3年前から記憶というプロセスが難しくなった私。

前回の記事でてんかんをもっていること

だいたい2年ごとに発作が起きて、その度に発作前後1時間くらいの記憶がなくなること

薬を飲んでいたら安定していること

を書きました。


きちんと薬を飲んでいたけれど発作が起きた2016年。

その日は何かが違ったようです。


休みで実家にいたので、お昼ご飯を作ろうと台所に立っていました。

「クスクス」というモロッコの食材を使って何か作ろーとクスクスを炒めていたら発作が起きた(らしい)。


気づいたら、ソファの上で寝ていてパートから帰って来た母に起こされた。

若干頭が痛かった。


ソファでぼーっとしていたら

「なにこれー!?」という母の驚く声が台所から聞こえた。


若干フラフラしながら台所に行くと

蝶番から見事に外れた戸棚

床の上に散らばるクスクスとその横にはフライパン

「あ、倒れたんだな...」と母も私も気づいた。


リビングに向かって歩いていると

「そのジーパンどうしたの!?」という母。


ジーパンの後ろがベルト通し含めて10cmくらい破れていた。


ここからは誰も見ていないし、私も記憶がないから推測だけど



1)調理中に発作。

2)体を半回転させながら戸棚にジーパンを引っ掛けて床に倒れる。

3)フライパン落下。

という形かと。


火はというと、高温になるか、物が何もない状態でコンロを使っていると

自動的に止まるシステムだったので、消えていた。。よかった。



その日、夕方までゆっくりしていた。

心配して早く帰って来てくれたお父さん。

私の具合がよくならないからとかかりつけの病院に電話してくれた。

父が電話している間、、、、、再び発作。


幸い、電話していたかかりつけの病院が救急車を送ってくれたから

発作後すぐに病院に行くことができた・・・らしい。


おそらく、発作から病院に着くまで15分〜20分。

発作後、だいたいは救急車の中で意識を戻すが、今回は違った・・・らしい。


救急室に着いても意識戻らず。

発作から1時間後くらいに意識が戻ったらしい。


意識が戻ってからもぼーっとしていて、会話できるようになるまで5分ほど


そして、私の意識が戻って話せるようになった直後から襲う猛烈な吐き気。

どっちが天井か床かわからないくらいのめまい。


じゃっかん落ち着いてから起き上がろうにも頭が重くて痛くて吐き気は続く。

車椅子で帰宅。


そのまま、朝まで眠っていたようです。


次の日、目覚めはよく、若干頭が痛いくらい。(おそらく発作で倒れた時に打っていたのかも?)

吐き気もない。


顔を洗おうと洗面所へ。

鏡を見て自分の顔にびっくり!

目の周り、目から鼻筋にかけて内出血のような痕が。。。


倒れた時に打つような場所ではない。


発作で力みすぎたらしい

目をぐっとつぶって、歯もくいしばって発作

自分の力みで顔に内出血が起こるほど今回は大きい発作だったと実感。


その後は家でゆっくり療養。


発作から1週間後に元々予定していた友達との北海道旅行。

すでに発作後の頭痛・吐き気なども収まり、先生の診察も終えたので行くことができた。


北海道へ2泊3日、レンタカーを借りて(この旅は運転せず)色々な観光スポットを巡った。

楽しかった!・・・ことだけは覚えていると後々気づく。。。


北海道旅行を終えて、半年。

旅行へ一緒に行った友達と会い、北海道のことを話していたら

なんだか違和感。。。

びっくりするくらい私が旅行の内容を覚えていない。


羽田空港で飛行機搭乗前にお茶漬けを食べたこと

北海道初日に行ったレストラン

トマムのスープカレー屋さんのすごく良くしてもらった店員さんの名前

Airbnbでお世話になったお家の4歳の女の子の名前

函館で回ったお土産やさん


などなど、記憶からすっぽりと抜け落ちていた。

「え?お茶漬け食べたっけ?」

「店員さん、確かに会ったし名前を連呼してたけど何だっけ・・・」

「函館・・・海鮮丼食べた記憶しかない」


など。食べ物に関する情報がたくさん抜け落ちていることが面白いw


友達と話していてやっと理解できた。

「発作後の影響は吐き気でも顔の内出血でもなく、記憶が抜け落ちるんだ」と。


どうやら、発作前後1、2ヶ月分の記憶が途切れ途切れになっているらしい。


さすがに今回は、旅行の思い出、友達と話したことなどが抜け落ちていてショックを受けた。


でもこれは記憶が抜け落ちたことに気づいただけだった。


変わらず日常生活は続けていたけれど、やはり記憶をすることが難しくなったのだと痛感することが多かった。


1年ぶりに友達と会ったとき、楽しかった。

でもそれを振り返ると、行ったお店を覚えていない。(私が予約した)

話が尽きなくて2軒目も行ったのに、2軒目に行ったことすら覚えていない。

「これは、何だろう?」


1日に2回の発作後から記憶がすっぽり抜け落ちることが起きた。

担当医に説明しても理解されない。

というより、「発作中の記憶がない人は多いからね。」で済んでしまう。

そりゃ、担当医はてんかん発作を起こしたことがないから理解するのは難しい!

自分で調べても、所々記憶が抜け落ちると言う方の話・症状はなかなかみつけられない。



ここからは私の推測。

私のてんかんは「部分てんかん」と診断されることもあれば

「特発性全般てんかん」と診断されることもある。

つまり、どの部位からてんかん発作が始まるかがわかっていない。

脳波検査を何度行っても、中々特定できない。(こういう患者さん多いらしい)

ただ、側頭葉と前頭葉で脳波の異常がみられることがたまにあるので

側頭葉か前頭葉から起こっているのでは?と担当医には言われている。


記憶に関して少し調べてみると「海馬」がどうやら重要らしい。

海馬は新しい記憶をフィルタリングして、記憶を蓄積する「大脳皮質」に送る働きがある。

今回、1日に2回も発作が起きてしまったことで、海馬がなんらかのダメージを受けてしまったのではないか?

記憶をフィルタリングするはずの海馬でフィルタリングされすぎて、記憶が大脳皮質に届いていない?


と推測したけれど、脳を開いて見ることはできないので、ただの推測。


記憶できないことを後悔してもしょうがないので、私にできることを考えた。

対応策として

1)今日あった出来事を携帯のカレンダーにメモすること。

2)なるべく携帯で写真を撮る。

3)投稿して良いものはSNSなどにあげる。

例えば「10時 友達の〇〇と会う」「13時 〇〇でお昼ご飯」「18時 〇〇さんと〇〇さんとご飯」など。

誰かと会ったり、どこかに出かけた時は一緒に写真を撮っておくと、なんとなく覚えやすい。

そうするとふと見返したときに、思い出しやすい。(記憶は作られているかもしれないけれど)



何のためにこれを書いているのかは、もしかしたら私と同じように

記憶することが難しい人がいるかもしれないと思ったから。

SNSの普及は良い面も悪い面もあるかもしれないけれど、自分の記憶の整理にはとても役に立つ。

そして、てんかんという言葉は聞いたことあるけど、どういうものかわからないという人が多いこと。

てんかん発作は人によって症状が違う。

私のように、いきなり意識失ってトーテムポールのようにバターン!と倒れる人もいれば、意識だけ飛んでるけど座っていられる人もいる。

バターンと倒れたてんかんの人に対応。

1)安全確認

倒れた場所がお風呂場とか道路の真ん中ということも有り得る。

安全第一で移動させるなど環境を整える。

2)発作の様子を観察

本人は意識ないけれど、どのような発作がどれくらい続いているかを見ておく。

後々の担当医との診察で役にたちます。

3)発作が長く続くor 2回連続で起きる or 頭を強く打って流血しているなどは救急車を呼ぶ

本人意識ないので、周りの人の判断でいいです。呼んでください。

※もうさすがにいないとは思いますが、発作中のてんかん患者の口にスプーンを入れるのはしないでください!

舌を噛み切るのでは?と昔は口に何かを入れるのが対処法と伝わっていたようですが

食いしばりすぎで顔が内出血するくらいの力なので、介助者・本人ともにケガしかねないです。



私がこういう風に記憶出来にくくなったこと、周りはほとんど知らない。

ほとんどの友達が普通に元気な人だと思っている。

それで良いと思っている。


自分のことを友達全員に知らせなきゃいけないことはないし

友達も人に知られたくないことはあるはず。


もしかしたら元気そうに見える友達にも何か抱えているものがあるかも?と思うと、周りに少し優しくできるかもしれませんね^^ 


発作以外は元気です^^






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