大学の恩師にやっと再会‼⑯

アリゾナにいる間、私の大学のゼミの
恩師に手紙を数回書いて、送っていた。

私は経済学部で財政学のゼミに入り、
その恩師がちょうど大学を退官する時
ラストのゼミ生になったのと、女子が
私も含め3人も入ったのでとても大切に
扱ってくれた。

結婚してからアメリカ移住前に、その
恩師と奥さんに会いに行き、DAVIDと
私のいきさつやこれからの暮らしを
2人に伝え、一緒にランチをしたのだ。

昔のランチ時間

もうそれは10年以上も前の話で、一度
DAVIDを恩師に会わせたいとずっと
思っていた。

そのころすでに70代後半だったから、
その恩師A先生は今もう90歳近いはず。

何度かお手紙やメールを書いたが毎日
お忙しいのか、加齢で何かあったのか
返事はなかったが氣になっていた。

実家の静岡とその恩師Aさんの暮らす
待ちは電車で一駅。

焼津駅

再会を電話でお願いすると、数日後の
「11時に最寄りの駅にいらっしゃい!」と
快諾してくれたので、DAVIDと向かった。

電車で駅について、またA先生の自宅に
電話すると「駅から家まで来れる？」と
言われ、当時のA先生の家までの道のり
は記憶があやふやだし、自信がナイ。

前よりもA先生の口調がスローになり、
後ろで奥様とのやりとりが何だか、
聴こえる。

「じゃ、駅の南口で待っていて下さい‼」と
言われ、DAVIDと私は15分以上待ち続けた。

奥様がドライバーで、A先生は助手席に
乗り私達を駅でピックアップ。

奥様には私達の訪問をA先生は伝えてなく、
急な来客でビックリしたと自宅までの
ドライブで話してくれた。

焼津市

以前よりも90歳を迎えるA先生の、10年の
加齢の変化は明らかで、少しスローには
感じたが、自分で歩けるし健康に問題は
ナイ様子。

ただ家の中は雑然として、片づけ切れない
多くの新聞やらギフトが溜まっていたが、
DAVIDも私もそんなの関係ない。

突然の訪問を快く出迎えてくれ、リビング
でお茶を飲みながら、しばし雑談。

DAVIDとの出逢いや私達の近況を知らせ、
奥様はペラペラの日本語を話すDAVIDに
感心して「佳子さん、幸せでラッキーな
出逢いをしたのね‼」と嬉しそうだった。

久能山東照宮

私達が来た時、奥様が「主人は増田さん
がDAVIDさんと来るのを、事前に知らせて
くれなかったから…」と、お茶菓子の用意
もしてなくて申し訳ないと、日本茶と
カステラを用意してくれた。

砂糖入りの甘いお菓子を食べない私は、
遠慮して「お構いなく」と言ったのだが、
小さなお土産を手渡したら、奥様はまた
恐縮してた。

甘いモノを食べない私のカステラを、
パクパク食べてるDAVIDに渡して私の分も
食べてもらったら、「もっと食べる？」と
追加のカステラをお皿に乗せられて、
困ったのでティッシュに包み、お持ち帰り
させて頂いた。

カステラとお茶

90分近くおしゃべりしっ放しで、A先生の
眠そうな目を感じた私は、あまり長居して
も90歳近いお2人を疲れさせるのは、申し訳
ないのでお暇した。

駅までの帰り道も奥様が、元気に車を
ブッ飛ばして、助手席のA先生が信号や
歩行者など、前もって危険を知らせる
ナビ役をしていた。

二人の様子がとても微笑ましく、90歳に
なるご夫婦のやり取りが長い結婚生活で
出来上がったマイペースなんだと、何だか
見ててほのぼのした。

旭川出身のお2人にはお子さんはいないが、
一緒に歳を重ね続ける二人の様子は、
とても仲良しでお互いを支え合ってる。

以前A先生に、「お二人のお墓はどうする
のですか？」と尋ねたら、もう近くに
土地とお墓を買ってあり、「永代供養を
30年してもらい、後はお寺にお任せ！」と
未来のプランをサラリと教えてくれた。

90歳を迎える素敵なパートナーシップで
先をちゃんと見据えてる二人なんだと、
とても素敵に感じた。

DAVIDと私は駅で先生ご夫婦にサヨナラし、
アメリカからはるばる、こうして再会しに
来てくれたコトをとても喜んでくれた。

次はいつ会えるか分からないと思うと
A先生ご夫婦のココロ穏やかな、長寿と
健康をただただ願って、また元気に
ブッ飛ばす奥様の運転する車をDAVIDと
見送った。

海とDAVID

DAVIDも私も90歳になって、A先生夫妻の
様に「いつまでも元気に暮らし、自分の
コトは自分で出来る加齢をしたいね!」と
電車の中で話をした。

⑰につづく…

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