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大人の砂遊びで心のデトックス 〜シクロクロスデビュー戦〜

「嫌なことがあったらシクロクロスをしなさい」
とは昔からよく言われますよね。
僕も小さい頃からそう言われて育ってきた人間なので、ストレス解消のためにシクロクロスデビューしてきました。

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終わりかけのシクロクロスシーズンのなか、僕がデビュー戦に選んだのは稲城で行われた稲城クロス。
多摩川の河川敷で行われるレースで、狭く曲がりくねったコーナーや終盤のシケイン、容赦無くガヤを浴びせられる階段などが特徴です。

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この階段をバイク担いで登ります。

カテゴリーは1番下のC4です。
エントリーリストを見たら60人近くエントリーしていて、最後尾スタートの人にはキツいね〜なんて思っていました。

当日は同じくシクロクロスデビューする同志の上中さんと会場で合流。
ウキウキしながら試走をしていると、ゼッケンを付け忘れている事に気付き急いで離脱。
準備が出来た頃には選手の集合時間。

スタートダッシュが重要なシクロクロスはゼッケン番号でスタート位置が決まっています。
しかし軽く遅刻した僕にもはや番号は関係無く華麗に最後尾からログイン!
なんと!スタートダッシュでこれ以上誰にも抜かれる心配の無いスペシャルポジションだ(?)
天を仰ぎました。僕が悪いんですけどね。

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余裕の笑顔ではなく全てを悟った顔

そしてレーススタート。
何も失う物が無い最後尾スタートマンが何人抜けるかゲームが始まりました。

スタート直後に前方の選手が横の選手と絡んでストップ。それに巻き込まれる形で10人くらいが止まったので右側から抜け出す事に成功。ごちそうさまです〜!

それからはコーナーで順位を死守し、階段やストレートなど日頃のストレスを餌に走るだけで順位を上げられるポイントで白目剥きながら駆け抜ける、綱渡りのようなレースを展開していきます。

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それにしてもガヤが賑やかで大変心地良いレースでした。
特にメガホン片手に全ての選手にガヤを飛ばす応援団の皆さんは最高でした。

ついテンションが上がってしまい、不意に1万円貰った時のような笑顔で走っていたら「楽しそう〜!!」と叫んで頂きました。

もちろん、楽しいィィィァァァア!!!と叫び返してコール&レスポンスを楽しみたいところでしたが、普通に息切れしてエエイ!くらいの声が漏れただけだったので、心肺鍛えてリベンジしてやるからな!顔も覚えたからな!
(すみません流石に覚えて無いです)

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脚も心肺もだんだんとキツくなり、これそろそろ終わりかな〜と思いながら残り周回確認したらあと3周を宣告され、「絶対嘘でしょ」と憤ったところから終盤の戦いがスタート。

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このあたりで4、5人のパックに追いつき、ペースを合わせながら進んでいく。
無我夢中で1人で踏む走りから前走者のペースに合わせる走りに切り替わった事で、息が整い冷静さも取り戻し、コーナーでのライン取りや砂場での走りが徐々に良くなっていくのが分かりました。

こうして終盤にして走りのリズムが良くなってくると、俄然調子に乗り出すのが僕です。
まぁ男の子ってそういうところありますよね。

バイクを担いでシケインを越える際に走りながら降車する動作に入るのですが、それまでの練習で慣れていた左足→右足の順で外していたペダルを右足→左足の順で外す走りにトライしてみたのです。

慣れればこちらの方がスムーズにバイクを担いで走れます。
ただ疲労で思い通りに動かない足だと落車するリスクもあります。
着々と上げた順位…勝負は終盤…安全策をとるか…リスク承知で技術の進歩に繋げるか…

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ラスト1周!!いよいよシケイン!!
俺は進化する道を選ぶぞ!!
あれ!?ペダルが外れない!?
アアアアアイイイイエエエア!

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言わなくても分かりますよね?転んだんですよ。
視界は90度傾きバイクが一回転してコース脇の柵に引っかかる。
2人くらいに抜かれながらもそのままバイクを担いでシケインを越え、悲しい気持ちで階段を駆け上がりました。

リスクをとってでも高みを目指しちゃったりする。
まぁ男の子ってそういうところありますよね。

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しかし転んでもタダでは起きない僕はラストのストレートで1人抜き返しゴール。
結果は16位。ああ楽しかった。

その後はガヤを飛ばす側にまわり、ある事ない事、日頃の愚痴、将来への不安をガヤついでに叫んで心のデトックス完了。

会場で買ったカウベルがどうにも上手く鳴らなくて、やっぱみんな鳴らす練習とかしてるのかな〜と思ったらベルの中にあるはずの玉が無かったというハプニングなんかもありました。
鳴らないカウベルは後でスタッフが美味しく頂きました。

晴れやかな気持ちを味わいながら砂まみれの1日を楽しむ事が出来ました。
嫌な事があったらシクロクロス。現代社会にもっと浸透しても良い考え方なのでは。

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