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巨大嫁入り箪笥を断捨離した話②


↑↑↑①からの続きで書いています。よかったらこちらもお読みください。

母と考えや想いを理解し合う

母に思いを伝えると最初は
「なんでもいいから入れて使って。腐るものじゃないんやから」と言われました。そうですよね。当たり前です。売って無くすなんてバチあたりな考えは母にはありません。

しかし母と私、昔と今、つまり時代が変わって環境も違うのです。
広くて3階建ての実家、部屋数が多く箪笥も広々置けます。
対して私は小さい2階建て、部屋数は少なく箪笥に圧迫されていました。箪笥専用部屋の納戸は狭くて箪笥以外のモノが置けず、使わない箪笥と部屋という本当に無駄な空間でした。
広い実家に住む両親は大きな家具を買うことに抵抗が無かったのかもしれません。
親が購入を決めた時は、私達が将来マイホームを建てるのかどうするのかもわからない状態でアパート住まいでした。

かという私も納戸にある箪笥を使用すればいいのですが、洋服は備え付けのクローゼットにハンガーでしまっている為、引き出し式の箪笥は畳むのが面倒だったりシワになったりで使わないのです。箪笥には一緒にもらった着物だけが入っていました。

母は嫁入り箪笥を大切に使っていたから私にもくれたのだろうと思うさいます。
いくら使っていないからとはいえ、邪魔だから家から出すのは両親の気持ちを裏切るようで本当に胸が苦しくてなかなか思い通りに動き出すことができないのです。毎日2階に上がってはため息をつきずるずると2年が経過していました。
そしてやっと考えがまとまりました。

  • ここに住んでいるのは私達家族で両親ではない

  • 使用するのは母ではなく私

  • 受け取ったモノは私が判断する権利がある

  • 母からの想いは箪笥が無くなったとしても私の心の中にある

これを踏まえて母には謝りました。
「ごめん、お母さんお父さん。言いにくいんだけど・・・前から話してる箪笥のことなんだけど、使ってなくてもったいないから他の人に使ってもらおうと思う」
私が母で娘からこんなこと言われたらショックです。誕生日プレゼントしたモノがハズレだった…それが嫁入り道具だなんて額も額で。誕生日プレゼント以上にショックだったと思います。

全く使用しないまま部屋にあるけれど、部屋をもっと活用したいことをよーく伝えました。
同時に両親からもどんな風にこの箪笥を迎えることになったのか、まだ知らなかった家具屋さんの話や両親の考えをたくさん聞きました。
両親とは口論になることもなく、最後には「好きにしたらいいよ」と言ってもらえました。
内心は怒っていたかもしれません。
いいよとは言ってくれたものの、きっと気持ちは違ったと思います。。
娘にあげたはずの箪笥を他の人が使うなんて。
気持ちを踏みにじられたどころか、はらわた煮えくり返ったかもしれません。
。。。それでも「いいよ」と私に言ってくれた両親の想い。
きちんと受け止めて、この部屋を有効に使うことでこたえようと思いました。

メルカリ出品でわかった全く元がとれていない事実

母にいったいいくらで買ったのか、聞く必要がありました。
調べると10分の1以下でしか売れない現実にビックリしました。(そもそも送料が高い)
それなら売らずに使うか・・・と、諦めてまた使用していました。
しかし半年くらいしてやっぱり部屋から出したい気持ちがあり、全く元が取れなかったとしても、劣化してゴミ化する前に誰か使ってもらえる方に売った方が部屋の空間も生きるし絶対いい!と思いメルカリの出品へと行動していました。


2階からどうやって箪笥を出すのか

出品するにあたり送料を決めなければいけませんでした。
送料はサイズを測れば出ますが、それ以前に家から出せるのか?
と旦那さんからの指摘に再び壁にぶち当たります。
「そうだった・・・出せないかも」


2階ベランダから見たカーポート

箪笥を入れた時はカーポートがまだ建っておらず、2階のベランダにトラックを寄せることができましたが、今はカーポートが建っています。
ベランダの横にトラックをつけることはできません。
諦めて箪笥をこのまま使用するか、はたまた処分するかまた半年ほど悩みました。
再びやる気になった時、ヤマトに連絡して相談しました。
事情を説明して家まで見に来てくれることになりました。
結果…出せないと判断されました。

しかしもう一人上の別の担当者を呼ぶと言われて、後日その担当者さんに見てもらったら、なんとカーポートの屋根に乗って出しますと言ってもらえました!!(この人神!!)
無事にメルカリに出品し、半年後とても良い相手の方とに引き渡ししました。(相手の方にも「親に買ってもらった大切な箪笥」と説明し大切に使わせていただきますとお返事頂きました)

そして発送日当日、あのヤマトの神担当者さんに取りに来ていただきました。

箪笥を2階から出す実際の写真



こうしていろいろな人の協力があり無事に家から箪笥がなくなりました。
送料や売れた価格よりも、箪笥を家から出すことに成功した達成感の方が高かったです。

今では両親とも仲良しです。
母は私の影響を受けてかはわかりませんが、断捨離を始めて大物もまとめて捨てているようです。
箪笥の件を通して両親からの想いをたくさん聞くことができました。
受け止めるたびに自分の考えに重くのしかかりましたが、逆にこの件を通して言葉にして伝え合うことができました。
(本当はもっと想いを長々と書きたいけれどこれくらいにしておきます

ちなみに、家からヤマトさんが箪笥を運んでいる様子を近所の知り合いの方に目撃されていて、けいこちゃん離婚するの?と誤解されました。
離婚して引っ越しするのだと思われたようです。(笑)

現在の様子

座布団一枚のみ


こうして長年に渡り悩み続け、マイホームを建てるときには間取りにまで影響がでた巨大な嫁入り箪笥。
箪笥で占領されて使うこともできなかった納戸の部屋。
今はこの2畳もない狭い空間に座布団一枚あるだけです。
将来、娘が一人で眠れるようになったら、私がここで一人寝ることも考えて畳を購入して敷きました。

頻繁に使うことはありませんが、急にコロナに感染したときは隔離室としてすぐに活用できしました。
息子の友達5人が秘密基地のようにここでSwitchをしていたことも。(5人も入れることが発見でした)

座布団以外何もないのは、禅をイメージしているからです。
仏教の修行僧たちは2畳の空間で本を持ち込むことさえも禁じられながら生活するのだそう。
私は自分の機嫌が悪くなったとき、落ち着かせるためにリビングを抜けて、スマホも何も持たずここに来て、ただ横に気持ちが落ち着くのを待ちます。畳に横になると畳の優しい香りがして目を瞑って深呼吸・・・
頭の中でぐちゃぐちゃに絡まっていたことも、イライラもすーっと落ちつきます。
狭くても「お母さんの部屋」があることは贅沢だと感じますし幸せです。
この幸せを胸に両親に恩返ししていきたいと思います。

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