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「話す」と「書く」が逆転した世界

およそ1年ぶりにnoteを書く。1年前は今のような世界になってるなんて夢にも思ってなかった。ここ数ヶ月で起きた変化は、人ぞれぞれに色々と感じるものがあるだろう。

そんな中で、コピーライターの僕の目から見て大きな変化は、「話す」と「書く」との逆転現象だ。

そしてこの文章を書いている2020年の5月30日。緊急事態宣言が空けたこれからも、ウィルスを気にして共存していく以上、「話す」の比重を完全に元のように戻すのは無理じゃないかというのが、今の僕の予想になる。

このように書くと、「コピーライター」という「書く」職業である僕のポジショントークと思われるかもしれない。しかし、僕自身、リモートワークになってから最初の数週間は、急激に増えた「書く」の比重に翻弄された。

これまでの「話す」を「書く」で補ったリモート

リモートでの仕事は確実に「書く」が増える。仕事相手には、お子さんがご家庭にいる方も多かった。こうなると、リモート会議より、メールやメッセでのやり取りがありがたがられることが分かった。

メールも難しい。これまでのようにオフィスで顔を合わせていれば、メール+対面のコミュニケーションを付加することもできた。重たいお願いの場合、様子を伺った上で頼むこともできた。この対面の「話す」がなくなった部分を「書く」で補う必要があった。

そしてZOOM会議のような一見「話す」に分類されそうなことも、「書く」が重要になるのが分かった。情報が伝わりづらいために、共有画面でのより精細に書かれた資料がなければ、なかなか打ち合わせはスムーズに進まない。

仕事で広告の文章を書くことには慣れていても、このコミュニケーションの「話す」の比重の多くが「書く」に移った状況には、コピーライターの僕でも慣れるのに時間がかかった。

「書く」の世界は自分のリズムを持てる

一方、徐々に慣れてくると「書く」の世界は、多様な生き方を認める世界でもあることが分かってきた。例えば、子育てに忙しい先輩は、夜に仕事を猛烈に進めることが分かった。

僕は作業が捗る昼の時間にメールを送っておけば、先輩は捗る夜の時間に進めておいてくれる。時間を揃えなければいけない「話す」とは仕事の進め方が変わった。

また、集中できる時間も長くなっていく。「話しかけられる」という中断がないと、集中力は続く。本当に重要な企画の場合は各種の通知音も鳴らないようにしておけば、より深く考えられる。

「書く」の世界に慣れてさえしまえば、メリットは結構多いことに気づいた。

「書く」の世界の必要とされるスキル

ただし、この世界で一つ身に付けた方がいいスキルがある。それは書く「速さ」だ。

書くのコミュニケーションが増えると速さが求められてくる。メール、メッセンジャー、前より書く比重が増えた資料づくり。「話す」の変わりに「書く」の総量が増えた分、ここが遅いと圧倒的に生産性は落ちる。

そこでオススメしたいのが、書ききってから直すやり方だ。

なぜなら文章を「あーでもない、こーでもない」と悩みながら書くと、とても時間がかかる。特に状況の見えない相手への気遣いが特に悩みを大きくするかもしれない。

でも、一度そういうことを置いておき、勢いのままに気にせず書ききる。文が書けなかったら、箇条書きで伝えるべきことを羅列していってもいい。

そうやって一度必要な情報を書き出してしまってから「読みやすさ」や「相手への思いやり」を考えて見直しと修正をしていく。

「書く」と「見直す」の時間は混ぜると遅くなる。分けると速い。

「書く」と「話す」の比重を決める世界へ

「話す」と「書く」がトレード関係になるなんて、こんな状況になるまでは気づけなかった。しかしこうなった今、世の中の動きや、自分の理想の働くスタイルに合わせて、この「話す」と「書く」の比重を決めていく必要がある。

あなたは、どんな比重で毎日を過ごしていきますか?


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