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「もし~なら」という日本語から判断する直接法と仮定法

今回は、直接法と仮定法の攻略方法です!仮定法は、英検などの試験の英作文では基本的に使う必要がありませんが、ビジネスメールでは、覚えておくと表現力がUPするのでオススメです😳


「直接法」と「仮定法」の違い

高校で仮定法の単元を扱うと、絶対に「直接法」というのも一緒に学びます。それは、2つの区別をつける必要があるからです!直接法ってなんだよ!?と思うと思うのですが、実はこれは中学校で習った「ifとwillを使った未来形の文章」のことなんです。

If it is sunny tomorrow, I will go climbing.
もし明日晴れたら、わたしは登山に行くつもりだよ。

こんなような文章、見たことありませんか?😳「仮定法」がなんたるかは一旦置いといて、直接法=ifとwillの未来形の文章、ということで頭にいれておいてくださいね!

「直接法」と「仮定法」の根本的な違いを理解できるようになるために、まずは以下の図を見てください。「もし~なら」と、「仮定」をしたときの分岐図です。直接法も仮定法も、どちらもifを使い、どちらも「もし~なら」と訳すせいで、違いを区別しにくいんですよね。

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直接法

図にある通り、直接法を使って「もし~」と言うときは「実現する前提」で話しています。先程の例文なら、「晴れるという前提」があります。

現在の時点で、ある程度の確信を持っているので、ifの中身は現在形です。そして主節が未来形のwillになります。

If it is sunny tomorrow, I will go climbing.
もし明日晴れたら(+晴れる可能性があると思ってるから)、わたしは登山に行くつもりだよ。


仮定法過去

一方で、仮定法を使って「もし~」と言うときは「実現しない前提」で話しています。仮定法では非現実性を表すために、「時制を実際の時制から1つ前にずらす」という表現をします。現在の確信のなさは、過去形で表すんですね。そして助動詞willもまた、過去形の形wouldになり、以下のような英文になります。

It it were sunny tomorrow, I would go climbing.
明日晴れたら(+晴れる可能性はないと思っているから)、わたしは登山に行くんだけどなぁ。(=実際には晴れないだろうから、行けないんだろうけど!)

天気予報で降水確率90%だったりとか、単にネガティブだったりして、「実現しないだろうな」という前提が生まれているんですね。過去形を使って「直近で実現しなさそうなこと」を述べるので、これを「仮定法過去」と呼びます。


仮定法過去完了

仮定法という1つのジャンルのなかに、仮定法過去という少ジャンルが登場しました。それなら他の時制もあるんじゃ!?……ということで、次は、仮定法過去完了です。

さきほど「仮定法過去」を説明するにあたって、以下のように説明しました。

仮定法では非現実性を表すために、「時制を実際の時制から1つ前にずらす」という表現をします。

では、「仮定法過去完了」とは、どの時制を指しているのでしょうか?

「仮定法過去」は「現在/直近の出来事の仮定」でしたね。

「仮定法過去完了」は「過去に対する仮定」になります。
※もともと過去完了とは、過去よりも前に起きたことを表す時制です!

仮定法過去完了は、実際に起きた状態を示す「過去形」と比較しましょう。

Because it was sunny yesterday, I went mountain climbing.
昨日晴れたから、わたしは登山に行った。

これは「過去形」の文章です。実際に起きたことなので、「もし~なら」という仮定を表す「if」は使いません。代わりに理由を表す「because」を加えておきました。

「if」を使った文章で、過去形を使うと、先程と同じ「仮定法過去:もし~なら、…するのになぁ」(=現在/直近の出来事に対する実現しなさそうな仮定)となってしまいます。そのため、非現実性を表すためのルールにのっとって、過去完了形を使います!

If it had been sunny yesterday, I would have been mountain climbing.
もし昨日晴れていたら、わたしは登山に行ったのになぁ。(=実際は晴れなかったから、行けなかったんだけど!)

If節の中は過去完了形です。が、主節のほうでは一見「現在完了形」に見えますね!?でも違います!これは現在形のhaveではありません。「原形のhave」なんです。

なぜ原形が必要なんでしょうか?それは助動詞(would)のうしろには原形動詞しか置くことができないからです。

「過去完了形」という名前から、ついつい「had + 過去分詞」を主節にも使いたくなってしまいますが、釣られないでください!それ以上に「助動詞のルール」が重要です。

そのため、覚え方はこうです!仮定法過去と一緒に、声に出して呪文のように5回ほど読んでください。そうすれば覚えられます!

仮定法過去:
If S 過去V, S 過去助動詞 原形V.
仮定法過去完了:
If S 過去完了V, S 過去助動詞 原形完了V.

仮定法過去も仮定法過去完了も、主節では「過去形の助動詞+動詞の原形」という形で、過去形・過去完了形を作っているんです。

この過去助動詞のところには、「would」「could」「might」が入ります。この3つの助動詞が登場したら、仮定法を疑ってくださいね🎵


仮定法未来

現在や直近の出来事に対する仮定(仮定法過去)、過去の出来事に対する仮定(仮定法過去完了)ときたら、えっ直近じゃない未来は?遠い未来はどうなるの?と思ったことでしょう。あります!仮定法未来はまた別に存在しています。

えっ、でも未来と言ったら「実現可能が前提のwill」だよね?そしてその過去形の「would」は、仮定法過去で使っちゃってるから、未来を表すなんてできない…!?

と思ったかもしれません。大丈夫です、他に策があるんです。しかも2つも!この2つは、主節ではなく、if節のなかで使います。

1つは、「不定詞」を使うことです。不定詞の用法のなかに「be動詞+不定詞」というものがあります。運命やら義務やらを表すのですが、そのなかに「未来」もあるんです。この「未来」の意味があるので、仮定法未来では「過去形be動詞+to V」という形を使います。あくまでも過去形はキープしてください!

If  an eruption were to occur in Mt Takao, what would you do?
(まったくありえない話だけど)もし(今後)高尾山で噴火が起きたら、あなたならどうする?

「まったく起こると思ってないけど」という大前提があります。そもそも高尾山は火山ではありません。だから「絶対に起きないだろうけど、もし未来で起きたら」という意味あいになります。

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もう1つは、if節のなかで「should」を使います。こちらは過去形ではないですね。主節でも、現在形助動詞・過去形助動詞両方とも使うことができます。can, could, will, would, mightなんでもOKです。

If an eruption should occur in Mt Fuji, what will/would you do?
(多分起こらないと思うけど、でも起こる可能性がゼロではないから聞いておくんだけど)万が一(今後)富士山で噴火が起きたら、あなたならどうする?

shouldの場合は、「可能性はとても低いけど、ゼロではない」という大前提を含んでいます。そのため山も富士山に変えました。富士山は火山ですからね!登山中の噴火の可能性はゼロではありません。

だから和訳も「万が一」なんですね。「万に1つ」というのは、かなりの確率の低さを意味しています。goo国語辞書でも「めったにないことが起こるのを予測するさま」と説明されていました。


直接法・仮定法のまとめ

上記で説明したことを、さらに図解でまとめていくと、このようになります!

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英作文初心者や中級者がエッセイ・ライティングで仮定法の使用を推奨しないわけは「仮定法=実現しない前提」だからなんですね。

実現する前提で「英語教育をがんばれば、日本はもっと国際的になるだろう」と言いたいのに、仮定法を使うことによって「英語教育をがんばれば、日本は国際的になるだろうなぁ(まぁがんばったところで実現しないと思うけど)」という、裏の意図が発生してしまうんです。

仮定法のなかで使われているために、could, wouldは、このように「低い可能性」を意味しています。

仮定法とは関係なく、mayやmightの代わりに使おうとしても、「もしかしたら…するかも(でもそうじゃないかも)」という、「仮定法if」の意味あいも含んできます。だからわたしはエッセイにおける単品のcould, wouldも推奨していません。自信なさげなエッセイでは、説得力に欠けてしまいますね!エッセイではいつも、自信たっぷりに答えましょう😳✨

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