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税理士の見つけ方ーADHD経営者向け(+すべての方向け)

ADHD経営者の方々にとって、よい税理士と巡り会えるかどうかは、事業の継続に欠かせない要素だと思います。
税理士は本当にたくさんいて、そのキャラクターもサービスも千差万別。コスト面に目が行きがちですが、大切なのは、あなたご自身が、「この人となら、腹を割って話ができ、気持ちよくお付き合いできる」と感じる税理士を選ぶことです。


1. まず伝えること

ADHD傾向をお持ちの経営者さんが税理士を探すときに必要なこと、それは、きちんとご自身の傾向を事前にお伝えすることです。

率直に、
「ADHDなので帳簿つけやレシートなどの資料管理がとても苦手。このため、丸投げでお願いしたい。」
「作業を先伸ばししてしまい溜めてしまう、スケジュール管理やタスク管理が苦手なので、リマインドをこまめにしていただけるとありがたい。」
など、自分の不得意な部分、今困っていることを説明しましょう。
具体的な提案や、解決手段の提示をいただきたいです、と添えるのも◎。

その返事の内容が、あなたにとって納得いくもの、安心感のあるものだった税理士は、きっと相性がよい税理士です。

税理士は、多くの場合、帳簿付けやタスク管理については、業務として長年こなしているため得意な場合が多い(私をのぞき…)のですが、その中でも、自分が得意だから不得意な人の気持ちがわかりにくい、できて当たり前では? という傾向の方と、得意だからこそ、視野を広く持って不得意な人にもコツやさぼれるポイントを伝えられるというスタンスの方とに分かれてくるように思います。この違いは大きいので、どちらのタイプの税理士か、面談で会話をしてみて下さい。


以下は、ADHDに関係なく、お勧めの見つけ方になります。こちらも参考にしてみて下さい。



・売上規模と払える料金の上限を伝えましょう。もしくは、領収証丸投げ(月●枚くらい)でやっていただく場合、相場はどれくらいですかと、聞いてみると、より具体的な見積もりがもらえます。「資料が遅れても怖くない税理士がいい」「3ヶ月に1回面談したい」などの希望を出すのも有効です。
仕訳数はどのくらいですか、と聞かれることが多いので、これまで何かの会計ソフトを使っている場合には、年間の仕訳数を調べておくとよいです。

・出来れば事務所訪問がおすすめです。事務所全体の雰囲気がわかります。
お客様への姿勢が表れるのが、社員の雰囲気や来客対応のクオリティなどの実務現場です。また、複数名で運営している税理士事務所の場合、「面談した人物が担当につかないケース」や「代表の税理士は決算の時のみの対応で、通常時は税理士補助のスタッフがやりとりを行うケース」などもあるので、事務所のカラーは大切です。
「実際に担当していただける方ともお話してみたい」という交渉は言ってみる価値あり。

2. 相(あい)見積もりがお勧めーネットでの探し方

税理士を探す場合は、複数とお話をしてみて、比較をしながら決める「相見積もり」がお勧めです。何か所かお話を聞いてみて決めたいと思っています、と一言伝えるとその後のやり取りがスムーズですし、言われたほうも、よし、プレゼン頑張って選んでいただくぞ、という気持ちになります。

ネットで探す場合、代表的なものは下記の3パターンです。

その一 税理士紹介会社

メリット…外れの税理士が少ないです。紹介会社と税理士は契約にこぎつけたいという点で協力関係にあり、税理士が問題のある言動をすると紹介会社から次のお客様を紹介してもらえなくなります。

デメリット…税理士の顧問料は高めで、ディスカウントの交渉は難しいことがあります。契約が成立すると税理士は紹介会社へ目が飛び出そうな紹介料を支払っています(涙)。このため、あまり安い金額ではお受けできないのです。
また、高額な紹介料を支払える税理士は、中々の規模、体力があり、業務拡大を目指している傾向があります。もしくはお金を払ってでもお客さんが欲しい、開業したてや自前の集客チャンネルがない税理士。
ひと言でいうと「肉食系税理士」が多いイメージです。

その二 会計アプリと連携した検索サイト

メリット…弥生会計、freeeやMFクラウドなど、使うアプリが決まっている場合には、それぞれの総合サイトにある、検索コーナーに登録されている税理士はアプリに対応しているので安心。このアプリに興味があるな、という段階でも、もちろん導入から相談にのってもらえます。

デメリット…但し、サイトに登録してあるからと言ってそのアプリが「得意」な税理士かどうかは実は未知数なので、実績やランクなどを目安にするのもよいと思います。freeeでは、freeeを使っている顧客数や、freee習熟資格を持つ社員数などで★の数が増える仕組みになっています。


その三 税理士検索サイト・個別サイトをめぐる

紹介文、税理士の顔写真、得意分野、料金表などをチェックします。税理士検索サイトは情報量が少ないことが多いので、検索して気になった税理士の、個別のホームページもチェックしてみましょう。普通のよくあるホームページプラスアルファのオリジナルな情報を載せているところは、税理士のスタンスがよくわかります。更新頻度が高い、事務所内部の写真が多い、税理士自身が書いた記事やお客様の声などが載っている、といった、ホームページに力を入れているところは、集客に力を入れていて伸び盛りなことが多い傾向です。
個人的におすすめするのが、気になる税理士事務所があった場合、求人ページを探してみることです。近年、税理士業界は人手不足が激しく、採用はどの事務所でも最重要課題となっています。求人サイトにお金をかけて掲載している、自前のホームページで採用ページを作り込んでいる、若者向け・中途向け・ハイキャリア向けの求人サイトに載せている、など、様々な対策や工夫を凝らしている事務所がみつかると思います。お仕事を探されている方々の目に留まるよう、事務所の雰囲気をお伝えしていたり、働き方を改革して色々な立場の方に長く働いていただけるよう企業努力をしていたり、事務所の個性が見えてくるかも!

ちなみに、私の所属する税理士法人AOIみらいの求人ページは、こんな感じです。
https://aoi-mirai.jp/blog/category/29126/

3.税理士探しのTIPS 3選

税理士事務所の社員って?
誤解される方がとても多いのですが、実務能力について「税理士>税理士資格のないスタッフ」ということは、実はあまりありません。資格がなくても、非常にキャリアが長く能力の高い税理士事務所社員はたくさんいます。もちろん税務にもしっかり精通しており、極端なケースでは、税理士はハンコ押しているだけ(近年はハンコが省略されてますので、税理士電子署名をしてるだけ、という表現になります)ということすらあります。試験勉強にはある程度の時間がかかるため、優秀な社員ほど、実務にかかりきりになり、資格試験の時間が取れないままというケースがよくあります。また、営業力のある税理士が現状少ないため、営業ができる税理士は今とても人気で、営業特化型税理士(忙しいから実務はしない)と、実務能力のある社員達という組み合わせもあります。昔は、税理士事務所の実務を束ねる方ということで「番頭さん」という通称があったほど、税理士事務所の社員は頼りになる存在です。
ちなみに、これは、税理士事務所(代表の税理士がいる)に所属している場合に限ります。税理士資格のない方が、コンサルタント、などの肩書でフリーランスで税務相談や税務代理を行うことは税理士法違反になっていますので、見かけたら、怪しいな、と思ってください。

税理士の変え方
税理士のボリューム世代が、80代に近づいています。先代から、もしくは長年、お世話になっている税理士がいて、あまりメリットを感じないけれど、変えるのも悪いし面倒かな…という状況にいらっしゃる方。税理士は、ご想像よりは気軽に変えることができます。会計税務は、基本的には形が決まっていますので、きちんと前の税理士から引継ぎ用データをいただければ、多少のアプリの乗り換えなどは問題なく進めることができます。
あまりお勧めしないのは、税理士との契約を解約した後に、次の税理士を探すということです。税理士不在の期間の情報が散逸しやすく、トラブルのもとになりやすいですし、前の税理士とは連絡が取れない、という場合には引継ぎの難易度が上がり、別途手数料が発生することも。やむを得ない場合には、事前にその旨を伝えるようにしましょう。
理想は、期の切り替わりで税理士を変えるのが一番スムーズかと思います。

気になる税理士を見つけたら、まずはセカンドオピニオンが欲しい、というかたちで、月次試算表や決算書を見てもらうことも可能です。顧問料とは別途コストがかかりますが、病院のセカンドオピニオン同様、気になることがあったり、聞きたいけれど今の税理士には聞けない、お返事を貰えない、などの場合、お勧めです。

税理士事務所=会計事務所 税理士≠会計士
税理士事務所のことを、伝統的に会計事務所と呼ぶ風習があります。どちらも同じ形式です。税理士が2人以上いて、組織化しているところは、「税理士法人」という名前になります。

ただ、会計士、とあった場合は、公認会計士資格であることが多いです。公認会計士の資格は、税理士の仕事もできる、という資格ですが、メインの仕事は、大企業の会計監査(投資家が安心してその会社の財務諸表を検討できるよう、第三者の立場で、正しく会計を行っているかをチェックする仕事)になります。監査法人、というところに所属することが多いです。

以上、税理士自身による、税理士の見つけ方のおすすめでした。ここに書いたこと以外に、税理士業界についてお知りになりたいことなどありましたら、是非コメントやメールなどで教えて下さい。

ADHD専門税理士相談 お問い合わせはこちらまで info2@aoi-mirai.jp


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