見出し画像

イッシュイクランツとは

朝起きたら、スマホのメモ帳アプリに残されていた言葉である。

「イッシュイクランツ」

この日の私は、朝の6:30にアラームをかけたにも関わらず9時に起き、しかもそのアラームを切った記憶を全くと言っていいほど保有していなかった。しかしメモをした覚えは微妙にある。確かに「イッシュイクランツ」と打ち込んだ。…ただ、どうしてこんなメモをしたのか、そしてこの言葉がどういう意味なのかは全くわからない。直前に見た夢が関係しているのかもしれないが、その日に限って私はなんの夢を見たのか露ほども思い出せなかった。

ネットで「イッシュイクランツ」と検索してみた。…ヒット数はゼロ。イッシュイクランツという言葉は存在していないらしい。ということは、この言葉は私が夢の中で作り出したものであるということである。

「イッシュイ」と検索してみると、『もしかして : イッシュー』という文言が出てきた。英単語の”issue”の訳を示したページが、検索結果にずらりと表示される。ちなみにissueの意味は「論点」「課題」「問題」などである。

「クランツ」はドイツ語の”Kranz”である可能性が高そうだった。花や小枝などを編んだリース、あるいは全体がバタークリームで塗られたリング状のケーキ、などの意味があるらしい。すなわちイッシュイクランツ改めイッシュークランツとは、問題リース(?)とか、論点ケーキ(??)とかいう意味であるということか。全くもって訳がわからない。

結局、イッシュイクランツがなんであるのかはわからなかった。夢の中で私はなにを考えていたのだろう。「イッシュイ」とはなんのことであったのだろうか。そもそもどうして私はこの言葉をメモしようとした? …疑問は尽きないが、ひとまずこの話題には幕を下ろしたい。この言葉について、これ以上考察する余地がないからだ。とはいえこれが、半分眠りの中にいるような状態で、それでもこれはメモしておくべきだと判断された言葉であるならば、頭の引き出しにちょっとしまっておくくらいはしたほうがいいのかもしれない。そう思って、私はこの文章を書いた。

イッシュイクランツとは。
微睡みの中で生み出された譫言。
意味を考えることが億劫になるくらいに、それは中身のない言葉。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?