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【れぽ1】知的障害の検査に行ってきた


自分がどうしてこんなにも「バカ」なのか?
それがどうしても知りたくて病院に行ってきた。

検査の前にまず3回の面談(計2時間くらい)があって、そこでまず「なぜ検査を受けようと思ったのですか?」と先生方に「3回」尋ねられた。

だから私は「自分がいかにバカであるか?」
というような話を腐るほどすることになった。

(あるある・・・・)

まず、18の時に『警察官』を無能すぎて半年でクビになった話。『家具店』に勤めたけど騙されて子会社で『特殊清掃』をやることになり、さらに1年で倒産した話。『設備メーカーの営業』に就職した時は社長の弟さんから速攻で嫌われて『倉庫業に左遷』されてから「おまえはヤバイ」と数か月でクビになった話。

ⅬED ・空調機器販売会社に勤めた時は、社長の息子さんから速攻で嫌われて「おはようございます」さえ無視されるようになり、業務が出来なくなり辞めざる負えなくなったという話。

(くそばか)

『町工場』に勤務した時は管理者として採用されたにも関わらず仕事が出来ず「おまえはヤバイ」と作業員止まりになり、疎まれて重労働のラインの担当にされ「首の骨を曲げる大怪我」をして3年近く寝たきり生活をしたこと。

寝たきり生活の時にはネットで『不動産関連の仲介業』を始めたのだが、お世話になった社長さんに騙されて、給料が支払われず逃げられてしまったこと。

まともに働けないし、人とうまくやれないので、ここ数年は家で『文章や絵を描いて生活』をしていたけど、やっぱ行き詰って、引きこもって、去年は1年ずっと無職生活をしていたこと。

・・・・
自分のバカエピソードなんて
無限に話し続けることができそうだった。

転職は8回以上、いまも無職。

人間関係は仕事もプライベートも常に壊滅的で、親兄弟からさえも「おまえはヤバイ」と数年前から絶縁されている。

同じような失敗ばかりを繰り返し、
周りの人間に迷惑かけてばかりの人生だった。

(アア・・・ダメだ・・・)


自分がどうしてこんなにバカなのか?
それがわからないと「先が無い」と思った。

まぁ1年引きこもって・・・・うん・・・・・
「このままじゃダメだなぁ」と思ったし・・・・
1月。新年だから。新しい年になったんだから・・

「自分もやりなおせるんじゃないか?」って
ちょっとだけそんな気持ちになれた。

・・・だから最後の望みをかけて、
新年早々に病院へ駆け込んだんだ。

・・そして私が病院で希望した検査は主に4つ。
①発達障害 ②知的障害 ③学習障害 ④脳の検査


・・・・先生と話しあった結果
「知的障害の検査から始めましょう」
というような話の流れになった。

・・・・なぜかと言うと、そもそもの話ですが私は幼少期に「チョイレアな脳の手術」をしたことがあり、頭蓋骨に巨大な穴が二つも空いている(まぁ全身に空いてるんですけど)

(パックリ)

何度も何度も脳の検査をして「異常なし」とは言われたけれど、小学校に上がる時になると先生から「特別学級でもいいんじゃないですか?」と勧められたということがあったのだ。

・・・・・・結局、両親は私を普通学級に入れて、
私は『普通学級にいるバカ』として幼少期を過ごしてきた。

(完全孤立!!!!!)

つまり私は正常なのか?異常なのか?
曖昧なまま生きてきてしまっていたのだ。

だけど、どう考えても私がクソバカでクソみたいな人生になっている根本原因はこの『頭蓋骨に空いた二つの大穴』(2回の脳の手術)に原因があるとしか思えなかった。(まぁ先生もそう思ったらしい)

(脳がぶっ壊れてる)

とにかく・・・・それをはっきりさせるため、知的障害の検査から始めることになったわけです。

さっそく検査の始まると先生が・・・・
「この積み木を図の通りに組み上げて下さい」と言った。

まるで幼稚園の授業のようだった・・けど・・
だけど、だからこそゴクリとツバを飲んだ。

(もし、こんなこともできなかったら・・)と。
だが、やってみると・・・・・なんてことはない。

(たのしー)


・・・そりゃ普通の人が「出来て当たり前」
テストしてるんだから、簡単に出来て当たりまえ。

図①。図②。図③。図④。

当たり前だけど、積み木の図は進むごとに難易度が上がっていった。そして何枚目かの図で私の手が「ピタッ!」と止まった。

(え・・・なにこれ・・・)

先生の方をチラッと見る。ニコニコと笑ってはいるが、その手にはストップウォッチがしっかりと握られている。

『図の通り積み木を組める』なんて当たり前。

完成までの時間も評価対象に入るのだ。焦る。焦る。焦る。焦る。できないはずがない、こんなことできて当たり前なんだ!!!と。

(・・・・・や、やべえ)

そりゃもちろん私は「自分がバカだ」と思ったからこそ知的障害の検査を受けてるんだけど・・・こんな検査の1発目。それも積み木遊びなんかでつまずくはずが・・・・そんな・・・・いや・・・うそだろ・・・・・?

・・・・・・そして私はハッ!!と気づいた。

(・・なんだ、そういうことか)と。

そして手に持った積み木を机にコンッ!と置いて、先生に向かって言った「先生、わかりました」と。

(ふ・・・)

「・・・先生、この図は『作れない』が正解ですね?」

(ピーン)

「あっ・・・・・できますよ?」

(ニコッ)

「・・・・・・・・・・・・・」

「・・・・・・・・・・・・・」

(う・・・・・・)

うァあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!

(ちっ・・・・ちくしょー!!!!)

うわああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ

(くそぉおおおおお)


※画像は脳内イメージです。

ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ・・・・・

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・はぁ・・・・・


恥も恥。ただのヤベー奴だった。


バカだバカだとは思っていたけど、まさか自分がここまでのバカだとは思いもしなかった。バカ。バカ。バカすぎる。これ検査結果を待つまでもないわ、たぶん私の「IQ3」くらいしかないなこれ・・・・・・

(ばかでーす)

あまりの自分の無能さに・・・ガックリと肩を落とした

すると察した先生がスッと立ち上がり「・・なんか、外うるさくないですか?」と言って換気のためやっていた窓をそっと閉めてくださった。

(せ、、、せんせええええ)

(やさしすぎるだろ・・・)

このさりげない気遣い。その優しさが胸に沁みた。
(生まれ変わったらこんな人になりたい)と思った。

・・その後、知的障害の検査は1時間近く続いた。

(いぬ?)

・・・ほとんどの内容がまるで幼稚園でやるようなものばかり、中には怪しいものもあったけど、まぁ一応問題なくクリアしていった。

そして何度目かのテストで先生がこうおっしゃった。
「では、今から私が言う数字を復唱してください」

(なんだそんなことか)と思った。

「1・・・・3・・・・5・・・」

先生が言った数字をそのまま繰り返すだけ。

(わいわい)

なんでもない、どうでもいテストだった。

・・・・すると先生が「今度は私が言った数字を逆から言ってみてください」と言った。(なんだそんなことか)とこれも私はそう思った。

「3・・・6・・・2・・」


言われた通り・・・・・先生が言った数字を
逆から言おうとした・・・その時だった。

私は『奇妙な体験』をした。

頭の中で数字を整理しようとすると・・・・

(イチ・・・ニ・・・・)
(うっ・・・・サン・・・・)
(あっ・・・・よ・・・・)


・・・・・・・・・・ボン!!!!だ。

脳内に黒い靄。ノイズ。電気ショック。
「痛み」に近いものが頭に走る。

(・・・・・・・・あ・・・・・あれ)


「うっ・・・!!」
と苦しくなって思わず声が漏れる。

・・・すると先生が「大丈夫ですか?もう1回いますね?」とまた数字を読み上げるが・・・・しかし、私は数字を答えることができなかった。

「すっ・・・すいません、わかりません」

ただ数字の順番を逆に言うだけのことなのに・・・・・自分にいったい何が起きているのか全く分からなかった。

何でこんなことが出来ないのか?

すると先生が今度は「では今度は私が言った数字を小さい順に並べてください」と言うので、私は先生がいった数字を頭の中で並べ変えようとしたのだが・・・・・・これも・・・・・・なぜか・・・・・

どうしても・・・・・・できない。

・・・・・・・ボンッ!!!だ。

(ぶらっくほーる)


「すいません・・・・わ、わかりません」
自分でも何が何だか訳がわからなかった。

決してサボっているわけじゃない・・・・
ふざけているわけでもない・・・・
それなのに・・・なぜ・・・

そういえば「いつもそうだった」

なにをしても「バカ」「アホ」だと言われ、
「ふざけてるのか!」だとか「やる気あるのか?」とか
そんな風に誤解されることばかりだった・・

(こえー・・なんだこれ・・)


ん・・・・で・・・まぁそれはいいとして・・・・

いつから?コレいつからだ?
いつからできなかったんだ?

これは計算?算数?数学???
それともなにか違うようだけど・・

・・・・どうにか・・・思い出そうとはしたが、
そもそも私は人生を通して『勉強』をしたことがほとんどない。

(・・・・・・・・・・・・・あっ)

(・・・・・・・・そういえば)



「子供の頃の勉強はどうでしたか?」
・・・
そういえば面談中にも先生に尋ねられたな。

(べんきょう・・・・・?)


とにかく、ありのまま正直答えた。

「勉強は小学2年生のかけ算わり算あたり??でツマズイテしまい、そこから高校三年生までテストのほとんどを白紙で出し続けていました」と。


すると先生が「ん?ちょっと待ってください!」と声をあげた。

(・・・・・ん?)

・・・・そしてこう尋ねてきたのだ。
「資料によるとあなたは高校3年生の時に
公務員試験に合格していますよね?」

つまり小学2年の段階で勉強につまずいたような『クソバカ』が高校3年生の時に現役で公務員試験に合格できるわけがないと思ったらしい。


それに対しては明確に答えた。

「公務員試験というのは、自分の得意分野が
出来ればいい試験だから受かったんです」
と。

つまり私のように高校三年生になっても「漢字の読み書き」「単純計算」すらまともに出来ないようなクソバカでも、ほかに得意な分野さえできれば公務員試験は通ってしまうのだ。

分かりやすく言うと高卒レベルの警察や消防なら、
40点満点中『20点』もとれたら受かってしまう。

・・・・だから私は高校2年生から『好きな分野だけ』を一生懸命勉強して、まるまる暗記して公務員試験を突破できる点数を獲れるようになったというわけだ。

(ペンのインクが切れ、へし折れるまで書いて覚えた)

・・・話を聞いた先生が尋ねてきた。
「苦手な教科はありましたか?」と。

「合格のためには20点ほど採れたらそれでいいので、数学とか化学とか英語とか、今さらやっても仕方ないので、そのまま全く勉強しませんでした」


・・・・それを聞いた先生は何かを
察したかのようにメモ走らせていた。

そうだ・・・私はそもそも・・・やってないんだ。
「算数の類」のことに、ほとんど手を出したことがない。

(そういやそうだ・・・・)

先生がさらに勉強話を深堀してくる。
「他に勉強や試験を受けたことはありますか?」


そういえば私は人生を通して『公務員試験』以外の勉強をしたことがない。つまり公務員試験の中の「面白そうだな」という分野しか勉強をしたことがない。

・・・ちなみに言うと、警察官をクビになった後も私は2年近くアルバイトをしながら夜間の公務員予備校に通っていた(※公務員になりたかったんじゃなくて、フリーターっていう肩書が嫌だったから通っていた)

(疑似青春ライフ)

その時に他県の警察や消防を4つか5つ受けてみたが、
もちろん1度受かった試験なので筆記試験はすべて合格。

もちろん面接で「警察半年でクビになりました!!!」と
バカ正直に言って2次試験で全部スッパリ落とされた。

「警察官辞めさせられたようなヤツに
ウチが務まるわけねえだろ!!!!」

みたいに2次面接でガチ説教されて
号泣して帰ったこともある(苦い思い出)

(正論は痛い!!!!!)

・・・・そして最後の最後に受けたのが『国家三種試験』

これは高卒の私が受けられる公務員試験の中では『最難関』と言ってもいいレベルものだったのだが、なんとこの試験さえも『筆記試験までは』合格ラインに達することが出来たのだ。

「・・ん?!ちょっとまってくださいね!!」
その話をすると先生がまた話を遮った。

(ピンピン!!!)

「数学、化学、英語などなどが小学生レベルで止まっている状態なのに、それだけの数の公務員試験テストを通ってるんですか?」

「ああ・・・はい・・・まぁテストは・・」

(あえへっへ・・)

褒められているのか、疑われているのか、
わからないが私はそう言いながら肩を落とした。

私は確かに『試験には』合格している。
それは表面上は問題ないようには見える。

だけど、私には『先』が無いわけです。

この公務員試験の経験がそれを物語っている。この世界には「一部のことさえできれば」ある程度のところまで先に進むことができるものも多い。

だけどそんな人間の「道」に先は無い。
そもそも試験はスタートラインですらないのだ。

(せんろはつづくーよ)

知的障害の検査がどんどんと進んでいく。
できないことがどんどん可視化されていく。

「では・・・・・・・・これはどうですか?」

「あ・・・・すいません・・・わかりません」

(あ・・・ああ・・・・・あ・・・)

さすがに詳しくは書けないのだが、知的障害の試験を通して、私がうっすら認知していた「欠落した能力」というものが、次々と可視化される形になった。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

検査を終えて先生が言う。

「結果を出すにはまだ時間がかかりますが、おそらくアナタは脳の手術をしたときに、脳の一部が損傷してしまい『一部の能力だけ』が制限されるような状態かもしれません」と。

(ひえ)

・・おっ・・・・・おお・・・・お・・・・はい。
なんか・・・・そう言われて暗い気持ちになった。

まぁなんにせよ・・・・検査待ちなんだけど・・・
どのみち私は一生「バカ」のままらしい。

(はは、きっつ)

まぁ・・・・正直ちょっとだけ落ち込んだ。ちょっとね。

とにかく知的障害の検査結果を待ってから、発達障害や脳の検査をして、それから先生達と「一緒に生き方を考えていこう」と言う話になった。

んで・・・・病院でお会計待つ間にイロイロ考えた。
「なんのために検査したんだろ」「これからどうしよ」
「こんな人生が続くなら終わりにしようかな」
とか。

すっごく暗いことイッパイ考えたんだけど・・・
うん・・・まぁ・・・・そうなるけど・・・

(暗黒)


・・・・・・結論「・・・まぁいいっか」ってことになった。

(病院の売店で買ったメシは美味いし)

先生方との面談で、これまでの人生のこと、
「自分がどれだけバカか」ってことを話して・・・
なんかバカすぎる自分に励まされたんですよね。

いや・・・・だってほら・・・・

元々は赤ん坊の時点で「脳の手術したら死ぬ」とか
「手術をしたら重い障害が残ります」
って言われてたのに、
少なくとも、今こうしてちゃんと生き残ってるわけでしょ?

「それスゴイじゃん!!!!」って。

「いや、おまえ頭蓋骨にクソでかい大穴
二つもガッツリ空けてよく生きてたな~」
って。

・・・それからまぁ確かに「何やってもダメ」だったし、
転職8回?9回も繰り返してバカ丸出しなんだけど。

「それでも8回も9回もめげずに色んなことに
挑戦したのはバカだけどスゴイじゃん!!!」
って。

なかなかいないよ?こんなタフなやつ!!!

(バカだけど)

「これからも頑張れるよ!!もう10回目いこうぜ!!
いや11回!!!12回!!!いってやろうぜ!!」

みたいな気持ちになれた・・・・

あの・・・まぁ去年は・・・ずっとグズグズ言ってて・・・
1年も家に引きこもって「死んだ方がマシだな~」
みたいなことやっちゃってたけど。

・・・・今年はこうやって病院に検査もこれたし、
まぁ・・・ぜんぜん・・・光明は見えてないけど・・
1歩じゃん?ちゃんと今年は1歩踏み出した!!!

大丈夫。できる。できる。まだやっていけるよ!!!

って・・・少しは・・・・そう思えたから・・・
病院からの帰り道はちょっとだけ心が軽かった・・・

(・・・・・ような気がする)


えーっと・・・・・検査結果は1月末。
だから「今日」来ることになっています。

一人でそれを待つのが
怖くてこれ書きました。

ちょっと楽になりました。

それじゃあ・・・・また。

おわり

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