賛成か反対かではなく
あまり、遠慮せずに正直に書きますが、最近、僧侶界隈(特にうちの宗派を中心に)で、超宗派有志僧侶の会なるものが設立されたらしいです。
このお寺のご住職はかなり主体的に関わられているようです。
メンバーのお名前も、存じ上げている方がチラホラ。
それとともに、この寺院の住職さんはTwitterでマスク反対、ワクチン反対などの主張を、医者にリプライで批判的に物申したり、投稿を繰り返し、若干、提示されるデータがおかしかったり、主観のみで仰っているのか、納得のいかない人も多いようで、他のユーザーと絶えず言い争いのようになっています。
このご住職のことは、たまたま10年ほど前から存じ上げていますが、カルト対策の方面で知られている方でもあるので、講演なども何度かされていて、一度講演も拝聴したことがあります。
その際の記録は今でも持っています。
タイトルからだいぶ脱線したお話をされた末に、最後の方にWikipediaを参照しながらお話をされて、ある書籍を出している会のことを「この○○○○会という会は、○○○○(人名)の会ですからね!(悪いものだという雰囲気で)」と仰っていたことがありました。
実はそれ、この会の名前と同一名称の会があり、書籍を出されていたのはそっちの会なので、ご住職の仰ることは全くの誤解なのですが、日蓮宗でも有名な書籍なのに調べずに仰るところがすごいなあと衝撃だった記憶があります。
まあ、この会の方向性とこの方の言動は関係ない、ということなのだとは思いますが、あまり見ていて気持ちの良いTwitterではありません。だから一度ざっと拝見した後、基本的には見ていませんが。
ワクチンに賛成か反対か、マスクに賛成か反対か。そんなの両方あって然るべきだと思います。
ワクチンは、辿れば種痘などから研究を重ねられている立派な医学です。それらの研究が導き出したのが今のファイザーやモデルナのようなワクチンなら、それらは尊重されるべきですし、一方で自己免疫や他の予防法という視点も重要だと思っています。
私は一度コロナになっていますが、それ以降に、鼻中隔湾曲症の手術をしたときから、鼻うがいをするようになって、それからというもの、いわゆる風邪や熱のような症状はまるで出なくなりました。
聞いたらコロナ対策にも有効だそうで、致し方なく会合などに出た日の後も、まるでおまじないのように鼻うがいをしています。
脱線しましたが、要は様々なアプローチがあり、それぞれに長短もある。そして、どれが向いているのかは、その人の体質なども関係してきます。
体質次第では、ワクチンを打ったほうがリスクが低い場合もあるでしょうし、その逆も然りです。
私はワクチンを3回ほど打っていますが、ワクチンに拒否反応を示す人の気持ちもわかります。マスクだって基本的にはしたくないです。
あくまで、相手への配慮としてしています。昔から花粉の時期はマスクをしていましたが。
でも、正直、反ワクチン、反マスクに関する言動は聞いていて好きじゃないことも多いです。
「ワクチンを打つとチップを埋め込まれる」とか「国の陰謀が…」とか、何かオカルトに近いレベルの意見が多いとも感じています。
「データが証明している!」みたいな感じで提示されている表やグラフにも、何か粗が多いような、納得いくものに出会ったことはありません。
でも言い争いをしたことはありません。先に書いたように、多様な意見があって然りです。
でも反ワクチン、反マスクに関する言動が「好きじゃないことが多い」と感じるのは、「国にワクチンやマスクを強制されている」という趣旨の意見の方がいうのと同じくらい、そうした反対の意見に、対立構造・敵対心のようなトゲトゲしさや、終末思想、陰謀論のような、オカルトチックな部分が感じられるからかな、と思います。
冒頭に挙げた会が、そのようなものではなく、僧侶らしく中道によったものとなることを願います。
森下 恵王 合掌
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身延山宮崎別院 立正寺 副住職
宮崎県宮崎市末広1-6-1
℡0985-27-1121
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