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ADHD専門税理士の自己紹介-こんな私が税理士でごめんなさい?


1.いつ自覚したか

私がADHD傾向であると自覚したのは、税理士事務所で勤務してさんざん周りに迷惑をかけた後でした。

父親が税理士だから、シングルマザーでも食っていけるから、と税理士資格をとり、なんとなく自分に合っているのではと飛び込んだ税理士業界で、それまでの人生でもちらちらと見え隠れしてきたADHD傾向がさく裂しました。

2.子どものころ

子どものころは、とにかく過集中で、特に活字中毒がひどく、本や新聞を読み始めると何も耳に入らなくなる、1度読めば情報がほぼすべて頭の中に入る、という特性がありました。子どもならではの、知的好奇心と無尽蔵の体力が、過集中の継続を奇跡的に成立させていた時期です。

忘れ物は多めでしたが、母親が何かと周到に世話をしてくれたため、それほど自分で気にすることはなく、成績が良かったので学校でも悪目立ちしませんでした。多動は頭の中のみだったと思います。

初めて躓いたのは、大学で一人暮らしを始めたときです。
母親のサポートがなくなったとたん、日々の生活のルーティン、毎日授業を受けて単位を取ること、手続き・申し込み・締め切り、すべてがめちゃくちゃになりました。過集中任せだった勉強では歯が立たなくなり、こつこつと真面目に積み上げていくことが要求される大学のカリキュラムにも全くついていけなくなりました。大学は中退し、フリーターとして長く過ごしました。

3.大人になって苦労する

アルバイトやパートは、シングルタスクが基本で、具体的な指示を受けて動くことは好きでしたが、ルーティンが苦痛で、1~2年ごとに職や住む場所を転々としました。初めて正社員(経理職)として拾ってもらった会社のことが大好きで、貢献したいと夢中になりましたが、ひとり経理としてのマルチタスクや期限管理が遂行できず、過集中による心身の負荷も重なって出社できなくなり、退職しました。当時は、自分が「怠惰で不真面目」だから仕事ができないのだ、そして「見栄を張っているから」会社に行けなくなったのだ、と思い込んでおり、すさまじい罪悪感と自己嫌悪にまみれていました。うつという診断がおりましたが、私は噓をついて心療内科の先生をだましているのだ、と思っていました。

その後、結婚・出産を経るも、家事ができないために、夫からは「お前なんかに子どもは絶対育てられない」と言われ続け、最終的にはモラハラ離婚。このタイミングで、父親の税理士事務所に雇用されました。

私の良くない癖の一つが、新しいことに張り切りすぎる点で、代表の娘としての縁故入社で迷惑をかけてはいけないと、フルスロットルでありとあらゆる仕事を受けまくり、あっという間にパンクしました。受けていた仕事が大量に期限を超過しかけて同僚達が深夜まで残業してフォローすることになったり、実際に期限を過ぎてお客様に過大な税額が出てしまったり、受けたのにまったく手を付けていなかった案件が数か月後に次々と明るみに出たりしました。結果的にお客様と社員さんに盛大にご迷惑をかけ、会社に行けなくなるセカンドシーズンが始まります。

4.気づき

「私が怠惰で不真面目で見栄っ張りなせい」「自分だけが大事な自己中人間。お客様への責任感も、同僚に対する感謝も、子どもへの愛情も、親の恩も、そのすべてがどうでもいい最低な人間なんだ私は」
……。       ……?
本当に? 本当に私はそうなんだろうか。このまま、また仕事を辞めて、私の人生は、みじめで最悪なものになるしかないのだろうか。世間で認知度が上がっていたADHDという言葉が目に入ったのは、そんなときでした。

その後、ADHDグレーゾーンという診察を受け、投薬することになったストラテラは体に合いました。ADHDに関する本を読んだり、ADHDに特化した認知行動療法を受けたり、ADHD当事者会に参加したりしながら、自分を見つめなおし、できることとできないことを切り分けて考えられるようになりました。職場でADHD傾向をオープンにし、できることで貢献し、できないことは頼らせていただくことで、前を向いて進み始めたところです。

5.西原三葉さんとの出会い

ADHD傾向である自覚を得たものの、期限管理とマルチタスクとルーティンの塊とも言える税理士業。このすべてが苦手な税理士がはたしてこの世にいるだろうか。私は税理士として仕事していいんだろうか。誰かのお役に立てるのだろうか。そんな問いが、消えることはありませんでした。そんな中で、あるとき、素晴らしい出会いがありました。それは、かかりつけの臨床心理士の先生から紹介された、ADHD片付けアドバイザー西原三葉さんの書籍でした。

西原さんご自身が長年ADHDとして苦しみ、克服してきたからこその、的確で暖かいアドバイスが詰まった、素晴らしい書籍でした。ADHD特有の片付けできない悩みに共感し寄り添う西原さんのお心に触れ、気づかなかっただけで実は深く傷ついてきた自分の心が、癒されていくのを感じました。実際に当事者会でお会いできた際も、彼女はとてもチャーミングではつらつとした素敵な女性で、ADHDであることが、その人そのものを損なうことは全くないのだ、ということを実感しました。

であれば、私自身も、ADHDで起こした沢山の失敗を否定せず、誰かのために生かしたり、今の自分のまま、周囲の方に力を貸してもらいながら仕事をしたりしてもよいのかな? と思えるきっかけとなりました。会計や税務の分野でも、ADHDの強みである発想力や積極性を生かして開業したものの、バックヤードで行き詰ってしまう方や、ADHD傾向のためにお金の面で困難が生じているのに誰にも相談できないでいる方など、私が寄り添える方々がいらっしゃるのではないか。そんなことを考えるようになりました。

6.ミッションとビジョン

私が所属している税理士法人AOIみらいのミッションは
世の中からお金に関する不安と面倒をなくす
ビジョンは
誰もが安心して自分がやりたいことにチャレンジできる社会を作る
です。
これは、私のボスでもある杉山CEOと一緒に作り上げたものですが、最初の着想としては、私のアイデアが元になっています。(ADHDのアイデア力を生かすことができました)
ADHD傾向のある方の、お金に関する不安や面倒をなくし、ADHDのよさを活かして自由に楽しく、やりたいことにチャレンジできるよう後押しして差し上げたい、と思っています。

ADHD専門税理士相談 ご連絡はこちらまで info2@aoi-mirai.jp

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