ギャラリーカフェで人生を語る
おはようございます。
今日もご覧いただきありがとうございます。
作り置きに成功すると、3日晩は家に帰るのが楽しみになりますね。
今日は人生冒険をしたカフェの楽しさ。
今日の食日記
カフェはカフェでも、ギャラリーカフェなるものがここ最近増えてきているように思える。
骨董品やアート作品がカフェ内を装飾し、一言おしゃれで片付けるにはもったいないほどの世界がそこに創り出されている。
ただただ趣味の世界を巡っている人もいれば、極めた技術の集積なんて人もいらっしゃるから、一度その世界にお邪魔してしまうと、カフェのようでカフェじゃない、個展に出向いた気分に極似している。
食という分野に関わる自分において、食周辺にある事情(食べる、嗅ぐ、作る等々)に目を向けて、食シーンを大切にしてきたからか、あまりギャラリーカフェのような異空間を味わうということはなかった。
だが、作品を楽しみながら食事をするという行為は、特段変わったことではなく、眼下に広がる庭園を覗きながらお茶を立て和菓子を食べる日本の風情ある文化と実は同じなのかもしれない。
そう思うと、ギャラリーカフェでのひと時も、立派な食体験なのだ。
京都に旅をした。
京都駅を出て垂直に北の方、烏丸を抜け、一乗寺のその先まで行ったことがあるか。
あそこは変態達が店を営む、京都の今を観れるから僕は好きだ。
観光客もまばらな北の方の京都。一体何と出会えるというのだろうか、毎回興奮してならないのだ。
世界を歩き、世界中の出会ったアンティークを運んできた女性が、カフェを開いたと聞いた(遥かなる海を経て、京都に戻ってきたとは。まあ、今も絶賛航海を繰り返し、更新されるその世界の感性と出会えるのだそう。そりゃ行ってみないと)。
今日のお店
正直に、本当にただの街だった。
観光客はおらず、山がすぐそこにそびえ立つ。秋の終わりにも、春の始まりにも似た、穏やかな時間と香りがした。
ぱっと視界が明るくなった。その店こそ、世界を巡ったお店なのだ。
独創的なデザインは、派手ではないのに、個性が溢れていてその扉を開けてみないと分からない。そんな好奇心をくすぐられるお店には、きっと楽しい店主がいるんだろうなぁ。
またぱっと灯がついたかのような玄関は、そうそう、SOUVENIR の文字。世界各国のお土産がここには集っているのだろう。
一体何と出会えるのか、ここには何があるのか、まだ見ぬ道に立たされた好奇心がすぐ手の届かないそのお店の奥にあるように感じる。
謎めいた扉を開ける。
カウンターキッチンが伺える。
ひょこっと店主の笑顔が似合う明るい女性がほんわかにっこりと立っていた。何か物語が始まる予感がした(こういう出会いをとにかく噛み締めたくなる。そのために来たのだ)。
一体どんなお話が聞けるのか。もうわかる。この女性は世界を歩いてきた方だ。
そのなんというか芯の強さが見えるようで、自分にはない憧れのものが彼女には宿っている。
早速世界を歩いたお話に。
とにかく好きなものを集めて集めて、販売したりコレクションにしたり。
コロナ禍だってなんのその、今年もメキシコに行っていたんだとか。そんな行動力は、話のそこかしこに垣間見え、僕が凄いですねなんて安易に言ってしまえば、キョトン顔が必ず帰ってくる(こういう人の背中は大きい)。
メニューを頼むのも忘れるくらいに話し込んでしまった。
ありがたいことに今日は僕1人。独り占めしながら、頭は世界旅行だ。僕もいくつか世界は回ってきたから、時々想像が一致したりして。とても楽しく笑った。
ビンテージのアンティークは使い慣らされたこなれ感がどれにもあって、柔らかくありそうでない絶妙なデザインがとてつもなく馴染んでくる。
緊張もあって体が火照り始めると、彼女のおおらかさに包み込まれるようだった。
ホット自家製ジンジャーエールでホッとする。
これまた集めてきた世界のどこかの欠片なのだろう。センスが抜群に溢れ、いつものジンジャーエールじゃない。
スパイスが鼻にすんと抜け、涼しい呼吸を一つした。
ついでにぬか漬けチーズトーストをおやつに。
世界を股にかけたお店からぬか漬けが出てくるとは。美味しさは突き抜けているらしい。
シャキッと歯応えに、ぬか漬けの酸味がほのかに抜けて、チーズがちょうどよくまろやかで爽やかで。
香ばしいトーストが全てを受け入れていた。
まだまだ話し足りなくて、と言いつつも1時間は話させてもらったか。
一つギャラリーを前に、1人の生き方と出会えた。
学ぶことも多くあったし、自分も楽しんでいたい、と改めて背中を押された。
カフェを通じて作品に触れ、人生を観る。こんなに素敵な出会いがあったろうか。ギャラリーカフェに行ってみたい。
美味しいひと時に、ごちそうさまでした。
では、また次回。
今日のお店:EINTOPF(京都市左京区高尾泉町6-11)
*Instagramでは暮らしにある食をすきなだけ発信しています*
暮らしのヒントになれば、と。
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