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消えゆく景色

私は建築物も好きだが、推しが出ていたドラマの聖地巡礼(ロケ地巡り)も好きだ。
しかし時代の流れと共にその景色が変わろうとしている。

建築物でいうなら原宿駅の駅舎。
レトロな雰囲気がとても好きだった。

そして記事にある通り、今や現代的な駅舎へと変わった。
現代建築も好きだが、この原宿駅は通った回数は少なくともこの趣がとても好きだった。
解体が決まった時は残念だった。
またひとつ、建築物が消えていく、と。

商業施設にしてもそうだ。
よく利用していた小田急百貨店。
まさかの解体だった。
後に京王百貨店も解体されるという。

とある日。
いつものように新宿駅の西口改札を出て地上にエスカレーターで出ようとした。
そこはかつての小田急百貨店のエスカレーターだった。
ハッとした。
百貨店はなくなってしまったのだ。
仮囲いで囲われてしまったエスカレーター。
人々を拒絶してるかのように白き壁が目の前にたっていた。
かつてここで買い物をしていた私には寂しさでいっぱいの光景だった。

確かに再開発後のビルは現代的だ。
建築物好きとしても興味を持つものでもある。
ただし、慣れ親しんだビルが、たとえデザイン的に古くささを否めないとしても、思い出と共に消えていってしまう気がしてならない。

公園にしてもそうだ。
最初に書いたように私は聖地巡礼なるものもしている。

まずはMIYASHITA PARK。かつての宮下公園だ。

実は私はここに以前は訪れたことがなかった。
たまたま推しの写真集に出てきたのだ。そこからの歩道橋が。そこで夏の暑い時期に行ったのだ。
だが、それがなくなっていた。
綺麗になった公園は子供から若者まで賑わっていた。それはそれでいいのだろう。街が綺麗になることはいいことだ。
ただ、その裏に解体されたかつて使いし多くの人々がいたであろう歩道橋があったことも思い出してほしいと思った。
それをつくった人がいる。デザインした人がいる。建築物だけでは無い。歩道橋ですらそうしてできている。

面白かったのがその脇に小さな飲み屋街があったことだ。
そこも写真集にあったので是非とも見てみたかった。雰囲気のある飲み屋街だ。
若者が楽しむMIYASHITA PARKとほの暗い小さな飲み屋が集まる飲み屋街。
この対比、面白い。生き残りをかけた戦いのようにすら見えた。

そういえばこの渋谷の街は写真集の頃よりだいぶ変わっていた。
写真集に載っていたお店が変わっていたのだ。
若者の街渋谷は淘汰の街でもある。

もうひとつ。
多摩市立多摩中央公園。

ここも今、改修工事の真っ只中だ。
私が以前行った時はまだ緑があった。
恐らく1期目の工事だったのだろう。
ドラマで使われたベンチはなくとも雰囲気は味わえた。
それが最近行った方の写真を拝見すると更に工事は進み、緑が少なくなっていた。

多摩市のHPでも真っ赤になっている。なかなか行く地ではないのもあり、どう生まれ変わるのか私にはわからない。

ただ、以前の公園に愛着がある人がいる、ということを知って欲しい。
以前の公園だからこそ見たかった、という人がいることを。

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