亡くなってから偉大に感じるようになった父のことについて兄と語る
私の父はとても破天荒な人でした。
両親ともにすでに亡くなっているのですが、兄と私の中には、尊敬できる母にその母を苦労させる傲慢な父という像があります。
どちらかと言うと私からは兄が父のことを嫌っているようにさえ見えました。
それなのに、最近兄と会うと、母のことではなく父のことがよく話題にでます。
公務員だった兄は仕事を辞め、父の遺産整理をすることにしたのです。そして、父の商売を継ぐことにしました。
実家は楽器屋を営んでいましたが、父が趣味で骨董品を買い集め、楽器屋の2階には所狭しといろんなガラクタで占められていました。自宅にも。
兄が4ヶ月もかかって自宅も店も片付けてくれたことはとても感謝しています。
兄曰く「整理うつ状態だった」と。
まさか、楽器屋を再開するとは思ってもみませんでしたが、どうやらそこから、仕事関係の人から父の話を聞くことが多く、父や祖父のことを調べ始めたようです。
先日、実家に帰った時には「ステレオテクニック」という古い雑誌を見せてくれました。
父の知人のところに訪れたところ、もらったとのこと。
そこには、オーディオマニアとして父とオーディオルームが掲載されていました。
私はこの大きなスピーカーの音で小さな頃に眠れずに、今もあまり音楽を聴きません(^^;;
オーディオルームは体が振動するほどの大音量でいつも音楽がかかっていました。
でも、このマニアにとってみたらお宝の山のような部屋を作り、そして、私たちのことを育ててくれた父がだんだんすごい人に思えてきたのです。
ピアノも400台売ったとか・・・
父は物事を大げさに語る人だったので、実際はどうだったのかわわかりませんが、メーカーの方たちから父の武勇伝を聞くことができ、はちゃめちゃだった父に対して、晩年もっと優しくしてあげたらよかったなと思いました。