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「成長実感」と成長が比例するとは限らない
意外と多い、資格の持ち腐れ
2018年から、数千人にキャリアについてお話してきました。その中で、気になっていたことがあります。
それが、資格を活かせていない人の多さ。
「〇〇の資格を取りましたが、マネタイズできません」
「〇〇の資格を活かすにはどうすればいいですか」
という相談は、講演の質疑応答でも、個別の相談でもよくいただきます。
印象値ではありますが、「独学で目指せる国家資格」と「趣味と実益を兼ねる資格」が人気のように思います。
資格勉強は、頑張り屋さんと相性がいい
そんな、「取得したはいいが活かせていない」状態の方は多いのはなぜでしょうか。
「資格を活用してキャリアや収入アップを目指せる具体的な算段」がついていない状態でも、それなりの時間やお金を使って資格取得に向けて頑張れてしまうには、何か理由があるはずです。
私は、「資格勉強は、成長実感が得られやすいから」だと考えています。
メジャーな資格であれば、合格までのロードマップ、必要な勉強時間などの情報が手に入り、教材や予備校も充実しています。
最初は知識がない状態から、一歩一歩前に進み、着実に知識を身につけ、最後には「合格という明確なゴール」があります。
「頑張れば頑張るだけ、成長ができる」「最後に明確に結果が出る」と言うのは、特に受験や部活に着実に取り組んできた方とは、とても相性がいいように感じます。
ビジネスは、努力と成長が比例しにくい
会社の外で資格試験の勉強を頑張り、成長実感を得ることで、「日々の暮らしに張り合いが出る」「自信がつく」のを目指すなら、それはそれでいいと思います。
個人でお金を稼げなくても、その資格で昇進や転職に有利になるなら、それもいいと思います。
ただ、「副業をしたい」「いずれは独立もありかも」と思って、資格を取って全くお金にならない…のであれば、「成長」への向き合い方を変えた方がいいかもしれません。
ビジネスは、「自分の努力」以外の要素が複雑に絡み合います。
売る前段階での仕込みに時間とお金がかかったり、クライアントが見つからなかったり、うまくいっていたものが急にダメになったり、市場自体の潮目が変わったり、様々な要因で「稼げない」時期が続くこともあります。
フリーランスなら当たり前のことですし、会社員でも営業など自分でお金やクライアントを獲得してきた経験があると「そんなもんだ」と受け止められる人もいますが、多くの副業希望の会社員が「努力したのに結果が出ない」と見切るタイミングが早すぎるように思います。
後から振り返れば、仕込みの時期、試行錯誤の時期があったからこそ、その先に成功があるのですが、「成長実感」を優先してしまうとそんな「頑張っても何も起こらない状態」に耐えられなくなってしまいます。
結果が出ていない時期に、あの手この手で打開策を考えられないと「個人でお金を稼ぐ」のは難しいでしょう。
「成長実感」にとらわれないマインドセットを
取った資格を活かしてマネタイズのステップに進みたいなら、どこかのタイミングで「努力と結果が比例しない時期がある」と覚悟を決める必要があります。
「特にビジネスをはじめた初期は、成長実感が得られにくい」と理解しているだけで、かなり心は折れにくくなるはずです。
短期的な成長実感が得られにくくても、中長期的な結果を出すために必要な「種蒔き」をすることで、ビジネスの芽が出る可能性は高くなるはずです。
パラレルキャリア研究所代表 慶野英里名
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