見出し画像

大きな花を咲かせたい

こんにちは。4年の鈴木です。

この間の水曜日まで研究室が忙しかったため、今回も順番を入れ替えてもらいました。
先にブログを書くのを快諾してくれた内藤くんに感謝です。

さて、箱根駅伝予選会まで、いよいよあと1週間となり、チーム内にも緊張感が漂ってきました。

今回は予選会前最後の投稿になるので、これまでの過程を少しばかり振り返りたいと思います。


「慶應」×「箱根駅伝」

私が生まれて初めて箱根駅伝で「慶應」の文字を目にしたのは、確か2006年、10000m前塾記録保持者の亀田さんが関東学連選抜の選手として出場された時のことです(実は亀田さんは2005年にも出走されていたようです)。

当時の私は箱根駅伝に対して特別に興味をもっていたわけではなく、亀田さんを存じ上げていたわけでもありません。
ただ、たまたまテレビについていた箱根駅伝の中継を見て、たまたま慶應の選手が走っている姿を見つけました。

関東学生連合チームの選手の大学名を見ても、「慶應義塾大学」は一際輝いて見えました。当時小学1年生の私でも、慶應=頭が良くて有名な大学、ということは認知していました。そのため、慶應の人が箱根駅伝に出るのはすごい、それだけは理解できました。


箱根駅伝プロジェクト

私たちは箱根駅伝プロジェクトの一期生として入学しました。

しかし残念ながら私は、清水くんのように保科さんから直接勧誘を受けたわけでもなく、司代くんや内藤くんのように、プロジェクトの存在を知って慶應を受験したわけでもありません。

それもそのはず、私が高3時にはプロジェクトはまだ始まっていませんし、失礼を承知で申し上げますが、私にとって慶應義塾大学は滑り止めのうちの一校に過ぎなかったからです。

あくまで第一志望は某国立大学、その合格を目指して浪人し、一年間を勉強に捧げてきました。

しかし、残念ながら第一志望校の結果は不合格。悔しくて悔しくて、涙が止まりませんでした。

それと同時に、慶應義塾大学への進学が決定しました。
このあたりで箱根駅伝プロジェクトの存在を知ることになりますが、当初は慶應に進学することが受け入れられず、大学で陸上を続けるかさえ迷いました。

箱根駅伝プロジェクト

しかし、箱根に向けて強化が始まったばかりだという事実は、逆に自分にとってチャンスだとも思えました。

今入部すれば、慶應の箱根駅伝復活に貢献できるかもしれない。
そして、箱根駅伝を目指すことによって受験の悔しさを晴らせるかもしれない。

そんな淡い期待を抱いて、競走部の門をたたきました。


同期の存在

競走部で陸上を続ける覚悟を決めた私ですが、プロジェクト一期生であるが故に、当初は懸念していたことがありました。

同期のほとんどが、強豪校出身のAO入試組だったらどうしよう?
小・中・高と公立校出身で、一浪のうえに一般受験で入学した私が、果たして同期となじめるのだろうか?
理工学部所属でも部活で浮いたりしないだろうか?

しかし蓋を開けてみると、そんな心配は不要でした。
長距離の同期のうち、自分も含めて一般受験組が6人、そのうち4人が一浪でした(浪人生カルテット)。
また、他ブロックを含めれば理工学部の同期は10人と、104代目は理工学部が多い代でした。

画像3

入試方式や学部、現役or浪人に優劣があるわけではありません。
ただ、競走部でうまくやっていけるか不安だった私には、自分と同じような境遇の同期がいる、それだけで心強く思えました。


競技生活

慶應に入学してからの3年半、ここまでの競技生活は決して順風満帆ではありませんでした。

もちろん、練習を積むことで記録を伸ばすことはできました。
一方で、走れていても調子が上がらず、悩む時期が多くありました。

私はこの3年半、箱根駅伝出場のために全てを陸上に捧げてきたか?と聞かれれば、恥ずかしながらYesとは答えられません。

私たちは箱根駅伝を目指し、競技として陸上長距離に取り組んでいますが、あくまで本分は学生です。走ることを生業とする実業団選手とはわけが違います。

陸上が生活の中心であることは間違いありませんが、日々の授業や課題・レポートにも手を抜かずにやってきたつもりです。
ただ、要領が悪く切り替えのうまくできない私は、陸上と勉学がどっちつかずになることがよくありました。
特に4年生になって研究室に配属されてからは、心身ともに疲弊していました。

そんな辛い時、「箱根駅伝に出場したい」という想いは大きな原動力となりますが、同時に私を支えてくれる1つの言葉がありました。

何も咲かない寒い日は、下へ下へと根を伸ばせ。やがて大きな花が咲く。

これはシドニーオリンピック・女子マラソン金メダリストの高橋尚子さんが座右の銘にされている言葉で、私は中学生の時にこの言葉に出会いました。

今最前線で活躍している選手でさえ、最初から花を咲かせていたわけではありません。また、栄枯盛衰という言葉があるように、花が絶えず咲き続けることも難しいでしょう。

寒い期間(=物事が一見全くうまくいかない時)は、結果が出ずに焦ったり、努力を怠ったりしがちです。

しかしそんな時こそ、結果の出ている他人を羨んだり憎んだりせず、その時の状況を受け入れ、素直に自分と向き合うことが大切ではないでしょうか?

諦めずに踏ん張って踏ん張って根を伸ばし、成長した暁には、やがて大きな美しい花が咲くのだと思います。

私は精神的に辛くて逃げ出したくなる時、過去何度もこの言葉が頭をよぎりました。

この時期を乗り越えれば、自分は一回りも二回りも成長することができる。
そう信じて、ここまで腐らずにやってくることができました。

一週間後の予選会では、大きな花を咲かせたいものです。


感謝

競走部に入ってからの3年半、多くの方々にお世話になりました。

一浪で私大理系に進学という親不孝なことをしたにもかかわらず、私の箱根駅伝出場への挑戦を温かく見守ってくれた両親。
同じ釜の飯を食い、暑い日も寒い日も、練習を一緒に乗り越えてきたチームメイト。
日々のコンディションを気にかけ、的確なアドバイスをくださったコーチ陣。
タイム・給水・ビデオ・ケア等、文字通り私たちの挑戦をサポートしてくれたマネージャー・トレーナー陣。

画像2

その他にも多くの方々が、私たちを応援してくださいました。
素晴らしい方々に支えられて、ここまでやってくることができました。本当にありがとうございました。


最後に

昨今の駅伝界は、まさに戦国時代へと突入しています。

箱根駅伝予選会突破は、そう簡単なことではありません。

でも、もし慶應が箱根駅伝に出場したら、それがすごいことであることは世間一般の人々は容易に理解できるでしょう。

15年前、当時小学1年生の私が、学生連合で走った慶應の選手を見てそう思ったのですから、チームとして出場すればなおのことです。

箱根駅伝本戦にチームとして出場したい。

私たちがこれまでやってきた取り組みが間違いでなかったことを証明するために、10月23日、21.0975kmを全力で駆け抜けます。

当日は無観客となりますが、遠くからでも慶應義塾大学を応援していただけると嬉しいです。


次は前田大河くん、よろしくお願いします。
悲願の14分台、本当におめでとう!

よろしければサポートお願いします!いただいたお金は活動資金として大切に使わせていただきます。