージにありそうなギミックについて見当をつけます。
後は机に引っ張れそうな怪しいタブがついていますが、一旦無視します。
なんで???


ドラマはしろくまタワーの爆破事件から始まります。
その3日後の3月27日が舞台ということは、しろくまタワーの事件は3月24日。なるほど、これは使えそうな情報だ。

そして僕たちは突然「謎解き遠隔操作班」という役職を与えられました。
謎解きイベントでありがちな、謎を解いて前線をサポートする裏方的存在。

また都合のいい職業が生まれたな~とニヤニヤが抑えきれません。

ご都合設定にニヤつきが止まらない

1問目。
ていうか東田さんはなんでわざわざ別の場所から繋いでるの?
そんでもってあからさまに左利きアピールをしている。これは怪しい。
多分東田が犯人で、最終問題で東田以外のパネルを重ねて作り出すのでしょう。もう解けた。

それはそれとして、
4つの候補の場所と、「3月9日にホテルさざんかで事件が起きた」
という情報だけが渡された状態で、今日の爆破が起きる場所を突き止めろと言われてしまいます。
えっ、出題までが早くない?

手元にパネルが届けられるまでの時間で考えます。

無策師「”さざん”と”しろく”。九九だわ」
けーおん「わかる。じゃあ27だから”くさん”だ。白山だね。」

ちゃんと「白山」が「はくさん」と読むことを聞き逃さなくてよかった。
人の話は聞いておくに限ります。
爆速でパネルを入れてロック。

と、ここで合田・ガトペアが痛恨のミス。
このチームにさえ抜かれなければ通過はできます。
2問目はやや守りに入って確実な正解を取ろうと無策師と話します。

2問目。
おかしい。容疑者の話を始めてしまったぞ。
パネルを重ねて東田を作り出すのは最終問題のはずでは……?

そんな我々の焦りをよそに、ドラマは展開し続け、パネルも渡されてしまいます。
え、じゃあ最終問題どうなっちゃうんだ??

とにもかくにも、「田中」を裏返して「末山」に重ねれば「東田」になるはずです。

先ほど述べた通り、確実な正解を得るために全速力で解答するのではなく、僕がドラマを一応確認して見逃しがないかをチェック、
無策師が東田作りを担当することになりました。

ドラマでは身長の話を始めており、
恐らくこのまま「三人とも違うよね」という話で完結しそうと判断した僕は無策師にGOを出します。
しかし、その時僕の目に映ったパネルは「宋田」でした。

パワポで作った「宋田」みたいな奴

そう、我々が考えていた「田中」を”裏返して”「末山」に重ねる方法では「中」の「口」の部分が上すぎる場所に来てしまい、
「末」とうまく重ならず、「東」ではなく、「宋」のウ冠と木の横棒がくっついたような漢字になってしまうのです。
実際には裏返すのではなく、回転させなければならない。
これは罠。

守りに入ったとはいえ、ドラマ確認分と宋田分で大きくロスをしてしまい、時間の貯金をだいぶ使い込んでしまいます。

しかも、予想していたパネル重ねが2問目に来てしまったので、
最終問題は完全に未知の領域になってしまいました。
150秒も使うことがわかっているので、確実に難しい問題が来ます。
現状我々は3位。時間の余裕は50秒。
ちょっと詰まれば余裕で溶かしうる時間です。
やばい……。
静かに焦る我々。大事件の予感がします。


最終問題の3問目。
世田谷区三番スタジオ。
そういえば僕たちがいるスタジオはそんな名前ではありません。
ああ、と合点がいきます。
今日は27日。「くさん」。つまりは爆弾解除だ……。

無策師と二人で落ち着け落ち着けと言い合っていると、
スタジオにかたせ梨乃さんが乱入してきました。
うわーー!本物だ!!すごい!!
そしてかたせさんに「即爆発します!」と驚かされるみずなし君ちょっとうらやまかわいそう。


そして最終問題がスタートします。

3問の謎を解いて、爆弾の色を導く指示に従えば良さそうです。
僕と無策師は2枚ずつ紙を取り、それぞれ謎に取り掛かります。
横から「なんだこれ解けないぞ」という声が聞こえた気がしますが、一旦無視して目の前の謎に集中。

白い矢印の問題。右を読めば良さそうだ。「ほむら」!
青い矢印の問題。ちょっと変わった感じの問題だけど、右半分の文字を読めば良さそう。「けさき」!

どっちもあまり謎の答えとして聞きなじみのない単語なのでやや不安になりますが、流石にあっているでしょう。

そういや先ほど無策師が「解けない」って言ってた問題があるはずです。見てみましょう。

無策師を唸らせた超難問

いやこれ最後の答え導くための指示文やないかーい!
そりゃ解けるはずもないでしょ、と無策師が解いた「めいろ」と合わせて答えを考えます。

まずは「むらさきいろ」になりそう。
ということは、僕が解いた2問の答えも合っていそうです。
そしてこの青い矢印のことは当然知っている。
右半分を読む法則だから、「きいろ」が正解だ!
早速無策師に説明しようとします。

けーおん「”ほむら”から”むら”、”けさき”の”さき”、”めいろ”の”いろ”を繋げると”紫色”になるじゃん、で、青い矢印はこの謎で使ったから、法則適用して黄色になるわけ」
無策師「なんで????」
けーおん「だから、この問題から”むらさきいろ”になるのよ。で、この青い矢印は右半分を読む法則だったから、”きいろ”なの!」

右半分を読むの!のジェスチャー

そうこうしている間にボーダー争い相手の合田・ガトペアがボタンを押したのが視界に入ります。
時間はあまり残っていない。焦りが先行します。
まだピンと来ていなさそうな無策師を無理矢理説得し、
「黄色」を提出してロックボタンを押します。

ここで条件の再確認です。
タイム的には現在ボーダーの3位。
僕たちのペアと合田・ガトペアの答えが一致すれば、
その時点で勝ち抜けが確定します。
一方、答えが割れた場合は向こうに正解されると敗退となってしまいます。さあ、全員の解答はどうなった……?祈りながら結果を待ちます。

左の人、祈ってる手の形じゃなくない?

あ!!ものの見事に僕たちと合田・ガトペアで答えが割れている!!
しかも僕たちと同じ答えを提出したEM・あせろらペアが非常に苦い顔をしているし、今田さんら出演陣も動揺の声を出しています。
一体どうなっているんだ?

合田・ガトペアの「紫」という解答は、僕視点では不正解なのですが、
EM・あせろらペアの反応が気になります。
何かを見落とした……?生きた心地がしません。

「それでは実際に線を切りましょう!」

無策師がはさみを持ちます。祈りに祈りまくる僕。果たして……?

スタジオにしばし静寂が流れた後、「ドーン」と爆発のような轟音が響きました。
その直後。

なんと全員爆死!!!!!!
生きた心地がしないとは言いましたが、まさか本当に死んでしまうとは。情けない。
人生初の炭酸ガス噴射は、目の前の爆弾から直に食らうというなかなかレアな体験をする羽目になりました。想像の5倍音がデカい。

解説を聞いてがっくりとうなだれる僕。
方眼が不自然に切れている。白い矢印か……!!

白い矢印の問題は僕が解いていた問題です。僕が気づかなければならないことだった……。
ロックボタンの重圧、早めの勝負に出て圧力をかけてきた合田・ガトペアの存在による焦り、そもそも収録下という状態による緊張など、
言い訳はいくらでも言えますが、それでも無策師を無理やり説得したうえで間違っていたのですから、僕の大失態です。

謎解きイベントで散々聞かされてきたはずの「情報共有」という作業を、
ここにきて怠ってしまいました。

3位での通過とはなりましたが、後味の悪い結末に。

勝ち抜けの喜びより誤答の悔しさを引きずる両名


激凹みしながら控室に戻ると、僕たちのテーブルの上に1枚の知らない紙が置いてありました。

謎のメモ書き

絵はどうやらポケモンのハネッコのようです。
ハネッコといえば常春の好きなポケモン。

そう、3rdステージで敗退した常春が我々のテーブルに残してくれた激励の手紙でした。

同じ零狐春のメンバーとして、ライバル視しながらも「決勝で会おう」と誓った相手からの、シンプルながら力強いメッセージ。
常春・宇陀ペアの無念も背負って、改めて勝利への決意を固め直せたのでした。


決勝大会編 後編へ続く

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