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「思考技術」 高松智史

本書の整理

答えのないゲームでの戦い方

 私たちは、これまで答えのあるゲームでの戦い方に慣れ親しんできた。答えのあるゲームでは、「答え」があたればそれでよかった。しかし、これからの時代は「答えのないゲーム」の中で戦っていかなければならない。

答えのないゲームの戦い方
1.プロセスがセクシー
答えのないゲームでは、プロセスを愚直に踏んでいくしかない。これからの時代は「答え+プロセス」の両方を重視して結果を考えていく必要がある。
2.2つ以上の選択肢を創り選ぶ
 プロセスを重視するため、複数の答えを創り上げ比較し、相対的に良いものを選んでいく。
3.炎上、議論がつきもの
 議論することは当たり前というマインドで答えの検討を進めていく。

考える力、技術、示唆を身につける

 答えのないゲームを戦い抜くために必要な力は『考える力』である。考える力は、以下の思考のプロセスで鍛え上げていく。
事実:「見たままですが・・・」
示唆:
そこから言えることは〜〜〜」
対比構文:「〇〇〇にもかかわらず、×××ということは、□□□に違いない」

 なお、示唆とは対比が必ずある。対比のない示唆はただのゴミである。 対比を伴う示唆を桃太郎を具体例に紹介する。
(事実)桃太郎は、イヌ、サル、キジの3匹を連れて鬼を退治した。
(示唆)何かを成し遂げるためには、自分+3人のチームが良い
(対比構文)鬼を退治するのだから多くの仲間がいた方が良いにもかかわらず、3匹だけを仲間にしたということは、何かを指すときには自分+3人のチームが良いに違いない。

B○条件の提案力を身につける

 答えのないゲームは、議論と炎上はつきものである。そこで、B○条件を提案する思考技術を身につけておくと議論を円滑に進めることができる。
B○条件とは、「【相手の意見(B案)が成立する(○となる)条件=b案】を示して、その条件を否定した上で、自分の主張(A案)に誘導する議論と説得の手法」である。
b案を提案するときには、まず相手の意見がどういう場合、条件、シチュエーションであれば、自分にとっても○となるかを考える。そして、その条件を提案して自分の意見も伝える。具体的な構成を示すと「もし・・・という条件で〜〜〜ならば賛成だけど、そうじゃないから反対かな」となる。

問題解決のプロセスを身につける

 答えのないゲームにおいて、論点を立てずに行動することは非常に危険である。論点を立てるには大枠の論点を解決するために必要なのサブ論点を明確にしていく。論点が立ったら、事実から示唆を抽出していく。そして、仮説を作り出し、その仮説を検証していく。

まとめ

 これまでの私は、答えを見つけようとしていたか痛感した。一方で、いままでのやり方に違和感を感じていたので、その原因を本書を通じて見つけることができた。これからの仕事において「議論をしていないのに答えを出しているということは思い込みに違いない」ということを意識し、思考力を深めていきたい。また、人間関係を円滑にするためにB○条件を見つけ、会議や提案において活用できるようになる。さらに、この思考力と提案力の根源には、論点を立てて仮説検証していくプロセスが必要となってくる。自分のこれからの働き方に対する考えの基盤としていく。


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