都道府県は暗記しろ

【注意】この記事にはグロテスクな暗記表現や残酷な暗記表現が含まれています。

要するに、「うわぁ、こんなん覚えてるの、気持ち悪……」ということである。(※ここで言う気持ち悪いは褒め言葉ではない)
流石に青少年の健全な育成を妨げたりはしない……と思うけれど。

この記事の内容が「これくらい覚えてなきゃ駄目なんだ……」みたいな基準になる日は永遠に来ないし、こんなのを本気で覚える人は全然いないと思う。

この記事は、真面目に読む必要は無いし、「覚えたら役に立つはず!」「覚えなきゃ!」みたいな気持ちは持たずに、面白そうなのを見つけたら参考にしようかな、くらいのつまみ食い感覚で、何となく流し見すると良い。実際、さくっとつまめるような小ネタも多少用意はしている。こういうのを覚えようとしちゃう気持ち悪い人々は勝手に覚えれば良いよ。


都道府県謎が、解きたいかーーーっ!?

都道府県を題材にした謎解き問題が出ることはたまにある。
なぞなぞとか、同じ数字に同じ文字を当てはめるやつとか、スケルトンのやつとか、ベン図みたいなやつとかだ。

都道府県は、なぞなぞにおいては何故か定番だ。「有限個の中からの択一」だから、程良く悩みつつもいずれは答えに辿り着ける可能性が高いからかもしれない。

47個という個数は絶妙で、謎解きに使う語群として許容される範囲内でありつつ、とてもとても多い。結果、「答えとして拾える文字」の候補も広いので作問者にしてみると意外と助かるし、難易度を釣り上げたいからとりあえず都道府県を絡める、というのもアリな手法だ。

個人的な感想かもしれないが、なぞなぞ以外の都道府県謎は、割と高難度を想定して作られることが多いと思う。

要するに、
「お前ら都道府県全部覚えてはいるんだろうけど、どうせスラスラ思い出せないんだろw」

ということだ。
むかつく。

というわけで……いや、というわけでもないのだが、とりあえず都道府県問題への対策として、諸々の暗記事項をまとめた記事を書いてみようと思った。需要があるかは分からない。


この記事における、前提の確認と目標の設定

(この記事における前提)
 前提というか、お約束というか。「覚える上で色々と都合が良いから」という理由で、この記事の中では、末尾に来る「都/府/県」は無視して考えるが、「道」は無視しない。(東京都は「とうきょう」とするが、北海道は「ほっかいどう」のまま)
 なので、「都/府/県」を省略しない謎に出会った時等は、適宜融通を利かせてほしい。

(この記事における目標)
 主に「構成する文字」に注目して、謎解きに使える諸々のテクニックを紹介しつつ、それらを駆使して最終的に都道府県47個を五十音順に列挙できるようになることを目指す(筆者はできる)。
 ただし、これを読めば即座にできるという甘い話ではなく、反復練習での記憶の定着を期待している。ただし、「ここに書いている内容を意識すれば反復練習がしやすい」「がむしゃらに覚えるのでなく、覚え方の指針を示す」という意味で、この記事の意義があると思う。

【暗記その1】都道府県の文字数について

例えばスケルトンに登場する場合、文字数に注目して候補を絞るというのは有効な戦略に思える。文字数についての知識を覚えていこう。

(1) 2文字の都道府県は6個
 
千葉、滋賀、佐賀、岐阜、三重、奈良。
 これら6つは覚えて、スラスラ引き出せるようにしたい。「千葉、滋賀、佐賀」はラーメンズのコントでおなじみなので語感が良い。そのまま「岐阜、三重、奈良」と続けて唱える癖をつけて、口を慣らしてしまおう。
 あるいは「千葉、滋賀、佐賀、右へ倣え(「み(え)」「ぎ(ふ)」へ「なら」え)」、なんて覚え方でも良いかも知れない。

(2) 3文字の都道府県は13個
 内訳を覚える必要は無い。13個だという事実は、覚えても良いが、覚えなくても良い。

(3) 4文字の都道府県は26個
 
3文字の都道府県の個数のちょうど倍と知ると、合わせて覚えられそうな気がする。26はアルファベットと同じ個数でキリも良い。ただ、26個だという事実は、覚えても良いが、覚えなくても良い。

(4) 5文字の都道府県は1個
 東京だけ。
 「東京だけ」と覚えているとスケルトンで即座に確定が得られて嬉しい。

(5) 6文字の都道府県は1個。ただし……
 北海道だけ。
 「『どう』の扱いがまちまち」「『と』『けん』を入れたら6文字のものは大量にある」ことを考えると、そんなにこれが役立つことは無い。

以上。2文字県を6つスラスラ言えて、5文字は東京だけと確信できれば十分だと思う。


【暗記その2】都道府県名を構成する文字列について

全都道府県名を全部書き下した時に、「その文字」が何回登場するか、という知識について。これを覚えていると「『も』を含む都道府県って何があるっけ!?」みたいな時にとても役に立つ。

(1) ちょうど1回登場する文字リスト:「ざこほどのてにねずめろん」
 
「雑魚ほどの手に根津メロン」。なんそれ。意味は分からないが呪文のように唱えて口が覚えてしまえばこちらのもの。それぞれ順番に、「宮崎、高知、北海道、北海道、長野、岩手、新潟、島根、静岡、愛媛、広島、群馬」にしか登場しない文字たちだ。

「ざこほどの~」を覚えたとして、対応する都道府県名が覚えられないよ、という風に思うかも知れないが、ここからはもう語呂合わせじゃなくて感覚的な世界、反復練習で定着させていくしかない。「ざこほどの~」の呪文を覚えてしまったことで、暇な時間に「今から『ざこほどの~』の呪文から都道府県名を思い出せるか挑戦しよ~」という遊びができる。繰り返せば繰り返すほどそれは速くなるから、是非試してほしい。(たまにど忘れするけど)

「ざこほどの~」を覚えておくと、これらの文字が見えた途端に都道府県が確定できるので嬉しい。
スケルトンで「交差すべき位置に『ろ』が来ちゃうけど、『ろ』は『ひろしま』にしか無い破綻だね、『ひろしま』じゃなくて『ひょうご』を埋めよう」みたいな判断ができるかもしれない。できたことはまだ無い。

なお、「ん」は、「~けん」という表記をする場合には43個増えるので注意すること。

(2) ちょうど2回登場する文字リスト:「えっぐもばごりら」
 
えっぐもばごりら。苦しいのは理解しつつ、片手に卵、片手にモバイル端末を持つゴリラを想像しよう。
それぞれ順番に、「三重/愛媛、北海道/鳥取、群馬/山口、青森/熊本、茨城/千葉、兵庫/鹿児島、青森/鳥取、茨城/奈良」に登場する。

スケルトンで「ここに『ぐんま』が入るけど、『ぐ』が交差する先は『やまぐち』で確定だね」みたいな判断ができる。嬉しい。

(3) ちょうど3回登場する文字リスト:「ひあみぎょ」
 「
ヒアミーギョー!」と、「here we go!」と叫ぶテンションで口にしよう。……ふざけてないよ、本気で言ってるよ、ええ。
それぞれ順番に、「兵庫/広島/愛媛、愛知/青森/秋田、三重/宮城/宮崎、宮城/岐阜/栃木、兵庫/京都/東京」に登場する。

 「2個以下」のものと比較すると、覚える有用性は格段に薄れる。
 「へぇ、『ぎ』って意外と3個もあるんだな」とか
 「『あ』『み』は全部先頭に来て、それで始まるのは3つなんだね」
 
あたりは(特に『あ』の3つ)は、意外と知っていて損は無いように感じる(個人の感想)。

(4) 「が」は計8回登場し、それらは2つずつのペアにすると思い出しやすい
 
……急にどうした、と思うかも知れないが、まあ流石に4回以上登場するものの呪文を覚えても使える場面が少なすぎるので。流れを変えてみる。
 「滋賀/佐賀(2文字ペア)、新潟/山形(がたペア)、長野/長崎(ながペア)、香川/神奈川(がわペア)」
 
というペアで覚えられるのだという事実は予想外に覚えやすく、ありがたい。そして、「が」の8つを含めてここまでの内容を網羅しておけば、実は「都道府県名に登場する濁音」を全部覚えたことになるのである。嬉しい。

  ざどず(1個)、ぐばご(2個)、ぎ(3個)、が(8個)の8種類だ。ちなみにこれらの中で都道府県名の先頭に来るのは「ぐ(群馬)」と「ぎ(岐阜)」の2つ

 ここまで覚えれば都道府県名を埋める謎を見た時に濁音が出てきたら、「あ、自分は全部知ってるぞ」という気持ちになれるのである。やったね。

(5) 「●から始まる■文字の都道府県だよ」とまで言われてもまだ確定してないものリスト「あとふかいひとやお」
 意味を理解する前に「痕深い人、八尾」を覚えてしまおう(八尾は人名)。
 八尾さんにきっと深い傷がついてるんだろうか……心配だ。

 例えばスケルトンで「『な』で始まる4文字だな」と分かった時に、「長崎が思い浮かんだけど、他にもあるかも、確定してるのかなあ」という疑問を解消するための疑問だ。「な」は「あかふといひとやお」に含まれないので、「な■■■」は「長崎」で確定する。

なお、「あとふかいひと」は2通り、「や」は3通り、「お」は4通りある。区別しておきたい。

あ■■  …… 愛知、秋田
と■■  …… 栃木、富山
ふ■■■ …… 福岡、福島 (「福」で始まる3つの内、福井以外を網羅)
か■■■ …… 鹿児島、神奈川
い■■■ …… 石川、茨城
ひ■■■ …… 兵庫、広島
と■■■ …… 徳島、鳥取
や■■■ …… 山形、山口、山梨 (「山」で始まる3つの網羅)
お■■■ …… 大分、大阪、岡山、沖縄(五十音順で超密集していることを記憶しておくと引き出しやすい)

 先頭の「あと」は3文字で、以降は4文字だけだ。
 ここで、リストを眺めると「と」は栃木/富山、徳島/鳥取 と3文字/4文字の両方があってややこしいのだなあと気付く。さらに「と」で始まるのは「東京」もあるため、「と」で始まる都道府県の個数5つは実は最多(単独トップ)である。これは以降も登場するとても重要な事実だ



【暗記その3】しりとり

ここはおまけだ。たまに役に立つが、本当にたまにだ。

(1) しりとりでの最長の組み合わせ
 
たまに出題されることがある(数度見たことがある)。最長の組み合わせで8つ続き、その組み合わせが2通りあるが、本質的にほぼ同じで覚えやすい。

 ふくい/いばらき/きょうと/とちぎ/ぎふ/ふくおか/かがわ/わかやま
 ふくい/いばらき/きょうと/とちぎ/ぎふ/ふくおか/かながわ/わかやま

 と、香川か神奈川かというだけの違いだ。ただ、雰囲気で覚えてしまったので語呂合わせ等は作っていない……

(2) しりとりのループ
 一度だけ出題を見たことがある。実は一通りしかなく、
 ふくい→いばらき→きょうと→とちぎ→ぎふ→ふくい→……
 
という、最長しりとりの途中でふくいに戻っただけのものだ。

 その事実さえ分かっていれば、個別に覚える必要がなくてありがたい。


覚えた事実を利用して謎を解いてみよう

注意:以下の謎(note筆者自身の作品)について答えを書いてしまうため、読みたくない場合は次のセクションまで読み飛ばすこと

結ばれた同じ色のマスには同じ文字が入ることが推測できる。左に描かれた日本地図をヒントに、3つの都道府県名が成立すると推測するまでは良いが、そこから先が辛いという人が多いと思う。せっかく覚えてきた事実のどれかが使えないだろうか。

……上の2つに注目すると、「3文字であり、かつ先頭の文字が一致している」ので、たまたまではあるが、「先頭の文字が決まっても確定しないリスト」が使えることになる。3文字なら「あいち/あきた」「とちぎ/とやま」のどちらかまで確定する。「*いた」「*きち」「*ちま」「*やぎ」の内、「*やぎ」であれば「みやぎ」が該当するため、上から順に「とちぎ」「とやま」「みやぎ」と当てはまることが分かる。1234と数字を拾って、答えは「やまみち」だ。

こんな風に、いかにも「これ使えそう」という場合でなくとも、様々な切り口を知っているということで以外な場面で役に立ったりするかもしれない。



おまけ :都道府県を五十音順に列挙する時考えること

筆者は都道府県名を五十音順に列挙できる。もはやある程度感覚的にスラスラ口をついて出るのだが、たまに詰まる時もあるし、そうでなくても「スラスラ言えるようになるまで練習する時の足がかり」になるような、考え方の指針があった。それに触れつつ、都道府県を五十音順に列挙して見たいと思う。

ここで、いきなり現れる新事実として、以下の2つを追加で覚えてほしい。
(1) 「●で始まる都道府県はちょうど2個ある」文字は、「さ」「ひ」だけ
 
「さ」で始まるのは埼玉/佐賀のちょうど2個、
 「ひ」で始まるのは兵庫/広島 のちょうど2個だ。
 他の文字の場合は、0個or1個or3個以上、となる。
(2) ただしこれは濁点のつけ外しを区別する場合であり、しない場合は「き/ぎ」「く/ぐ」も該当
 「き/ぎ」で始まるのは京都/岐阜、「く/ぐ」で始まるのは熊本/群馬。
 
清濁を無視すればちょうど2個だと言える。

……覚えられただろうか? 覚えられたなら、もう準備は万端だ。
さあ、五十音順に列挙していこう。

「あ」愛知、青森、秋田
  「あ」で始まるのは3つだし、そもそも「あ」を含むのは3つ。
  覚えたので思い出せる。
「い」石川、茨城、岩手
  「い■■■」は2つあると覚えたので、頑張って石川/茨城を思い出す。
  「い」始まり2つではない(2つなのは「さ」「ひ」だけ)ので、
  もう一個はあるはず。「い■■」だろう。それは岩手だ。
  ※「青森、秋田」を言う辺りで既に「岩手」が言いたくなってたりする
「う」無い
  無さそう。理屈は無い。この感覚は慣れて染み付かせる。
「え」愛媛
  「え」から愛媛は何となく思い出す。
  「え」を含むものは2つしかないはずだった。
  その相方が三重だと覚えててたらそれまでだし、
  そうでなくても「え」始まり2個じゃない(「さ」「ひ」だけ)のだから、
  1個(愛媛)だけでOKだと確定する。
「お」大分、大阪、岡山、沖縄
  「お■■■」は4つあって、五十音順で近いから列挙しやすい。
  なお、「お■■」とかは無い。あったら5個あることになるから
  「と」の最多記録(5個)に並んでしまう。
「か」香川、鹿児島、神奈川
  「か■■■」が2つあると覚えたので、鹿児島/神奈川を思い出す。
  「か」始まりは2個じゃないので、「か■■」があるはず。香川だ。
「き/ぎ」岐阜、京都
  「き/ぎ」「く/ぐ」は濁音ゾーンとして特別に意識しておく。
  清濁を無視すれば2つあるのだ。「ぎ」の岐阜と、「き」の京都。
「く/ぐ」熊本、群馬
  同じく濁音ゾーンなので、「ぐ」の群馬と、「く」の熊本がある。
「け」無い
  
無さそう。
「こ」高知
  
「こ」を含むのは1つだけなので、他に「こ」始まりは無い。
「さ」埼玉、佐賀
  
「さで始まる都道府県はちょうど2つ」が活きる。埼玉/佐賀だ。
「し」滋賀、静岡、島根
  
「佐賀」の直後だからか「滋賀」は出やすい。
  あとは「し」で始まるのが他にもありそう、という根拠のない自信から
  あと2つの「し」始まりを捻出する。
  しは「あとふかいひとやお」に含まれないので、
  3文字と4文字が1個ずつあるはずだ。
「す」「せ」「そ」無い
  
無さそう。
「た」無い
  ありそうで無い。
「ち」千葉
  「ち」で始まるのは千葉だけ……なのは慣れたら覚える。(理屈は無い)
「つ」無い
  無さそう。
「て」無い
  「て」は1個だけで、「岩手」にしか登場しない。
「と」東京、徳島、栃木、鳥取、富山
  「とで始まるのは5つで最多」が役に立つ!
  東京都はすっと思い出したい。
  あとは3文字が2つと4文字が2つだったので、頑張って思い出す。
「な」長崎、長野、奈良
  「長」を引っ張り出せればこっちのもの。長崎/長野はペアで出る。
  「な」始まり2つじゃないので、もう一個あるはず。
  ただし、「な■■」や「な■■■」は1個しかないので、
  「な■」しかありえない。ならば奈良を思い出すのは容易い。
「に」新潟
  「に」と言われたら新潟が浮かぶ。
  「に」は1回しか登場しない文字なので、他には無い。
「ぬ」「ね」「の」無い
  
無さそうだし、実際無い。
「は」無い
  あっても良さそうだが、無い。
「ひ」兵庫、広島
  「ひで始まる都道府県はちょうど2つ」が活きる。兵庫/広島だ。
「ふ」福井、福岡、福島
  「福」で始まるの3つ、だとせっかくなら覚えても良いくらいだ。
  「ふ■■■」は2つあって、「ふで始まるのは2つじゃない」ので
  もう一個はあって、それは「ふ■■」に違いない、となれば
  思い出しやすいだろう。
「へ」無い
  無さそう。案の定無い。
「ほ」北海道
  「ほ」は唯一北海道のみ。
「ま」始まりはない
  意外と無い。
 「~島」や「~山」からしりとりで続く先は実は無いのである。
「み」三重、宮城、宮崎
  
「宮」で始まる2つがぱぱっと連想できれば強い。
  あるいは「三重」の三を「3つある」事実と関連付けておいても良い。
  「あとふかいひとやお」の呪文に「み」が含まれないから、
  2文字、3文字、4文字と文字数がばらけていることも手がかりになる。

さて、ここまで来ると「残りあと全然無いよな……」となる。
実はこの時点で、「山」を含むものしか残っていない。

「や」山形、山口、山梨
  「や■■■」は3つあるのだった。それらを頑張って思い出す。
「わ」和歌山
  これがラスト。山梨で満足して終わらないこと。

……とまあこれを一発で覚えられるわけはないけれど、繰り返しやってると逆に都道府県の並びが自然に覚えられるようになって、それから逆算して他の性質(「とで始まるのは5つ……」とか)が結果的に定着していくようになる(私はなった)。後付けのように色々な事実を付け加えて膨らませていくと、最終的に色々な知識がスムーズに引き出せるはずだ。

というわけで皆様、快適な都道府県ライフを!

 

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